2017年7月6日更新

アカデミー音響編集賞受賞 『アメリカン・スナイパー』感想・評価まとめ

アカデミー賞音響編集賞に輝いた『アメリカン・スナイパー』の感想・評価まとめです。主演のブラッドリー・クーパーは主演男優賞こそ逃したものの、その卓越した演技センスを見せつけました。さらにクリント・イーストウッド監督もまだまだ健在というのを世に知らしめました。

興行収入が『プライベート・ライアン』越え

HMworldtraveller イラクとの戦争で狙撃手をつとめた実在の人物クリス・カイルの話。『心も戻ってきて』というクリスの奥さんの悲痛な言葉に見ているこちらも胸が痛くなった。戦争から帰還するたびに夫の無事に安堵する一方で、段々と人柄が変わっていくのを感じた妻の心の底からの叫びだったのでしょう。戦いから戻ってきた彼は半ば放心状態のようにも 何かに取り憑かれたかのようにも見え、戦争がいかに人の心を蝕むのかということをまた見せつけられました。クリスを駆り立てたものは愛国心なのか使命感なのか。自分が体を張って守らなければ米国本土にももっと危険が及びいずれは家族さえも・・と考えたのだろうか。武力で武力を制するという現実が悲しい。

ブラッドリー・クーパーがすごい。

yuki12241 フューリーといい、昨年公開の米戦争映画はレベルが高い! プライベート・ライアン越えを果たした最高峰の戦争映画です。役作りのために体を鍛えたブラッドリー・クーパーが、クリス・カイルに激似と言うことで話題になっていますが、本当にそっくり。 英雄であることと人殺しであることはある意味イコールなのに、そこにあまり触れないあたりプロパガンダ映画だという批判があるのも当然かなと思いました。しかし、引き金を引くシークエンスが何回も出てきますが、最初と最後でその重みが全く違います。この映画で、どうしても頭から離れないシーンが一つあります。非常に考えさせられる作品なのではないでしょうか。 自伝を元にしているということで、今年2月から始まった裁判(ネタバレありなので調べる方は注意)にも影響を及ぼしているみたいですね。『トガニ』ぶりに、映画のチカラを思い知らされる一作でした。
Yuichi_Kishimoto まずブラッドリー・クーパーの役作りは素晴らしい。どっからどう見ても(マーベルにいそうな)マッチョなアメリカンソルジャーです。

結局反戦的なテーマで、クリスも英雄なんかではないと思う。「野蛮人を殺したことは後悔してない!」とか言ってしまうし。(もちろん人柄は真面目で優しいお兄ちゃんといった感じで好感は持てます。)彼自身も映画内で「レジェンド」に対して一回も肯定的な反応してないですよね。 あえて第○回イラク派遣ってテロップ入れることによって、徐々にPTSDに苛まれていく様子を映す演出はわかりやすくて面白い。

しかしやはりイラク戦争を賛美しているように見えてしまうんだよな。やっぱり戦闘はかっこいいし。アメリカでは確かに誤解されそうな映画だと思いました。

参考:http://miyearnzzlabo.com/archives/22576

でもクリント・イーストウッドがもっとすごい。

aiai1616 イーストウッド監督作品は、そんなに数多くみてはいませんが、「まっすぐメッセージを伝える監督」という印象がありました。 映画の結末やキャラクターの言動などを、観客に委ねるのではなくて、きちんと自分で描いてメッセージとして観客に伝えるところが好きです。

この映画は、リアルタイムで私自身も感じていた、イラク戦争がどこか現実離れしていて、別の世界で起きている出来事のような感覚を、主人公の視点とアメリカで生活している妻の視点ですごくリアルに描いていたなぁと思います。

主人公が「スナイパー」だからなのかはわからないですが、他の戦争映画にあるようなド派手な戦闘シーンはないですが、その分、彼の緊張感や怒り戸惑いといった心情を丁寧に描いていたと思います。

戦地に行った人、人を殺した人、目の前で友が死んでいくの見た人、極限の環境下で英雄と言われつづける人にしかわからない何か。 この映画はそんな、戦争に行った人としかわかり合えなくなっていき、そんなところにしか自分の居場所がなくなってしまう、ジワジワと心を蝕んでいく戦争の恐ろしさを描いていました。

これが実話だということに、胸が痛みました。

obaover イーストウッド、ほんとレジェンドですね。 戦争という絶対悪の中で誕生した1人の英雄の苦しみや難儀を描写し、視聴側に善悪の判断を委ねている気がしました。 戦争で死闘を繰り返し、殺戮し、帰還することができてもそこには「普通の日々」なんて存在しないんだと、、しみじみ。 見終わった後、無音のエンドロールの中、実話ベースの映画ということもあり色んな感情が押し寄せてきます。

満点という人も

toshibakuon 2015/2/17 よみうりホール試写会にて。イラクに派遣されたシールズの隊員。派遣を繰り返すうちに彼は伝説のスナイパーになっていった。実話だし戦闘がとてもリアルだった。日本でも企業戦士が家庭をかえりみず会社と家族の狭間でもがき苦しむことがあるが国を背負って戦場にいるのだからそんなレベルではない。ただ彼を伝説の男とか英雄だとか祭り上げるのは間違いで戦争の根源をなくし平和で誰もが悲しまない世界を作るのが一番大事。エンドロールの無音はクリントイーストウッドが意図した事でそこで何を感じるかは観た人次第。
Yoko_Sakuma 見終わった後、席を立つまでにいろんなこと考えました。
Shingo_Hanata どうしましょうね。すごい映画を観てしまいましたね。 ありがとう、クリント・イーストウッドさん。
Yuko_Nakanou 米軍史上最高の狙撃手クリス カイルの自伝ストーリーは最後の事実までが、今世界が抱えているISとの緊迫した実情を表していました。

クリントイーストウッド監督は常に弱者の味方であり人の心のもろさを丁寧に映し出すので、アルカイダ側の市民やアメリカ軍の退役後や家族の涙や痛みが胸を打ちます。

決してアメリカ万歳、ヒーロー万歳ではなく、エンドロールまでもがじんわりと訴えてくる今の世界にとって切実な反戦映画で、無関心ではいられなくなります。

主役のブラッドリークーパーは最高の演技力、そしてやっぱりクリントイーストウッドは素晴らし過ぎる名監督。 文句無しの満点です。