2017年9月22日更新

日活ロマンポルノ映画がリブート!全作紹介【園子温、中田秀夫ら】

未だ人気が衰えないばかりか、ますます評価が増している日活ロマンポルノの作品たち。その新作が28年ぶりに製作されました。まもなく公開される、豪華な監督5人による作品それぞれを紹介します。

ロマンポルノが豪華監督を迎えて28年ぶりに復活

日活ロマンポルノとは?

戦後、日本の映画産業を支えてきた日活が、観客数の減少や経営難に直面。低予算で製作できるジャンルとして力を入れたのが、成人映画の「日活ロマンポルノ」です。1971年から1988年に至る17年の間、のべ約1,100本の作品が製作されました。 その後一般映画で活躍することになるたくさんの映画監督や女優・俳優を輩出したほか、キネマ旬報の年間ベスト10にランキングするほどの名作も数多く生み出しました。

「ロマンポルノリブートプロジェクト」について

日活ロマンポルノ誕生45周年となる2016年、新たに立ち上がった企画が「ロマンポルノリブートプロジェクト」です。 最後の作品が公開された1988年から実に28年ぶりに新作を製作し、しかも監督は、現代日本映画界を代表する気鋭の5人。10分に1度の濡れ場、製作費約1000万円、上映時間約80分、撮影期間約1週間という条件で依頼され、2016年秋以降、順次公開されました。

1.塩田明彦監督作品『風に濡れた女』

あらすじ・キャスト

作品のタイトルは『風に濡れた女』。神代辰巳監督・中川梨絵主演による1974年のロマンポルノの傑作『恋人たちは濡れた』へのオマージュ的作品です。 過去を背負い、都会から田舎にやってきた男・高介と、野性的で奔放な魅力を湛えた地元の女・汐里の出会いと欲望の果てを軽やかに描きます。二人を永岡佑と間宮夕貴がみずみずしく演じています。 公開に先駆け、ロマンポルノ作品としては初めて「ロカルノ国際映画祭コンペティション部門」に出品され、見事、若手審査員部門の第3位に入賞しました。 2016年12月17日より劇場公開です。

塩田明彦

1961年9月11日、京都府生まれ。立教大学在学中から自主映画の製作に携わり、監督・脚本家の大和屋竺に師事します。 1999年、初の長編『月光の囁き』が国内外で高い評価を受けます。2005年には、オウム真理教事件をもとにした『カナリア』で、レインダンス映画祭グランプリを受賞しました。その他代表作に『害虫』『黄泉がえり』『どろろ』などがあり、メジャー作品においてもヒットを記録しています。

2.白石和彌監督作品『牝猫たち』

あらすじ・キャスト

作品のタイトルは『牝猫たち』。新宿の風俗嬢を描いた1972年の田中登監督による名作『牝猫たちの夜』へのオマージュ作品であり、また日活ロマンポルノを代表する女優・白川和子がSMクラブのマダム役で出演していることも話題です。 白川和子は記念すべきロマンポルノ第一作『団地妻 昼下がりの情事』の主演女優でもあります。 本作では、新宿から池袋に舞台を移動し、風俗で働く3人の女たちの悩み、そして周囲の男たちとの風変りな関係を群像劇の形で描いています。中心になるヒロインを演じたのは井端珠里です。 2017年1月14日より劇場公開です。

白石和彌

1974年12月17日生まれ、北海道旭川市出身です。若松孝二、行定勲、犬童一心など数々の監督のもとで経験を積んだあと、2010年、『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で監督デビューしました。 2013年の映画『凶悪』が高い評価を受けヒット、第5回TAMA映画賞最優秀新進監督賞、第38回報知映画賞監督賞、第37回日本アカデミー賞優秀監督賞など、数多くの賞を総なめしています。2016年には『日本で一番悪い奴ら』が話題を呼び、第15回ニューヨーク・アジア映画祭のオープニング作品に抜擢されました。

3.園子温監督作品『アンチポルノ』

あらすじ・キャスト

作品タイトルは、いかにも過激な園子温監督らしく『アンチポルノ』。小説家であり、アーティストでもある京子を主人公に、虚実ない交ぜの世界で混乱する姿を描きます。 京子を演じるのは、AKB48研究生の経歴を持ち、園子温監督作品の常連でもある冨手麻妙です。 フランスの第22回エトランジェ映画祭、スペインの第49回シッチェス・カタロニア国際映画祭に相次いで出品されることも決定しています。 2017年1月28日より劇場公開です。

園子温

1961年12月18日生まれ、愛知県豊川市出身です。1986年以来、ぴあフィルムフェスティバルに度々入選し、1990年のスカラシップ作品『自転車吐息』は、ベルリン国際映画祭に招待され上映されました。 90年代はインディーズ界を中心に活躍しましたが、2009年の『愛のむきだし』に始まり、『冷たい熱帯魚』『恋の罪』『ヒミズ』などが立て続けに国内外で高い評価を獲得し、数々の賞にも輝いています。2015年の『新宿スワン』も大ヒットを記録した、名実ともに今の日本を代表する映画監督の一人です。

筒井真理子が初ヌード披露!

本作では筒井真理子がはじめての本格ヌードシーンに挑戦します。10分に1度の濡れ場が条件の本作で、彼女がはたしてどのような「見せ場」を見せるのかに期待が集まっています。 筒井は確かかつ幅の広い演技が評価される女優で、代表作に『淵に立つ』(2016年)やNHK連続テレビ小説『花子とアン』があります。園とはオムニバス映画『MADLY』の1編にてタッグを組んだ経験もあります。

4.中田秀夫監督作品『ホワイトリリー』

あらすじ・キャスト

作品タイトルは『ホワイトリリー』。描かれるのは、その名が象徴するとおりレズビアンの世界です。ロマンポルノ王道のひとつだと言えるでしょう。ここでは、はるかと登紀子の究極の愛を、一人の男・悟を介在させて描きます。 主人公のはるかを演じているのは、『仮面ライダーW』で人気を博した飛鳥凛。子供向け作品から大きく飛躍し、大胆な初ヌードがすでに話題になっています。 2017年2月11日より劇場公開です。

中田秀夫

1961年7月19日生まれ、岡山県出身です。東京大学卒業後、にっかつ撮影所に入社し、助監督などをつとめ経験を積みます。1992年、『本当にあった怖い話』で監督デビュー後、文化庁芸術家在外研修員としてイギリスで学びました。 帰国後、1998年に監督した『リング』が大ヒットし、ジャパニーズホラーを代表する監督の一人になります。『リング2』のハリウッド版でも栄えある監督に抜擢されました。

5.行定勲監督作品『ジムノペディに乱れる』

あらすじ・キャスト

作品タイトルは『ジムノペディに乱れる』で、テーマは、行定勲監督十八番とも言える大人の切ない恋愛。全てを失った一人の映画監督・古谷慎二を主人公に、女たちとのふれあいに本物の温もりを求めて彷徨する姿を描きます。 苦悩する古谷には、独特の演技力と個性が高く評価されている、吉本興業の板尾創路を抜擢。大胆なキャストが話題を呼んでいます。共演は、芦那すみれ、岡村いずみらです。 2016年11月26日より劇場公開です。

行定勲

1968年8月3日生まれ、熊本県出身です。東放学園専門学校在学中から、映画製作に携わり、岩井俊二監督の『Love Letter』や『スワロウテイル』では助監督をつとめました。 2000年の劇場映画監督デビュー作『ひまわり』が、第5回釜山国際映画祭批評家連盟賞を受賞したあと、続く『GO』と『世界の中心で、愛をさけぶ』が大ヒットし、一躍人気監督になりました。