サスペンス映画じゃおなじみ。クレイジー・ウォールを知らなきゃ損する!

2017年7月6日更新

サスペンス映画を見る人ならばピンとくるであろうクレイジー・ウォール。耳慣れない言葉ですが、誰もが見たことがあるはずです。このウォールの歴史をなぞると同時に、最近脚光を浴びている理由を探りました。

クレイジー・ウォールはサスペンス映画でよく見かけるアレ

この言葉は写真のように壁にたくさん貼られた写真やメモ、地図などのことで、刑事はこれを元に事件のポイントを整理し、犯人を割り出していくのです。映画だけではなく、TVドラマでもよく見られます。

始まりはキューブリックのあの名作

このウォールの歴史は古く、1964年公開のスタンリー・キューブリックの名作『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』に登場します。 あるアメリカ軍将軍がソビエトへの核攻撃を命じたために、アメリカ首脳が会議を行う際にこのボードが出てきます。

90年代後半にはお粗末な出来になっている

その後60〜70年代の冷戦のときを経てこのウォールが使われることは少なくなりました。1997年に公開された『陰謀のセオリー』では、 タクシードライバーのジェリー(メル・ギブソン)がジュリア・ロバーツ演じるアリスに関して、半分ストーカーのような形でクレイジー・ウォールをつくっていますが、これは「10分で出来てしまうような」お粗末な代物でした。

ウォールが評価されるようになったきっかけをつくった映画

21世紀を迎え、9.11を経て、再び映画界でウォールが評価されるようになったのは『ビューティフル・マインド』がきっかけでした。 この映画で、ウォールは天才数学者ナッシュの心情を代弁する役割を果たしていますが、 キャラクターと筋書きを明らかにするためにウォールが見直されることとなったのです。 その後『ドラゴン・タトゥーの女』や『スリーデイズ』など様々な映画で見られるようになります。

近年の人間の思考のトレンドが影響している

2010年に入ってからも『21ジャンプストリート』などで見られるようになったウォール。なぜこれほどまでに使われるようになったのでしょうか。 それは近年マインドマップやスパイダーダイアグラムによって進んでいる「思考の可視化」のためだと言えます。このウォールは登場人物の思考をビジュアル化したいという観客の希望に沿っているのです。

ウォールが役に立つかどうかはあなた次第

では実際に映画を観ていてこのウォールが謎を解く鍵になるかというと、そうとも言い切れません。というのは人には2つの思考タイプがあり、ストーリーを追って順に考えていくタイプの人にはウォールは無意味のようです。一方で、直感や目の前にある物事から考えるタイプの人にはウォールが功を奏します。

映画の中で何気なく目にするこのウォール。今度からは是非出てきたら詳しく見てみてください。事件を解く鍵が隠されているかもしれません。