孤独を生きていた男が「ゼロ」によって人生の喜びを見つけた『ゼロの未来』

2017年7月6日更新

鬼才テリー・ギリアム監督が世に放つ、近未来SFドラマ誕生しました。 ゼロとは100%でなければならない…謎の数式「ゼロの定理」の解明をめぐって一人の男とその人生が変動していく様子を独特の世界感で描きしだした傑作。 世界中が待ち望んでいた、ギリアム監督最新作『ゼロの未来』をご紹介します。

ゼロとは一体なんなのか?男が解明に挑んだ「ゼロの定理」

主人公コーエンは天才プログラマー。 コンピューターに支配された世界で、一人教会にこもって一本の電話を待つ日々を送っていました。 人生の意味を知らせるそれを待ちわびながら、謎めいた数式「ゼロ」の解明に挑んでいます。 ある日ひょんなことから、パーティーに参加することになったコーエンが魅力的な女性と知り合い、恋に落ちていくのでした。 閉ざされた世界で生きていた孤独なコーエンは恋に戸惑いながらもその心地よさを知るのです。 また、時を同じくしてゼロの秘密を知る少年との友情も芽生え、コーエンの人生が動き出していくのでした。

テリー・ギリアム監督の独創的な世界に魅了される

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1985年公開『未来世紀ブラジル』や、1996年公開『12モンキーズ』を代表作とする鬼才と言われる監督テリー・ギリアム。 彼にしか生み出すことのできないスタイリッシュかつ、アバンギャルドな作風に誰もが魅了されています。 本作では、久々のSF作品となり未来を舞台に美しく幻想的な世界を大胆に映像化しました。 彼は「『未来世紀ブラジル』では、当時生きていた世界を描こうとしました。 『ゼロの未来』は今住んでいる世界の一端です。」と語っています。 また「複雑な現代に生きる男が、彼の人生の意味を問うシンプルな映画を作ろうと思いました。ややこしい人間関係や愛への渇望、魅惑的なキャラクター、そして意味深く賢くウィットに富んだ脚本が、簡単に答えが出ない疑問を提起するのだ思います。」とも。 彼にとって本作もまた、快心の作であることは間違いようです。

主人公コーエンに抜擢されたのは、クリストフ・ヴァルツ

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本作ではちょっと風変わりな天才プログラマー、主人公のコーエに扮したクリストフ・ヴァルツは、イギリスを代表する実力派俳優です。 『イングロリアス・バスターズ』ではカンヌ国際映画祭男優賞受賞、アカデミー賞助演男優賞受賞見事に獲得し、オスカー俳優の地位を確立しました。 また、『 ジャンゴ 繋がれざる者』においてもアカデミー賞助演男優賞受賞し、名実ともにスターダムへ押し上げれることになったのです。 本作で魅せる孤独な男の表情は、奇妙でありながら憂いを感じさせ、ストーリーが進むにつれて、活き活きと変化していく様には圧巻の一言。 テリー・ギリアムの生み出す、ポップでおかしな世界とクリストフの素晴らしい演技の化学反応がこの作品の見所となっています。