2017年7月6日更新

映画『ファンタスティック・ビースト』海外感想・評価まとめ【ハリー・ポッター】【ネタバレ注意】

世界中のハリーポッターファンが待ち望んだ映画『ファンタスティック・ビースト』がついに日本でも公開されました。海外からもハリポタファンや批評家から続々と感想や評価が集まっています!この記事では海外から寄せられた本作の感想をまとめてご紹介します。ネタバレ注意です!

魔法の世界の新たなる冒険『ファンタスティック・ビースト』

世界的人気を誇る大ヒットファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズ完結から5年を経て、新たな魔法の世界への扉を開いた映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』がついに日本でも公開されました。皆さんはもうご覧になりましたか?

この新シリーズ第1作目に関して、海外からも多くの感想や評価が集まっています!世界のポッタリアンや映画批評家は『ファンタスティック・ビースト』をどのように受け入れたのでしょうか?

この記事では海外から寄せられた映画の感想や評価をまとめてご紹介します。

主人公ニュート・スキャマンダーの性格描写に注目

ハリー・ポッターとニュート・スキャマンダーは対照的な人物だ。ハリーが大人の世界へと足を踏み出す少年であったのに対して、ニュートは少年のままでいたい大人である。
引用:nytimes.com
ニュートにはどこか普遍的で「普通な」雰囲気がある。というのも、彼のエキセントリックさは誰にも危害を加えないものであるから。彼が生きる理由、それは完全に幻の動物たちを守るためだ。ニュートには(ハリーとは違って)何か深重な存在理由はないし、むしろ彼が映画で果たす役目といえば、軽い身体的なユーモアを披露することだけである。
引用:nytimes.com
ニュートは好奇心旺盛で優しいキャラクターだ。彼に取って大事なことはただ一つ、魔法生物たちを守ること。
ハリー・ポッターファンなら、このちょっとオタクだけど心優しいニュート・スキャマンダーと恋に落ちることは間違い無いだろう。もしかしたらそれは、彼が本の虫である我々のようにコミュ力が低いからなのかもしれないけれど
引用:sfhstalon.com

魔法の世界がリアルになる描写が素晴らしい

監督のデヴィッド・イェーツは、(マグルの私たちからしたら)ちょっと想像するのが難しいような事柄を、映像で見事に表現することに長けている。例えば、魔女がオーブンを使わずに料理をするシーンとか、空間の大きさに合わせて自由に体のサイズを変える魔法動物とか。
引用:variety.com
この映画の一番素晴らしい点は、すべてを実際に目にできる点だろう。初めてニュートのスーツケースの中の世界を目にする時、視聴者は開いた口がふさがらない。視覚効果はとても現実的である。また、本を読んでいる人からしたら、ニュートが著書「魔法動物とその生息地」で語っている生き物たちを実際に目にすることができるなんて、夢のような話だ。…これは架空の世界なんかではない、全ては本物なんだ!
引用:sfhstalon.com
『ファンタスティック・ビースト』を見ると、特に最近の「ハリー・ポッター」映画がいかに窮屈なものであったかがわかるだろう。外界との接触がほとんどなく、戦いは魔法使い同士で行われるばかり。重々しい人間世界と視聴者の知るありきたりの生活と対比された時こそ、魔法というものはここまで魅力的に映るのだ。
引用:newyorker.com

ノーマジ(マグル)のキャラクター、ジェイコブ・コワルスキが良い!

本を読むか映画を見るかしてこの魔法の世界に触れたことのある人なら、ノーマジのジェイコブ・コワルスキが初めて魔法の世界に触れる描写に思わず爆笑することだろう。ジェイコブは優しい心を持ちユーモアに溢れた人物で、映画の中でもニュートの言う通り、愛せずにはいられないキャラクターだ(いや、本当に)。
引用:sfhstalon.com
ジェイコブはパン屋になるという彼の単純な夢をはるかに超える世界に驚かされる…それも一回だけでなく、毎シーンごとに。彼には夢と興味を追いかけるパワーがある。彼は我々視聴者が最も共感できるキャラクターかもしれない。(ジェイコブを演じる)フォグラーの好奇心あふれる演技もまた良い。
彼のアニメ的とも言えるコミカルな演技は、彼の心からの驚きに支えられているからこそうまく成り立っているのだ。魔法世界における一般の人間は、今までの「ハリー・ポッター」シリーズではあまり描かれてこなかった(ダーズリーのような小さな役を除いては)。
ジェイコブの存在によって、観客はまるで本当に魔法の世界に入り込んでしまったかのような、共感できる驚きを感じる。だからこそ彼が記憶を消されるシーンは、見ている側からしても辛い部分がある。しかも、クイニーとのロマンスがあるから、なお一層(クイニーとのロマンスは驚くほどに現実的だ、一見共通点のない二人に見えるけれども)。

子どもよりも大人向けの映画

『ファンタスティック・ビースト』の設定は、子どもたちがホグワーツという守られた環境で授業に行って魔法生物について学ぶ、というのとは大きく異なっている。この映画の舞台は1920年代のマンハッタン。魔法使いたちは「ノー・マジ(イギリス風に言えばマグル)」との隔離と差別化を図ってはいるが、恐るべき悪の力は(魔法が使えるか否かを問わず)ニューヨークにいるすべての人の生活を脅かすものになっているからだ。
映画で描かれる暴力や大きなテーマは、小さなポッターファンにとってはちょっと行き過ぎたものかもしれない。
この映画のストーリーラインの一つは、暴力的な反魔法運動である。反魔法派の人たちは邪魔者である魔法使いを殺すことも厭わない姿勢で、世界中に魔法の脅威を知らしめようとしている。この物語の筋は(ニュートが逃亡した魔法動物たちを探すというストーリーと比べると)ずっとダークなもので、大人向けのものである。児童虐待などの重い問題をも扱ったこの話を、魔法動物たちと調和させるのは少し難しい。

たくさんの内容がとにかく盛りだくさん!

この映画は、3時間分の内容を2時間の映画に凝縮したようなものだ。これは今までの「ハリー・ポッター」作品にも共通していることで、やはり全てを知りたければ本に頼るしかないのだろう。第2セーラム派の元の子供達の過酷な状況や、ジョン・ヴォイト演じる新聞王とその息子たちの物語、またクイニーとジェイコブのチャーミングな恋愛模様などは、もう少し詳しく描かれていたら良かったかもしれない。
ジェイコブやクイニーのスイートさとバランスを取る意味で、もう少し悪役、特に第2セーラム派のリーダー、メアリー・ルー・べアボーンの冷たさが見たかった。ローリングの作品によく見られることだが、細部への注目は物語の大きな筋を少し弱めてしまうようだ。
引用:newyorker.com

現代社会への問題提起

社会の分裂や少数派に対する差別といった(映画の軸となる大きな)テーマは、現代の社会に疑問を投げかけている。その点で、映画公開のタイミングはばっちりだ。
『ファンタスティック・ビースト』は大きく見て二つの役割を果たしていると言えるだろう。一つは想像力に強く訴えかけるファンタジー・アドベンチャーを提供すること。そうしてもう一つは、今日の社会に吹き荒れる不寛容さ、恐怖、そして保守主義に対する問題を投げかけることだ。…この映画は政治的なアレゴリーでもある。
引用:variety.com