映画『この世界の片隅に』が面白い20の秘密

2017年7月6日更新

口コミで広がりを見せ続ける『この世界の片隅に』。作品をより楽しんでもらうためにあらすじ、考察から映画では描かれなかったエピソードまで、『この世界の片隅に』が面白い20の秘密をご紹介します。

全国拡大中!映画『この世界の片隅に』

2016年11月12日より公開された映画『この世界の片隅に』。SNSの口コミで広がりを見せ続ける、こうの史代原作の映画『この世界の片隅に』が面白い20の秘密をご紹介します。

映画『この世界の片隅に』あらすじ

第2次世界大戦真っ只中の1944年、絵が得意で天真爛漫な少女・浦野すずは広島市江波から呉市の北條周作のもとへ嫁ぎます。戦争で物資が不足する中、不器用ながらも工夫をこらし、人々と協力し合い”普通”の暮らしを守ろうとするすずですが…。

1.原作はこうの史代による漫画

『この世界の片隅に』

原作者のこうの史代は広島出身の漫画家です。出世作の『夕凪の街 桜の国』では被爆者の戦後の人生を描き、手塚治虫文化賞を受賞しています。

今作の『この世界の片隅に』は、2006年から2007年にかけて主人公・浦野すずの幼少期がテーマの3編の短編作品を発表したあと、”漫画アクション”にて2007年1月から2009年に連載されました。単行本は上・中・下巻と前編・後編の両形式で発売されています。

2009年には第3回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞しています。

2.こうの史代の亡き祖母への思いから描かれた話だった

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(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

この作品が生まれたのは、呉に住み戦火を生き抜いた、こうの史代の亡き祖母への思いからだったそうです。

原作者・マンガ家「祖母からは、ちょっとだけ呉戦災の話は聞いたことがあった。 でも私は、あまりそれをまじめに聞いてこなかった。 祖母は亡くなって聞くことはできない。 そこらへんの後悔の念はあった。

祖父母とか、話をできなくなってしまった人々と、書くことで対話をしているような、そういう人たちのことを追いかけるように丁寧に書ければいいなと思った。」

引用:/www.nhk.or.jp

こうして、こうのは当時の暮らしや道具など材質まで細かく調べ、この作品が描かれたそうです。

3.監督・片渕須直が6年の歳月をかけ映像化

監督・片渕須直が2012年にTwitterで制作発表をしました。

片淵は初めて原作に読んだ時、映像化への強い思いを抱いたそうです。

「原作を読んだとき、すずさんがとても愛らしく、愛おしく、健気に思えました。戦争はそんな人の上にも容赦なく爆弾を落とす。その感触を表現したいと思ったんですが、大型出資は見込めなかった。そこで作品に込める熱を関係者やファンに理解してもらうことから始めました。まずは広島取材の経過や、原作の素晴らしさを報告するイベントを1年間、続けたんです」
引用:ryukyushimpo.jp

ここから、片渕須直は6年もの歳月をかけこの作品を完成させました。

4.クラウドファンディングで約4000万円を集金

2015年3月に、スタッフ確保や出資企業を募るためのパイロットフィルムの制作のために、クラウドファンディングサイト・Makuakeで支援者を募集しました。2000万を目標に開始された資金調達は、最終的に3912万1920円を調達し、支援者は3374名となり、その後、2015年6月に製作委員会が発足し映画制作が正式に決定しました。

5.忠実に再現された当時の街並み

『この世界の片隅に』劇中写真

(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

当時の広島・呉を再現するために、片渕は何度も広島に足を運び調査をしました。時には深夜バスで現地に向かい、その日の深夜に東京に帰ってくる日もあったと言い、何度行ったか数えたらきりがないそうです。

6.熱意に動かされ”映画を支援する会”が発足

作品化のためのイベントや、広島に何度も訪問した片渕の熱意に動かされ、広島では”映画を支援する会”が発足されました。戦争を体験した市民の方が町の再現に協力。中には貴重な写真を提供してくれる方もいました。

8.作中には協力してくれた市民の姿も

片渕は、戦火を生き抜いた市民の話を聞き、街並みだけではなく、協力してくれた市民やその家族も作中に描きました。普通の人たちがいた事、そこにいた人の気持ちがわかる、と観客に思ってもらうものを描きたかったそうです。

9.”のん”改名後、初の出演作品

元・能年玲奈こと”のん”が改名後、初めて出演した事でも話題となりました。また、広島弁に挑戦し演技の評価も得ました。

Samurai1632 2016.12.06 立川シネマシティ 極上音響上映 これまでに見た戦争映画ドラマアニメとは違い淡々と”普通に生きようとする”人々の暮らしをリアルに描いているという印象。 予告を見た時は「のんwww」ってなってしまったのですがいざ見てみるとすずさんの雰囲気ピッタリでした。
haaaaru08 感情の波に揺られて溺れそうだった。映画でこんなに泣いたことがなかった。 序盤はすずさんの穏やかな声と相まって展開は早々としていたのがわざとなのか、尺が足りないのかどちらせよ、ぼーっとしていると言われるすずさんらしくて良かった。柔らかなタッチの絵に、のんさんの優しい声が合っていた。

また、のんの抜擢理由について

片渕監督の抜擢理由が、「コメディ演者としての自覚や表現へのこだわりが強く、生活感をフラットに出せる演者であったこと」とあったように、主人公すずのコミカルでおおらかな性格にぴったりフィットした抜擢は、大当たりでした。

とあり、観客も納得するほど主人公・すずのおおらかな性格にピッタリのキャスティングでした。

11.主人公・すずが見た風景

『この世界の片隅に』

(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

『この世界の片隅に』は主人公・すずの”私小説”のような物語です。天真爛漫なすずを通してみる情景は、緊迫した戦時下でものんびりとした優しく、幻想的な風景が描かれています。

11.当たり前の日常を懸命に守る人々

『この世界の片隅に』劇中カット

(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

物資が高騰し生活を圧迫していく中、人々が協力し合い、知恵と工夫で少しでも日常を守ろうとする人々の姿が淡々と描かれています。

『この世界の片隅に』劇中カット2

(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

北條家や浦野家の食事シーンは作中で何度も描かれ、お米と漬物のみの質素なご飯でも、そこには普通の日常があります。