映画『クレイマー、クレイマー』に出演していたキャストの現在【アカデミー賞】

2017年7月6日更新

1979年製作の人間ドラマ『クレイマー、クレイマー』は社会的関心が高まっていた離婚、親権、女性といった問題に深い切込みを入れ世界中をうならせました。そんな本作に出演していたキャストは、現在一体どうしているのでしょうか?

圧倒的な演技力で世界中を席巻した『クレイマー、クレイマー』

『クレイマー、クレイマー』

1979年に公開され同年のアカデミー賞の主要な賞を総なめにした『クレイマー、クレイマー』。その魅力はもちろん多岐にわたりますが、その中でもやはりキャストたちの見事な演技を外すことはできません。主役からわき役まで、登場人物皆が圧倒的な演技力を見せつけました。

ダスティン・ホフマンやメリル・ストリープといった大御所から、この映画で初めて有名になった名子役まで、本作には数々の注目すべき役者がそろっています。そんな彼らは現在どうしているのでしょうか?この記事では映画『クレイマー、クレイマー』に出演していたキャストの現在の姿に迫ります。

テッド・クレーマー/ダスティン・ホフマン

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© 1979 - Columbia Pictures. All rights reserved.

主人公のテッド・クレーマーを演じたのは名優ダスティン・ホフマン。当時すでに『卒業』や『真夜中のカーボーイ』で名声を獲得していたホフマンは今作で悲願のアカデミー賞を受賞しました。その後も勢いは止まることなく、10年後の1988年には二度目のアカデミー主演男優賞を受賞しました。

そんなホフマンもすでに79歳(2017年現在)。近年は映画界の「長老」とも呼ぶべき役が多く『カンフーパンダ』シリーズのシーフー老師はその好例でしょう。共演したジャック・ブラックに個人的な演技レッスンを施したと言われています。2005年の『レーシング・ストライプス』での演技はMTVムービーアワードでコメディ部門を受賞しました。

映画製作に対する熱意は冷めることなく、2010年代に入ってからも監督業に手を出したり(『カルテット!人生のオペラハウス』)、テレビ映画にも出演したりと多彩な活動を続けています。

自身もユダヤ系の血を引く彼はアメリカ国内で吹き荒れる人種問題には大きく心を痛めており、様々な広報活動をアクティブに行っています。

ジョアンナ・クレーマー/メリル・ストリープ

メリル・ストリープ

© Columbia Pictures

今やメリル・ストリープの名を知らない人はいないでしょう。世界で最も高く評価されている名女優ですが、その名をここまで高めるきっかけとなったのが本作『クレイマー、クレイマー』での演技とそれによるアカデミー助演女優賞の受賞であることは間違いありません。彼女はこれまでに計19回アカデミー賞にノミネートされています。

本作以後一度もスランプを経験したことのない彼女。非常に多作であり、彼女が出演すれば映画が当たるとまで言われています。2011年には『マーガレット・サッチャー 鉄の女』でアカデミー主演女優賞を受賞しました。

フェミニストであり、しっかりとした芯のある活動家としても知られるストリープは、その名声を生かして数々の女性問題や人種差別問題に対し公の場で声明を発表してきました。2017年1月にゴールデングローブ賞の生涯功労賞を受賞した際にトランプ次期大統領を批判したことは世界中で話題になりましたね。

このような他者を侮辱する衝動が、公的な舞台に立つ者、権力者によって演じられるならば、人々の生活に浸透することになり、他の人も同じことをしていいということになってしまいます。

軽蔑は軽蔑を招きます。暴力は暴力を呼びます。力ある者が他の人をいじめるためにその立場を利用するとき、私たちはみな負けるのです。

引用:courrier.jp

これが彼女の力強い言葉です。

ビリー・クレイマー/ジャスティン・ヘンリー

ジョアンナとテッドの一人息子であり、二人の離婚を複雑にするのがジャスティン・ヘンリー演じるビリーです。当時8歳のヘンリーはこの『クレイマー、クレイマー』がなんと映画初出演でありながらアカデミー助演男優賞にノミネートされるほどの怪演を披露します。ノミネート時8歳というのは現在に至るまでの最年少記録です。

その後『すてきな片想い』や『スウィート・ハート・ダンス』などのロマンチックコメディに出演しましたが、一度映画出演から離れ大学で心理学を学んだヘンリー。90年代後半にテレビ映画で俳優復帰するもむしろ副業のようなもので、動画共有サイト「Veoh」の地域マネージャーになるなどビジネスマンとして活動中です。

サンダンス国際映画祭に対抗する形で開催されるスラムダンク映画祭を設立するなど、映画の世界に対する愛は薄れていません。

マーガレット・フェルプス/ジェーン・アレクサンダー

同じくシングルマザーであるテッドの隣人マーガレットを演じたのは女優ジェーン・アレクサンダー。ジョアンナの別居をアドバイスした人物でありながら離婚後のテッドと親交を深めていく重要なキャラクターです。

アレクサンダーは60年代から90年代まで続く長いキャリアの持ち主。舞台女優としても有名でトニー賞やエミー賞を受賞した経験があります。1993年には当時の大統領ビル・クリントンによって全米芸術基金の長に指名され政界にも進出しました。

その経験もあって、現在は大学で演劇を教えたり、野生生物保護協会や全米オーデュボン協会にもポストを持ったりして多岐にわたる分野で忙しい毎日を送っています。2016年にはラジオ演劇にも出演した模様です。

フィリス・バーナード/ジョベス・ウィリアムズ

脇役ながら存在感を放ったフィリスを演じたのはジョベス・ウィリアムズ。女優として長いキャリアを誇る一方で監督業にも進出しており、1994年にはアカデミー賞の短編映画部門にノミネートされたこともある実力者です。

2009年以降のウィリアムズは俳優の地位・待遇向上を目指す映画俳優組合の長も務め、すっかり映画界の重鎮といった趣をはなっています。映画では2011年に『ザ・ビッグ・イヤー』に出演しジャック・ブラックやオーウェン・ウィルソンらと共演しました。

ジョン・ショネシー/ハワード・ダフ

テッドの弁護士であるジョン・ショネシーを演じたハワード・ダフは1913年生まれ。『クレイマー、クレイマー』が公開された時点で既に66歳でした。戦後から活動を始めたダフの代表作は1948年の『裸の街』があり、そのほかにも多くのテレビシリーズでも活躍しました。

本作以後も精力的な俳優活動を展開しますが、1990年7月に心臓発作で亡くなりました。享年76歳でした。

ジム・オコナー/ジョージ・コー

テッドが勤める広告代理店の社長ジム・オコナーを演じたのはジョージ・コーです。1950年代から時代を駆け抜けて活動してきた俳優で、『エンティティー 霊体』や『ブラインド・デート』、『素敵な人生の終わり方』などへの出演経験があります。

1990年代以降、ゲームやアニメ映画の声優として活躍していましたが、病に侵され、2015年に長い闘病生活の末に86歳で亡くなりました。