カルト映画『時計じかけのオレンジ』に関するゾッとする事実13選

2017年7月6日更新

1972年に公開されたスタンリー・キューブリック監督による問題作『時計じかけのオレンジ』。暴力的な内容から成人映画の指定を受けるもアカデミー作品賞にノミネートされるなど高く評価され、現在でもカルト的な人気を誇っています。本作にまつわる13のゾッとする事実をご紹介します。

ゾッとする!『時計じかけのオレンジ』にまつわる事実

時計じかけのオレンジ

1971年にアメリカで公開されて以来、多くのカルトファンを魅了してきた『時計じかけのオレンジ』。

今回は『時計じかけのオレンジ』にまつわる思わずゾッとしてしまう事実をご紹介します。

1.撮影中に目を怪我したマルコム・マクダウェル

マルコム・マクダウェル『時計じかけのオレンジ』

まぶたを固定され恐ろしい映像を見せられる場面の撮影では、アレックスを演じたマルコム・マクダウェルはひどい痛みに苦しむことになりました。

目に取り付けられた金具は、患者が横になった状態で使う仕様になっていましたが、キューブリック監督は映像を見せるために座った状態で使いたいと主張。目は麻酔で麻痺させていたため不快感は軽減されましたが、マクダウェルは撮影中に金具で角膜を何度も引っかかれたのでした。

2.マルコム・マクダウェルは窒息しそうになった?

アレックスが警官たちにより水桶のなかに頭を突っ込まれる場面で、実際にマクダウェルがおぼれそうになっていたという説があります。水中で息ができるような器具が仕掛けられていたのですが、その器具がうまく働かなかったというのです。

一方、このシーンは器具の故障による中断はなく、何度も撮り直されたという説も。水中の様子が見えないよう、水はスープなどに使われる牛肉のエキスで濁らせてありました。

3.殺害の脅迫を受けて、イギリスでの上映を禁止していたキューブリック監督

スタンリー・キューブリック

暴力的な内容だった『時計じかけのオレンジ』は1970年代にイギリスで強盗や殺人などの模倣犯罪を引き起こし、マスコミはこの映画の上映を中止するよう訴えていました。最終的にはある事件がきっかけでキューブリック監督自身が配給元のワーナー・ブラザーズに要求してイギリスの映画館での上映を止めさせたのでした。

『時計じかけのオレンジ』の次に制作していた1976年公開の『バリー・リンドン』の撮影中、アイルランドを訪れていた監督とその家族に対して殺害の脅迫が送りつけられたのです。犯人は、映画の中でアレックスと仲間たちがしたのと同じようにロンドン郊外にある監督の家へ押し入ると告げていました。

キューブリック監督は1999年に亡くなるまで、イギリスとアイルランドでの『時計じかけのオレンジ』の上映を控えさせることにしたそうです。

4.無断で本作を上映した映画館も

時計じかけのオレンジ

イギリスでの上映が禁止されていたため、英国のファンはこの映画を見たいときには他国(通常はフランス)からビデオを取り寄せなければなりませんでした。1993年にロンドンの人気映画館スカラ・フィルム・クラブが本作を許可なく上映したため、ワーナー・ブラザーズはこの映画館を提訴して勝利しました。スカラ・フィルム・クラブはあやうく破産に追い込まれそうになったのでした。

5.18歳未満の鑑賞が禁止された『時計じかけのオレンジ』

『時計じかけのオレンジ』はその暴力的な内容から、当時のレーティングで成人映画に指定され、18歳未満の鑑賞は禁止されました。それにも関わらず、アカデミー賞では作品賞をはじめ4部門にノミネートされています。

成人映画の指定を受けながらも作品賞にノミネートされたのは、1969年公開の『真夜中のカウボーイ』と本作のみとなっています。

6.爬虫類嫌いだったマルコム・マクダウェル

マルコム・マクダウェル『時計じかけのオレンジ』

『時計じかけのオレンジ』にはヘビのバジルが登場します。主演のマクダウェルが爬虫類が苦手であるということを監督が知り、ヘビを取り入れることにしたそう。この演出によりアレックスのキャラクターがさらに恐ろしいものになりました。キューブリック監督による悪ふざけという面もあるようです。

7.即興で歌われた「雨に唄えば」

1952年公開のミュージカル映画『雨に唄えば』の表題曲を歌いながら、アレックスは作家とその妻を襲います。もともと脚本にはなかったのですが、キューブリック監督はこのシーンの撮影に4日間を費やしたなかで、あまりにありきたりなものになってしまったことに気づき、マクダウェルにダンスを踊ってみるように指示しました。

シーンを撮り直した際にマクダウェルは踊って、さらに唯一そらで歌うことのできた「雨に唄えば」を歌ったのでした。監督は大変気に入って、すぐにこの曲を映画で使う権利を10,000ドルで買ったそうです。

8.「雨に唄えば」を使われたことで気分を害したジーン・ケリー

雨に唄えば

マクダウェルは映画公開から数年後に、あるパーティーで映画『雨に唄えば』の監督と主演をつとめたジーン・ケリーに遭遇しましたが、ケリーは背中を向けて歩き去ってしまったそう。彼は自分の代表曲である「雨に唄えば」が問題作『時計じかけのオレンジ』で使われたことに気分を害していたようです。

9.最後のシーンは74テイクで撮られた

撮影に妥協せず、何度も撮り直すことで知られるキューブリック監督。映画の最初のカットには4時間が費やされ、最後のシーンは74テイクもの撮り直しが行われました。また使われなかったシーンのフィルムは監督の指示ですべて破棄されたようです。

10.暴行シーンの撮影に耐えられず、女優が降板

作家とその妻が暴行されるシーンの撮影は大変難しく、もともとキャスティングされていた女優が降板しました。エイドリアン・コディが後を引き継ぎましたが、この不名誉なシーンも何度も撮り直しを要求されたため、ひどく腹を立てたと言われています。

11.本当に唾を吐いていたオーブリー・モリス

交番でアレックスがデルトイド先生(オーブリー・モリス)から顔に唾を吐きかけられるシーンがあります。ここでは実際にモリスが唾を吐きかけていたのですが、数度の撮り直しによって唾が出なくなってしまい、代わりを警官役のスティーブン・バーコフがつとめたそう。完璧なショットが撮れるまで協力したと言われています。