『最後の追跡』あらすじ・キャスト・感想ネタバレ【Netflixからアカデミー賞へ!】

2017年5月26日更新 1013view

2016年にNetflixオリジナル作品として独占配信されたクライム・ムービー『最後の追跡』は、2017年アカデミー賞で作品・助演男優賞など4部門にノミネートされました。気になるあらすじとキャスト、みどころなど関連情報をお届けします。

Netflixで独占配信された『最後の追跡』が2017年アカデミー賞ノミネート!

2016年にNetflixのオリジナル作品として独占配信された『最後の追跡』は、日本でも2016年11月18日に配信が開始されました。アメリカでは2016年8月12日に劇場公開もしています。

2017年第74回ゴールデングローブ賞では作品賞・助演男優賞・脚本賞でノミネートされ、また2017年第89回アカデミー賞でも作品賞・助演男優賞・脚本賞・編集賞の4部門でノミネートされました。アカデミー賞受賞となると、ネット配信からの作品としては快挙となります。

映画『最後の追跡』のあらすじ

舞台はテキサス西部。トビー・ハワードは離婚し失業中で、その上母親が遺した農場すらローン支払いが滞り、銀行に差し押さえられそうになってしまいます。そこで、刑務所から出所してきたばかりの兄弟のタナーと二人で、トビーはローンのために銀行強盗計画を企てます。

実は最近、農場の土地から石油が見つかっており、ローンを支払って母の農場の土地を守れば、自分の息子たちの将来も保証されると考えたからでした。

しかし綿密に計画した襲撃も、タナーの無謀ささによって予想外の展開に。二人が2ヵ所の銀行を襲った後、定年間近のテキサス・レンジャー、マーカス・ハミルトンと相棒のアルバート・パーカーがトビーとタナーの痕跡を追って、次の襲撃場所を予測しようとしていました。

追い詰められていくトビーとタナー、そして二人を追うマーカスとアルバート。「最後の追跡」でたどる道とは、いったいどこへ続いているのでしょうか。

『最後の追跡』のキャスト紹介

トビー・ハワード役/クリス・パイン

ロサンゼルス出身、祖母・両親がハリウッド俳優というサラブレッドのクリス・パインは、カリフォルニア大学バークレー校で英文学を学んだ後、アメリカン・コンサーバトリー・シアターで演技も学んでいます。俳優キャリアは2003年のテレビシリーズ『ER緊急救命室』からで、映画デビューは2004年の『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』で、アン・ハサウェイの相手役でした。

2009年の映画『スター・トレック』でジェームズ・T・カークを演じ、その後2013年『スター・トレック イントゥ・ダークネス』、2016年『スター・トレック BEYOND』と同シリーズでカークを演じています。キラキラした青い目が印象的で、よくいたずらっぽい笑顔の素敵なチャーミングで魅力的な役柄を演じていますが、『最後の追跡』ではこれまでとは違った新しい一面を見せています。

タナー・ハワード役/ベン・フォスター

『最後の追跡』では兄弟役で出演しているクリス・パインとベン・フォスターですが、実は同じ1980年生まれです。マサチューセッツ州ボストン出身で、両親はレストランのオーナーでした。父方の祖父母はユダヤ人で、ロシアからの移民だったそうです。

俳優として演技を16歳から始め、キャリアの初期はテレビシリーズでの小さな役をこなしていました。1999年『リバティ・ハイツ』で10代のユダヤ人青年を演じてエイドリアン・ブロディと共演、その後2001年に初の主演作『恋人にしてはいけない男の愛し方』でキルスティン・ダンストと共演しています。

2005年に『ホステージ』でその演技力を評価されてからはメインの役柄を演じるようになり、2006年『X-MEN: ファイナル ディシジョン』にウォーレン・ワージントン三世/エンジェル役でキャスティングされました。また、2016年の『ザ・ブリザード』ではクリス・パインと共演しています。

マーカス・ハミルトン役/ジェフ・ブリッジス

ジェフ・ブリッジスは1949年カリフォルニア州ロサンゼルス出身で、両親・兄ともに俳優という家系に生まれました。そんな恵まれた環境の中で、最初にテレビ出演したのがまだ2歳前というから驚きです。実は子役スタートだったのですね!

最初にジェフ・ブリッジスの名を有名にしたのが1971年の『ラスト・ショー』のデュアン・ジャクソン役で、この演技でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。その後主演・助演を含めて3回ノミネートされましたが、ついに5回目の2010年『クレイジー・ハート』でアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。

俳優業の他にも音楽やナレーター・執筆・写真家など幅広い分野で活動しています。特に音楽の分野ではアルバムも出しており、『クレイジー・ハート』ではすばらしい歌声とギター演奏を披露しました。

アルバート・パーカー役/ギル・バーミンガム

ジル・バーミンガム

© 2012 Kent Eanes/Peck Entertainment, Branded Pictures Entertainment in consultation with Freestyle Releasing and Pandemic Marketi

ギル・バーミンガムは1953年テキサス州サンアントニオ生まれで、ネイティブ・アメリカンのコマンチ族の血を引いています。南カリフォルニア大学を卒業後は石油化学系のエンジニアとして働いていました。

俳優を始めるきっかけとなったのは、ダイアナ・ロスのヒット曲『マッスルズ』のPVに出演したことからでした。ボディビルディングの大会に出るためにジムでトレーニングをしていた時にスカウトされたそうです。

吸血鬼と人間の悲恋を描いた『トワイライト』シリーズでは、3作を通してビリー・ブラック役で出演しています。『最後の追跡』ではジェフ・ブリッジス演じる熟練のテキサス・レンジャー、マーカスの良き相棒アルバート役を演じ注目されました。

『最後の追跡』の見どころはオスカー俳優ジェフ・ブリッジスの渋さが光る名演!

アメリカ南部のプアーホワイトと銃社会の現状を描く

この作品の主人公ハワード兄弟は「プアーホワイト」と呼ばれる貧しい白人で、特にアメリカ南部の農業労働者など低所得者層はいまだ「忘れられた人たち」として、広大な土地に追い詰められた状況で暮らしています。ハワード兄弟の持つ農場のようにローンの支払いが滞って売却しなければならないということも多々あることかもしれません。

そしてこの作品もまたアメリカの銃社会の現状を描いていて、テキサスの市民が自警団として銃武装し戦う様子も映し出しています。日本ではなかなか考えられない光景ですが、アメリカに住む人々は一般市民でも護身のために普段から銃を所持していて、銃で射殺される可能性も日常的にあり得ると知ると、改めて愕然としますね。

二度目のオスカー受賞なるか?渋いジェフ・ブリッジスが魅せる!

『最後の追跡』で一番の見どころといえば、やはりオスカー俳優ジェフ・ブリッジスのいぶし銀の名演技ではないでしょうか。寡黙でタフな熟練テキサス・レンジャー役というと、どうしても2010年の『トゥルー・グリッド』でのコグバーン連邦保安官を思い出してしまいますが、この作品も「追跡」がテーマの西部劇スタイルでした。

ジェフ・ブリッジスはこの演技で再び2017年アカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。また、脚本を書いたテイラー・シェリダンもアカデミー賞脚本賞にノミネートされ注目されています。

この作品でもう一人評価されているのが、気性の激しいタナーを演じたベン・フォスターです。2017年インディペンデント・スピリット賞助演男優賞と、「クリティクス チョイス アワード」ではジェフ・ブリッジスとともに助演男優賞にノミネートされました。ベン・フォスターの熱演にも注目です。

『最後の追跡』の感想・評価を紹介【ネタバレ注意】

『最後の追跡』は濃密な人間ドラマ!

skr_icj 彼らの、ぶっきらぼうなのに人情深い不器用さに心和らぐ。終わらない正義のあり方、選択は遠い世界の話のはずなのに身につまされる。‪最後のやり取りは緊張感あって一言も聞き漏らさないように食い入るように見てしまった。‬ ‪社会と価値観と生き様が濃密に絡み合い、終わらないドラマに繋がる。しんどいながらも心ときめかせる。

新鮮なオリジナル作品、すばらしい演技、思慮に富んだ西部劇&クライム・ムービー

テイラー・シェリダンのシャープでエッジの効いた脚本とデヴィッド・マッケンジー監督の陰影に富んだ演出によって、ジェフ・ブリッジス、クリス・パイン、そして特にベン・フォスターがこの作品に生き生きと息づいている。悲劇の種を持つ果実をむいてしまったような社会でリアルに生きる登場人物たちが、皮肉にもユーモラスで、しかし誠実で、むごく痛々しいほど悲劇的だ。
引用:imdb.com

テキサス西部への洞察に富んだ視点

すばらしい映画。この現代的なクライム・ムービー/ウェスタンが映し出す土地と時代の雰囲気は『ノーカントリー』に似ている。もちろんこの作品でのコーエン兄弟とコーマック・マッカーシーの仕事は称賛に値するが、『最後の追跡』はそれ以上だ。

実際この映画はニューメキシコ西部近くで撮影されているが、特権階級の白人とは無縁の労働階級のプアーホワイトや、「平原の王」コマンチ族の血を引く者の憤り、テキサス・レンジャーの特性など、テキサス西部の現実を映し出している。

引用:imdb.com

美しいアメリカ南西部の景観

デヴィッド・マッケンジー監督の最新作でNetflixから劇場公開された『最後の追跡』は、2015年の『ボーダーライン』の脚本家テイラー・シェリダンのすばらしいシナリオによるものだ。

アメリカ南西部の美しい景観に加え、ニック・ケイブとウォーレン・エリスのゴージャスなサウンドトラックが完璧なカクテルのように調和している。

引用:imdb.com

日本公開は2017年2月の時点では未定ですが、アカデミー賞で注目されたことで今後日本の劇場で見ることができるようになるとうれしいですね!