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映画『あゝ、荒野』あらすじ・キャスト【菅田将暉×ヤン・イクチュン】

2017年10月20日更新

寺山修司が遺した同名長編小説の映画化作品『あゝ、荒野』。菅田将暉とヤン・イクチュンという日韓を代表するホットな実力派がW主演を務めることでも話題の本作について、あらすじやキャストについてご紹介します。

菅田将暉とヤン・イクチュンのW主演が話題の映画『あゝ、荒野』

故寺山修司が1966年に発表した長編小説『あゝ、荒野』が映画化され、2017年10月に前篇と後篇の2部作で公開されます。

主人公の2人をW主演で演じるのは、菅田将暉とヤン・イクチュンという日韓を代表する人気演技派俳優の2人。まっとうな社会から逸脱しながらも、ボクサーとしてしぶとく熱く生きる2人の若者の絶望的な青春と奇妙な友情を描きます。

メガホンをとったのは『二重生活』で監督デビューした岸善幸です。生前の寺山と親交が深かった世界的写真家の森山大道が手掛けた本作のイメージ・ビジュアルは、新宿の混沌した路地に佇む菅田とヤンの姿が強い印象を残しています。

映画『あゝ、荒野』のあらすじは?

『あゝ、荒野』

原作の時代設定を近未来に置きかえた2021年の新宿が舞台です。かつて、詐欺仲間であり兄貴分だった劉輝に暴行し半身不随の体にした男・裕二への復讐を誓う、少年院あがりの新次。かたや、吃音と赤面対人恐怖症を抱えたティッシュ配りの内気な青年・健二。

そんな2人が、ひょんなきっかけから堀口という男に勧誘されるまま、同じボクシングジムの門をくぐります。新次は、復讐を成し遂げるためボクシングにのめり込み、試合を重ねるごとに強いボクサーへと変貌。やがて、内気な性格を克服するためやはりボクシングに打ち込んでいた健二との間に不思議な友情が芽生えていくのです。

原色のネオンがきらめく大都会という荒野で繰り広げられる、若者たちの無軌道な行動の行く末は……。

新宿新次を演じるのは菅田将暉

母に捨てられた少年院あがりの青年・新宿新次を演じるのは、今や映画やドラマで引っ張りだこの人気俳優・菅田将暉です。

菅田将暉は1993年2月21日生まれ、大阪府箕面市出身。2009年、『仮面ライダーW』において初出演ながら主人公を演じるという華やかなスタートを切ります。2013年には映画『共喰い』の主人公・篠垣遠馬役が高く評価され、名実ともに若手実力派俳優の筆頭となりました。

その後の活躍と大ブレークぶりは驚くばかりです。2017年には本作の他、『キセキ -あの日のソビト-』や『帝一の國』『火花』など主演映画が目白押し。テレビドラマでも、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』にいよいよ井伊虎松役で登場です。

健二を演じるヤン・イクチュン

路上で床屋のティッシュ配りをしているところを堀口からボクシングジムに勧誘される「バリカン」こと健二を演じるのは、韓国の人気俳優ヤン・イクチュンです。

ヤン・イクチュンは1975年10月19日生まれ。その名を一躍有名にしたのは、主演のみならず監督・脚本・編集も手掛けた映画『息もできない』です。暴力的な借金取り立て屋のチンピラと気丈な女子高校生の切な過ぎる恋愛を描き、世界中の映画祭を席巻しました。

俳優として複数の日本映画にも出演しており、2012年の映画『かぞくのくに』におけるヤン役や、2013年の宮藤官九郎監督作『中学生円山』におけるパク・ヒョンホン役など、確かな演技力で独特の存在感を放っています。

脇を飾るその他のキャストたち

新次と健二の人生に深く関わる本作のヒロイン・芳子には、オーディションによって木下あかりが大抜擢されました。堤真一や瑛太と共演した2014年の『ロンサム・ウェスト』など、舞台を中心にキャリアを重ねてきた期待の新人女優です。

2人をボクシングジムに誘うトレーナーの「片目」こと堀口にはユースケ・サンタマリア、新次の宿命のライバルとなるボクサーの裕二には山田裕貴、新次を捨てた母親の京子には木村多江が扮しています。

その他、今野杏南、でんでん、モロ師岡、高橋和也ら個性的な実力派が二人を囲む脇役として名を連ねています。また、松浦慎一郎がボクシングの指導を担当したほか、為末役で出演しています。

原作を手掛けた伝説の寺山修司

寺山修司

1960年代を中心に日本のアングラ文化を築いて今日のサブ・カルチャーの先駆者とも評される寺山修司。1983年に47歳の若さで死去するまで、詩人・劇作家・脚本家・映画監督・小説家などいくつもの顔を使い分けながら、メディアの寵児として様々な話題を提供し続けました。

1967年には、実験的な演劇を追求した伝説の劇団「天井桟敷」を結成。美輪明宏が主演した『毛皮のマリー』など、多くの作品が海外でも上演され、高い評価を受けました。1971年には自身の評論集『書を捨てよ、町へ出よう』を映画化し、サンレモ映画祭でグランプリを獲得しています。

膨大かつ多彩な著作が存在する中、1966年に唯一遺した長編小説が『あゝ、荒野』であり、これまで版を重ねて多くの熱狂的なファンを生んでいます。

メガホンをとったのは『二重生活』で菅田将暉とタッグを組んだ岸善幸

『二重生活』

監督を務めたのは大手番組制作会社のテレビマンユニオンで、長らく演出家・プロデューサーとして活躍している岸善幸です。ドラマ『ラジオ』など数々の作品で国内外多数の賞に輝き、2016年には『二重生活』でついに映画監督デビューを果たしました。

映画『二重生活』は、小池真理子の同名小説を原作に、近所に住む男性を尾行することにのめり込んでいく一人の女子学生の姿を描きます。主人公の珠には門脇麦、尾行の対象となる既婚男性の石坂に長谷川博己、そして珠の恋人役として菅田将暉が登場しました。

第14回ウラジオストク国際映画祭において最優秀監督賞を受賞した秀作です。

映画『あゝ、荒野』は10月に前後編公開!

撮影は2016年8月初旬にクランクインし、10月31日に予定通りクランクアップしました。迫力のボクシングの試合では、大量のエキストラを動員した臨場感あふれるシーンが9日間に渡って撮影された模様。都内の新宿区はもちろん、群馬県高崎市など近県でもロケが行われたようです。

そして前篇が2017年10月7日、後篇が2週間後の10月21日に公開です。

寺山修司の原作であるばかりか、2部作という大作であること、さらに菅田将暉とヤン・イクチュンという異色の組み合わせにも、大きな期待が寄せられています。