トム・ヨークが『サスペリア』の音楽を手掛けるのアツすぎじゃないですか?【レディオヘッド】

2017年7月6日更新

イタリアンホラー映画『サスペリア』のリメイク作品の制作が進んでいますが、ここに来てなんと音楽担当にレディオヘッドのトム・ヨークが抜擢されたとの情報が入ってきました。オリジナルのサスペリアを参照しながら、このコラボレーションの可能性について探ってみます。

UKロックのカリスマヴォーカリストが遂に映画音楽に挑戦

トム・ヨークが『サスペリア』を手掛ける__このニュースを驚きと興奮を持って迎えた人が一体どのくらいいるのでしょうか。 今まで長編映画作品への楽曲提供を一切行わなかったトムが、完璧な色彩美で描かれたイタリアンホラーの代名詞的傑作『サスペリア』のリメイク映画を最初の題材に選びました。

ダリオ・アルジェント(オリジナル版の監督)ファンとレディオヘッドファンにとっての関心事、というだけでなく、これは映画業界と音楽業界双方にとってセンセーショナルな事件と言えそうです。

レディオヘッドとトム・ヨーク

90年代にデビューしたオルタナティブロックバンド「レディオヘッド」。初期はメロディセンスを活かした楽曲の良さなどが大きな魅力で、瞬く間に世界的な人気バンドへと駆け上がって行きました。 しかし彼らはポストロックやテクノ、エレクトロニカにダブステップなど、その時代その時代のカッティングエッジな要素を貪欲に取り入れながら音楽性を変化させ、20年以上に渡って斬新な音楽を作り続けている存在でもあります。現在のUKのポピュラー音楽は彼ら無しでは語れません。 そんなバンドのフロントマンでメインソングライターであるトム・ヨークの動静は、当然世界中の注目が集まります。 トムは映画作品への音楽制作に関しては長い沈黙を保ってきました。しかし彼の音響的な作風が映像作品にマッチしないはずもなく、今回の抜擢はファンとしては待望の瞬間だったはず。

イタリアンホラーの傑作『サスペリア』を知ってますか

リメイクされる『サスペリア』は、1977年に国内公開されたイタリア映画をオリジナルに持ちます。オリジナル版を監督したダリオ・アルジェントは、イタリアンホラーを代表する巨匠として知られる人物。 アルジェントの作風はオドロオドロしい残酷描写の中にスタイリッシュな切れ味を内包させていくというもので、ホラー映画にも関わらず衣装やセットの美しさに思わず息をのんでしまいます。 さらに『サスペリア』は彼のフィルモグラフィ中でも屈指の傑作との評価を得る映画で、初期のジャーロ路線(ミステリアスなイタリアンサスペンス映画)から、グロテスクでケバケバしい後年のホラー作品へと橋渡しされる過渡期的な作品でもあります。

ニューヨークからバレエの名門校へ入学してきたスージーの周りに起こる、奇怪な現象と残酷な死。彼女は学校で行われている、ある恐ろしいことに巻き込まれていきます。 「決してひとりでは見ないでください__」のキャッチコピーで日本でもカルトヒットした『サスペリア』。40年経った今でも信奉者の絶えない名作オカルトホラーです。

オリジナル版の音楽はゴブリン。トム・ヨークはプレッシャー?

オリジナル版の音楽を担当したのは、ゴブリンというイタリアのプログレッシブ・ロックバンドでした。ダリオ・アルジェント監督とは多くの作品でタッグを組んでいて、監督の黄金期を音楽で支えた存在として映画ファンにもお馴染みな存在です。 オルゴールのような幽玄な調べから、しだいにシンセサイザーが絡みつき壮大に展開していく『サスペリア』のメインテーマ曲は、一気に血の気が引く怖さで映画の魅力を何倍にも押し上げています。あのエクソシストの誰もが知っているテーマ曲「チューブラーベルズ」に全く引けをとらない完成度!

不安?やっぱり期待?

今回トムがゴブリンと比較されることは必至ですし、原作ファンのオリジナルへの愛着は相当深いはず。高い壁を打ち破ることができるのでしょうか。 トムにとっては今回が長編映画初挑戦ですが、インストトラックはたくさん作ってきました。メロディメイカーとしての才能が発揮されれば、『サスペリア』にあらたな魅力を与えることになるでしょう。 「No Surprises」のような、メランコリーでちょっとダークなテーマ曲なんてぴったりでは? ちなみに彼と並ぶバンドの中心人物であるジョニー・グリーンウッドは『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007年)、『インヒアレント・ヴァイス』(2014年)などのポール・トーマス・アンダーソン監督の作品へ楽曲を提供し、高い評価を受けました。

リメイク版『サスペリア』は絶賛製作中

ダコタ・ジョンソン
Nicky Nelson/WENN.com

リメイク版『サスペリア』は、ダコタ・ジョンソンをヒロインに迎え、『胸騒ぎのシチリア』のルカ・グァダニーノ監督によって制作されています。現在は撮影が終わりポストプロダクション中とのことですが、公開日は未だ決まっていません。(2017年5月現在) 共演にはクロエ・グレース・モレッツ、ティルダ・スウィントンらもラインナップされています。トム・ヨークの音楽とともに公開を楽しみに待ちたいですね。