(C)2017「メアリと魔女の花」製作委員会

『メアリと魔女の花』はジブリを超えたのか?【ネタバレ・感想評価】

2017年7月11日更新

スタジオポノックの記念すべき第1作長編アニメ映画『メアリと魔女の花』が公開されました。ジブリ出身の制作スタッフが携わったということで公開前から注目を集めていた本作ですが、作品の評価は賛否両論のようです。

スタジオポノック1作目『メアリと魔女の花』の気になる感想・評価は?ネタバレありで紹介!

2017年7月8日に公開された『メアリと魔女の花』。これまでのジブリ映画を生み出してきた制作スタッフが集結し、新たに制作会を立ち上げ完成した本作。 監督はジブリ時代に『借りぐらしのアリエッティ』、『思い出のマーニー』を手掛けてきた米林宏昌監督です。 映画公開前から「ジブリの遺伝子を受け継いだ新しい魔女の物語が誕生する」と話題になっていた本作のストーリーのネタバレと、気になる評価・感想についてご紹介しながら、本作が「ジブリを超えたのか」ということについて考えていきます。

映画『メアリと魔女の花』のあらすじ

魔女の花「夜間飛行」を見つけるまで

WEB用_メアリと魔女の花_メイン(PC壁紙画像・携帯待受画像には使用できません)
(C)2017「メアリと魔女の花」製作委員会

主人公のメアリ・スミスが、大叔母シャーロットの住む田舎町に引っ越してくるところから物語は始まります。 人の役に立とうと積極的に手伝いをするメアリでしたが、いつも失敗続き。庭を掃除しようとほうきを手に取るも、大きなほうきをうまく扱いきれず逆に庭を散らかしてしまいます。その瞬間を通りすがりの少年・ピーターに見られ、からかわれてしまいました。 何をやってもうまくいかない毎日にうんざりしていたメアリは、ある時森の近くで黒猫・ティブとグレーの猫・ギブに出会います。のちに、この2匹はピーターが飼っている猫だと分かりました。 黒猫ティブに連れられ森の奥までやってきたメアリは、廃れた森で煌々と輝く「夜間飛行」という花を見つけます。庭師・ゼベディさんの話によると、この夜間飛行は7年にしか1度しか咲かないと言われており、かつて魔女もがほしがった巨大な魔法の力を秘めた花だというのです。 夜間飛行を大事に部屋に飾っていたメアリは、霧の濃い日、再びティブに誘われて森の中に連れていかれます。今回連れてこられた場所は、花を見つけた場所とは違い木々が茂っていました。そこでツタに絡まったほうきを発見。違和感を感じたメアリはほうきを手に取ります。 その瞬間、ティブが口にくわえていた夜間飛行の実を放ち、メアリは思わず花をつぶしてしまいました。メアリの手で潰された花は不思議な光を出しながらメアリを包み込み、更にはほうきに命を吹き込んだのです。 命が吹き込まれた箒によってメアリとティブは空高くまで飛び上がり、雲の上にある不思議な街にやってきます。右も左もわからないメアリでしたが、ほうきの番人・フラナガンに案内され、魔女の国の最高教育機関である「エンドア大学」に入学することになりました。

【ネタバレ注意】映画『メアリと魔女の花』の結末とは

マダムとドクターの真意とは......?

WEB用_メアリと魔女の花_サブ01(PC壁紙画像・携帯待受画像には使用できません)
(C)2017「メアリと魔女の花」製作委員会

夜間飛行によって強い魔女の力を得ていたメアリは、校長、マダム・マンブルチュークに魔力を褒められていい気になります。しかしこの力が花のおかげということを口にした瞬間マダムの態度が激変。 なんとエンドア大学の校長と科学者・ドクターは、何年もの間忌まわしい変身魔法の実験をしていたのです。「魔力の強い夜間飛行を使えば変身魔法は成功する」と思い込んでいた2人は、ピーターを人質にメアリから花を奪おうと計画します。 ピーターを助けるため花を渡したメアリでしたが、ピーターは解放されず、変身魔法の実験台にされようとしていました。 実は過去にも人間に変身魔法をかけ失敗していたマダムとドクター。メアリの大叔母・シャーロットは、2度とこのようなことが起きないようにと魔女の国から夜間飛行を盗み出しました。シャーロットはかつて、エンドア大学に通っていた魔女だったのです。 ピーターはだんだん魔法にのまれ、化け物のような生物になっていきます。魔法の力が尽きてしまったメアリは、マダムの部屋から盗み出していた呪文の本を取り出しピーターの手を取ります。夜間飛行によって魔法の力を持った今のピーターなら“すべての魔法を解く呪文”が使えると思ったのです。メアリの判断は功を奏し、ピーターによって唱えられた呪文ですべての魔法が解けます。 マダムとドクターによる変身魔法はまたしても失敗に終わり、メアリとピーターはフラナガンの助けによって魔女の国を後にするのでした。

映画『メアリと魔女の花』はジブリへのオマージュに溢れている?

WEB用_メアリと魔女の花_ポスタービジュアル(PC壁紙画像・携帯待受画像には使用できません)
(C)2017「メアリと魔女の花」製作委員会

映画を観ると「このシーンどこかで見たことがある」「あのキャラクターに似ている」という印象を多く受けます。 本作のコンセプトである“魔女”は『魔女の宅急便』を彷彿とさせ、メアリの大叔母・シャーロットと家政婦のバンクスは『魔女の宅急便』でニシンのパイを届けるお屋敷の老婦人と家政婦のようでした。猫に連れられて導かれるシーンは『耳をすませば』や『猫の恩返し』でも使われていたプロットです。 また魔女の国にいたドクターは、『千と千尋の神隠し』に登場する釜爺や『天空の城ラピュタ』に登場する機関士ハラ・モトロを混ぜたキャラクターのようとも捉えられます。 これらはジブリへ捧げたオマージュではないでしょうか?本編が終わったエンドロールで「感謝」の文字とともに宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫の名前が流れました。 監督・米林宏昌が、ジブリ時代の師に向けた感謝の表れだったのですね。

ジブリの遺伝子を受け継いだ「メアリ」はジブリを超えることはできたのか?

本作を制作したスタジオポノックは、これまでのジブリ映画を作り上げてきた制作スタッフが多くいます。 イラストやアニメーション、音楽やストーリーなど「ジブリっぽさ」が随所に現れている本作ですが、作品を鑑賞したユーザーからはどのような声があがっているのでしょうか?

映画の雰囲気から当たり前のように“ジブリ作品”だと思っていた人が多いようです。また、ジブリっぽさを上手く引き継いでいるという肯定的な意見もあれば、「過去の作品のつぎはぎのよう」という厳しい意見も。 やはりジブリを超えるには「ジブリっぽさ」から脱却し、新たな物語の価値観や世界観を提供する必要があるようですね。

ジブリクオリティを期待するとがっかり?

宮崎駿を中心として、名作アニメ映画を数多く輩出してきたスタジオジブリ。『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』などジブリを代表する作品の魅力は、作りこまれた設定、謎を残したラスト、魅力的なキャラクター背景などがあげられるでしょう。 これらのジブリクオリティを期待して映画を観た人からは「つまらない」「面白くない」などの感想もあります。“ジブリの遺伝子を受け継いだ作品”と謳っていたため、無理もありません。

ただ一方で、「ジブリと比較しなければ作品自体は面白い」という意見も。つまらないという評価に埋もれがちですが、しっかりと賞賛する感想もあがっています。

作画、アニメーションの腕はやっぱりプロ!

作画やアニメーションはジブリで腕を磨いたチームが作り上げただけあり、納得のクオリティだったのではないでしょうか?

作中では実写のように見えるシーンもあったようです。今後、スタジオポノックは日本を代表するアニメーション制作会社になっていくのではないでしょうか。 『メアリと魔女の花』に次ぐスタジオポノック2作目にも注目が集まりそうです!

合わせて読みたい