「スタートレック:ディスカバリー」にハマった人のための「スタートレック」まとめ

2017年11月14日更新

ネットフリックスで9月から配信中の『スタートレック:ディスカバリー』。第2シーズンの製作も決まり、他の「スタートレック」シリーズが気になり始めた人に送る、これまでの「スタートレック」のテレビシリーズごとの解説。

『スタートレック:ディスカバリー』にハマった人のために

見出し

2017年9月、『スタートレック ディスカバリー』の放送が始まりました。 日本でもネットフリックスで配信されています。 今作は惑星連邦に所属する最新鋭艦ディスカバリー号に乗り込んだマイケル・バーナム中佐が、クリンゴン帝国との戦争の中で仲間と共に活躍していく物語です。 シーズン2の製作も決定し、ますます目が離せない状況です。 「スタートレック」シリーズは1966年にアメリカで放送が開始し、これまでに6つのテレビシリーズと13本の劇場版が製作されました。 しかしその莫大な話数にのぼるテレビシリーズのエピソードの多さから、新規のファンの獲得には苦戦を強いられているというファンにとっては残念な背景があります。 それでも「『ディスカバリー』面白い!過去のテレビシリーズのことも知りたい!」という人のために、簡単ではありますが、これまでの「スタートレック」の歴史をまとめてみようと思います。

『スタートレック 宇宙大作戦』

カーク船長

「スタートレック」シリーズの記念すべき最初の作品です。 1966年から1969年まで全3シーズンが製作され、日本では『宇宙大作戦』のタイトルで放送されました。 23世紀、地球人はいくつかの惑星と同盟を組み「惑星連邦」を結成。エンタープライズ号は探査や外交などあらゆる任務を行うために、5年間の宇宙探査に乗り出していました。 カーク船長を始め、Mr・スポックやドクター・マッコイなど、シリーズを代表するキャラクターが多数登場し人気作となりました。 本作はこれまでのSFドラマと比べ、人間ドラマを強く打ち出していることが当時斬新でした。原作のジーン・ロッデンベリーの戦争体験が大きく影響しており、性善説によるドラマつくりや社会風刺が盛り込まれ、SFドラマの歴史上に残る名作となりました。 アニメ版も製作され、日本でも放送されました。 この後、シリーズはいくつも作られますが、古いファンは今でも「本作が一番面白い」と言います。

『新スタートレック(STAR TREK THE NEXT GENERATION)』

ピカード

『新スタートレック(STAR TREK THE NEXT GENERATION)』は1987年から1994年まで全7シーズンが製作されました。 前作の『宇宙大作戦』から約80年後の24世紀が舞台で、世代交代した最新鋭艦エンタープライズDが活躍します。冷静沈着なピカード艦長を始め、アンドロイドのデータ少佐など人気キャラも多数登場し、「スタートレック」の新しいファンを開拓しました。前作では敵だったクリンゴン帝国も同盟国となり、エンタープライズのクルーとしてウォーフ中尉が登場するなどしました。 また船医のドクター・クラッシャーが女性であるなど、女性の社会進出が反映されたことが伺えます。 まんべんなくキャラクターが魅力的で、新たな宇宙人も多数登場し、世界観を広げました。 シリーズの人気を決定づけた一作であると同時に、バラエティに富み、本作で「スタートレック」の世界観に入っていくこともおすすめしたい、スタンダードなシリーズです。 現在30~40代のファンは本作からシリーズにはまっていった方がほとんどではないでしょうか。

『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』

シスコ

『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』は1993年から1999年まで全7シーズンが製作されました。 これまでの宇宙船を舞台としたシリーズと異なり、本作は宇宙ステーションが舞台になっています。時代背景は『新スタートレック』と並行しており、たまにリンクするエピソードも登場します。 はるか遠い宇宙域と繋がるワーム・ホール近くにあるステーション、ディープ・スペース・ナインを舞台に、そこを訪れる様々な宇宙人たちとの様々な物語や、敵対する惑星との駆け引きなど、複雑なエピソードも多く、後半は侵略戦争が始まりハードな展開になっていきます。 キャラクターはシスコ司令官など連邦士官だけではなく、ステーションで暮らす一般の人々なども多く描かれ、「スタートレック」の世界観を掘り下げています。 原作のジーン・ロッデンベリーの死後に作られた最初のテレビシリーズでもあり、味方側を性善説から家族のように描いていたそれまでのシリーズとは異なり、味方とは言え一枚岩ではいかず、特に初期では仲間内で摩擦が置き、人間ドラマを深めています。 オドーという流動体生物がレギュラーとして登場するのですが、彼の出生の秘密が、初期からラストまで物語の重要なエピソードで登場します。 なかなか見ごたえのあるシリーズです。

『スタートレック:ヴォイジャー』

ジェインウェイ

『スタートレック:ヴォイジャー』は1995年から2001年まで全7シーズンが製作されました。 本作は反連邦組織・マキの船を追っているうちに、何者かに惑星連邦がいまだ到達したことがない7万光年先のはるか遠くの宇宙域に飛ばされ、地球に帰還することが目的の物語です。 マキのクルーも乗り込み、共に地球を目指すため、艦内でも統率がとれず、やきもきします。 しかし、地球からはるか遠くの人類未踏の宇宙ということで、純粋な冒険も待っているのがこのシリーズの魅力です。最初の『宇宙大作戦』に負けていません。 ヴォイジャーを指揮するジェインウェイ艦長は、シリーズ初の女性艦長で、有能な指揮官であると同時に、女性ならではの視点で、クルーたちをファミリーとして扱う姿も新鮮でした。やや強引で無茶を言う艦長でもあるのですが。 キャラクターも魅力的で、ヴァルカン人のトゥヴォックや、緊急医療ホログラムドクターや、地球人とクリンゴン人の混血であるベラナなどバラエティに富んでいます。 ちなみにトゥヴォックを演じたティム・ラスは劇場版の『スタートレック ジェネレーションズ』にエンタープライズBの戦術士官役として出演しており、セリフこそないものの、見た感じトゥヴォックが23世紀にすでにいたかのように見えます。もちろん、公式では別人なんですけど。 またこれまでのシリーズに登場した異星人とのエピソードも掘り下げられ、集大成的な意味でも人気の高いシリーズです。

『スタートレック:エンタープライズ』

アーチャー

『スタートレック:エンタープライズ』は2001年から2005年まで全4シーズンが製作されました。 本作製作までに『新スタートレック』をもとにした劇場版が3作つくられており、シリーズの人気自体が斜陽気味でした。 その背景から本作は時代設定をさかのぼり、『宇宙大作戦』よりも以前の22世紀を舞台にしており、惑星連邦もまだ存在せず、主役艦であるエンタープライズNX-01は、地球連合の宇宙艦隊所属の宇宙船になります。 そのため今までのシリーズに出てきた技術も、本作ではまだ試行錯誤の段階だったり、地球人自体も異星人との交流に不慣れなため、異星との文化交流も摩擦が多いです。 しかし艦長のアーチャーは、深宇宙探査に人類の未来を見出しています。クルーも、他のシリーズと比べて人間味の多い人物が多く、クルーが地球人中心なためビジュアル的には地味ですが、人間くさいドラマは見ごたえがあります。 副官でヴァルカン人のトゥポルはセクシーで美人。あと、ホシ・サトウという日系人クルーが出演していて、なんだか親近感がわきます。

劇場版の『スター・トレック』

エンタープライズ

テレビシリーズ中心の「スタートレック」ですが、これまでに13本の映画が製作されています。(2017年11月現在) 1991年の6作目『スタートレックⅥ 未知の世界』までが『宇宙大作戦』をもとにした劇場版で、2002年の『ネメシス/S.T.X』までが『新スタートレック』の劇場版。以降がキャストを一新した『宇宙大作戦』のリブート版になります。 劇場版はそれぞれのテレビシリーズ終了後に製作されており、それぞれのその後や、人気エピソードの続編的な物語が描かれているため、映画だけ見ても事前情報が必要なものが多いです。これはテレビシリーズからなる映画の難しいところでしょうか。 そのため、ファンの間でも「映画の公開自体は嬉しいけど、この内容はファンでないと楽しめないな」という声も多く、長い間悩みの種でした。 その上、テレビシリーズが宇宙探査が目的なため、映画も物語が地味になりがちで、よくアクション大作である『スター・ウォーズ』と比べられ、特に日本では知名度の低い「スタートレック」シリーズのファンは映画の度に、肩身の狭い思いをしていました。 その声を反映したのか、11作目の『スター・トレック』(劇場版11作目は「スター」と「トレック」の間に「・」が入ります)からは新規のファンの獲得を狙ったのか、再びカーク船長を主人公とした『宇宙大作戦』をもとにした時代設定に戻ります。 しかし、そこは「スタートレック」。巧みなタイムトラベル設定により、未来から来たMr・スポックによって、劇中の未来の影響を受けた過去という設定になっており、また少し新しい世界観での再スタートとなりました。 なので2009年の『スター・トレック』以降は、シリーズに詳しい人が見るとまた違う見方ができる内容となっています。ぜひ詳しくなってから観なおしていただきたいと思います。

『スタートレック ディスカバリー』をもっと楽しむために

バーナム

さて、このように「スタートレック」シリーズはテレビ、映画も含めて膨大なエピソードからなるスペースオペラであることを分かってもらえたかと思います。 そしてそれと同時に「こんなのどこから見ていいかわからない!」と、途方に暮れてしまった方も少なくないかもしれません。 ご安心ください。例えば現在放送中の『スタートレック ディスカバリー』は、『宇宙大作戦』よりも約10年前、クリンゴン帝国との戦争を主な舞台としています。クリンゴンはシリーズを通して登場する「スタートレック」を代表する種族の一つです。過去のシリーズでもクリンゴンを描くエピソードはたくさんあります。時に敵だったり、味方だったりと全史を通して、その関係も変化していきます。試しにそういった関連するエピソードから観て造詣を深めてみるのもひとつの楽しみ方だと思います。ちなみにクリンゴンのデザインは、時代と特殊メイク技術によって、作品によって微妙に変化しているので、そちらもお楽しみください。 さらに主人公のマイケル・バーナム中佐は、ヴァルカンで育てられた地球人という設定で、養父はスポックの父親であるサレクです。スポックの義兄弟ということですね。なので、シリーズからヴァルカンに関するエピソードを見るのも面白いと思います。 そしてこの先の展開に、ワクワクドキドキしてみてください。 では、長寿と繁栄を。(ヴァルカン人の挨拶)