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【ネタバレ】トリビアと共に紐解く『マイティ・ソー バトルロイヤル』最高に笑えるのは何故?徹底解説

2017年11月20日更新

「ソー」三部作の最終章『マイティ・ソー バトルロイヤル』のあらすじと小ネタをネタバレありで徹底解説。監督の変更によって、コメディ路線に大きく舵を切った本作の魅力を余すところなくお伝えします。

『マイティ・ソー バトルロイヤル』は最高に笑えるのにスタイリッシュ!

マーベル・シネマティック・ユニバースのヒーローはカッコいいばかりでなく、軽快なギャグで私たちを笑わせてくれます。しかし、「マイティ・ソー」はMCUの中でシリアスな路線を取っていたため、過去2作品はファンの中でも好き嫌いが別れる傾向にありました。 そして3部作を締めくくる『マイティ・ソー バトルロイヤル』が2017年11月に公開。本作は過去2作とは異なりコミカルな作風へと大きく方向転換しています。 それも、アメコミ映画の中でも屈指のクオリティでコメディとアクションの両立をやってのけたのです。 この記事では劇中の小ネタを取り上げながらネタバレありで本作の魅力を探ります。

『マイティ・ソー バトルロイヤル』のあらすじを紹介!

全能の神オーディンにはソーとロキの他にもう一人の子息がいました。それは、長女である死の女神ヘラ。邪悪すぎるあまりオーディンに封印されていた彼女は、オーディンが息絶えると同時にソーの前に姿を現します。 ソーとロキに圧倒的な力量差を見せつけ、アスガルドへと向かうヘラ。一方、彼女によって宇宙の彼方まで飛ばされたソーが辿り着いたのは、独裁者グランドマスターが支配する惑星サカールでした。 サカールで拘束され剣闘士にされたソー。コロシアムで彼の眼前に現れたのは、アベンジャーズ最強の緑の巨人で……。

そもそも『マイティ・ソー』とは

アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルクと並びアベンジャーズの主要メンバー(BIG4)であるソーは、人間である他メンバーとは違い、神々の住む世界アスガルドで生まれた雷神です。魔法のハンマー「ムジョルニア」を駆使して戦うソーは、ハルクと並びアベンジャーズの中でも飛びぬけた力を持つヒーローと言えます。 ソーはアベンジャーズが二陣営に分かれて戦った『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』には登場していません。彼は『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のラストで、MCU全体のキーアイテムであるインフィニティ・ストーンについて調べるため一旦アスガルドへと帰っていました。ちなみにハルクも同様に「エイジ・オブ・ウルトロン」で姿を消し、「シビル・ウォー」には登場していません。

芝居のロキ役はマット・デイモンが演じていた!?【ネタバレ注意】

マット・デイモン
WENN.com

オープニングのアクションシーンでヴィラン・スルトを倒し、アスガルドへと帰還したソーはそこで衝撃的な光景を目にします。 まるでシェイクスピア劇のようにソーやロキ、オーディンに扮して舞台の上で演技する役者たち。どうやらアスガルドでは前作『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』での出来事が演劇になっていたようです。 と、ここまでは何の前知識が無くても面白いコメディシーンなのですが、実はこのシーンでは豪華なカメオ出演が行われています。 ソー役は本物のソーを演じるクリス・ヘムズワースの兄ルークが、オーディン役は『ジュラシック・パーク』で主人公の恐竜学者を演じたサム・ニールが、そして極めつけのロキ役は『ボーン』シリーズや『オデッセイ』でお馴染みのマット・デイモンが演じていたのです! 秀逸なセルフパロディでもあるアスガルドの演劇は、コメディ路線を押し出した本作の象徴とも言えるようなシーンです。

監督が代わりシリアスからコメディ路線へ

MCUの作品ではしばしば意外な人物が監督に抜擢されますが、本作の監督であるタイカ・ワイティティも実力派でありながら、ユニークな経歴の持ち主です。 ニュージーランド生まれのワイティティは、大学時代コンビを組んでコメディアンとして活動していました。その影響もあってか『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』に代表される彼の映画には気の利いたギャグが散りばめられています。 映画以外にもワイティティは『ホビット』とのコラボ企画でニュージーランド航空の「壮大すぎる機内安全ビデオ」なども監督しています。こちらの動画もコメディが得意な監督だけあって、大いに笑える内容なので要チェックです。

ソー×ハルクの最強コンビが生む笑い

本作の見どころといえば、やはりアベンジャーズの中でも最強クラスの二人=ソーとハルクの共演です。規格外のパワーを持つコンビの戦いはもちろん魅力的ですが、本作の二人はまるで凸凹コンビの漫才師のように観客を笑わせてくれます。 2年近くブルース・バナーに戻らなかった影響か、カタコトでなら喋れるようになったハルクとソーのかけ合いは抱腹絶倒。ハルクの協力を得るためにソーが必死にハルクを説得するシーンなど、いつもは余裕たっぷりのソーがタジタジになっている姿は必見の爆笑ポイントです。

劇中音楽「Immigrant song(移民の歌)」の解説

本作のオープニングとクライマックスのアクションシーンで印象的に流れる楽曲、Led Zeppelinの「Immigrant song(移民の歌)」。重要なシーンで二度もこの曲が使用されたのは、北欧神話というモチーフを『マイティ・ソー』シリーズと共有しているからでしょう。 「Immigrant song」は北欧神話の神オーディンを信仰する海賊ヴァイキングをモチーフにした歌と言われており、事実歌詞にも「Hammer of the gods(神々のハンマー)」、「Valhalla(ヴァルハラ)」など北欧神話を思わせるキーワードが続出します。 また本編の最後でソーとアスガルドの民は宇宙船に乗って故郷アスガルドを離れますが、これには北欧神話の神々の加護を受け航海するヴァイキングのイメージが重ねられているのかもしれません。

「おい、ハルクやめろ!」まさかの結末に仰天。【ネタバレ注意!】

映画終盤、雷神の力に目覚めパワーアップしたソーは決死の覚悟でヘラに立ち向かいます。成長し強くなった主人公が一度負けた敵にリベンジを果たすというストーリーは、王道中の王道です。 しかし成長したソーが仲間と協力してさえアスガルドから無限に力を得られるヘラには歯が立ちません。そこでソーは思いもよらぬ作戦を実行します。 その作戦とはアスガルドに恨みを持つヴィラン・スルトを復活させ、スルトにアスガルドを破壊させることでした。力の源ごとヘラを消し飛ばしてしまう作戦です。 ロキの協力で復活したスルトは瞬く間にアスガルド全土を火の海に沈めます。これにはヘラも仰天、これで万事解決かと思いきや、突如ハルクが巨大なスルトに飛びかかりスルトを殴り始めます。 と、思いがけぬハルクの乱入はあったもののスルトによりアスガルドはヘラと共に消滅し、ソーはアスガルドの民を「ラグナロク(終末の日)」から救います。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』への繋がり【ネタバレ注意!】

MCU恒例になったエンドロール後のオマケ映像ですが、今回のオマケ映像は2018年公開予定の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』への繋がりを意識させるものでした。 アスガルドを離れるソーらの船の前に立ちはだかった巨大な宇宙船は誰のものなのでしょうか? 『インフィニティ・ウォー』でいよいよサノスとの決戦が描かれることを考えれば巨大宇宙船はサノスの船と考えるのが妥当です。 さらに、マーベルスタジオの社長ケビン・ファイギが、アメリカのエンタメサイトThe Wrapであの船がサノスの旗艦「Sanctuary II」であることを仄めかしていました。

『マイティ・ソー バトルロイヤル』後もMCU作品から目が離せない【ネタバレ注意】

『マイティ・ソー バトルロイヤル』では主人公が直接ヴィランを倒さないというトリッキーな終わり方をしましたが、そのような展開は今回に始まったことではありません。 映画『ドクター・ストレンジ』でストレンジはヴィラン・ドルマムゥを倒せず、時間を操作する魔術を使った「交渉」で退けました。また『スパイダーマン:ホームカミング』でヴィラン・ヴァルチャーはスパイダーマンとの最終決戦の際、事故による自滅で危うく死ぬところをスパイダーマンに助けられます。 マーベルのヒーローたちの目的は「ヴィラン退治」ではありません。マーベルヒーローの真の目的は「人助け」であり、ヴィラン退治は人助けのための一手段に過ぎないのです。それは、今作でソーがアスガルドを消滅させてでもアスガルドの民を守ったことからもわかります。 MCUはただヒーローが悪役を倒すだけの安易な展開に陥らないよう、工夫に工夫を重ねています。だからこそ、今後公開を控えているマーベル作品にも大きな期待が持てるというものです。