2018年4月27日更新

2019年大河ドラマ『いだてん』のキャスト・登場人物一覧&相関図で分かりやすく解説!

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豪華すぎ!2019年大河ドラマ『いだてん』主要キャストを一挙紹介!

東京オリンピックを来年に控えた2019年現在、放送されているNHK大河ドラマ第58作目が『いだてん~東京オリムピック噺~』です。2013年の朝ドラ『あまちゃん』はじめ、数々の映画やテレビドラマをヒットに導いてきた宮藤官九郎がオリジナル脚本を担当しています。 世界有数の大国化、太平洋戦争と敗戦、高度経済成長など激動の時代を迎えた近・現代の日本を舞台に、アジア初の開催となった1964年の東京オリンピックに深く関わることになる実在の2人の男を主役に波乱の物語が進んでいます。 宮藤官九郎の他、音楽を大友良英、語りを古今亭志ん生など制作陣まで豪華な今回の大河ドラマ『いだてん』。 今回は物語のあらすじ、豪華キャスト扮する主要登場人物15人を相関図付きで紹介します!

2019大河ドラマ『いだてん』のあらすじ

描かれるのは、日本初参加となった1912年のストックホルムオリンピックから1964年の東京オリンピックに至る52年間。 マラソン選手として日本人初出場しながら、不本意な結果に終わった金栗四三と、東京にオリンピックを招くため尽力した田畑政治、2人の日本人の苦労と奮闘を3部構成かつリレー形式で描きます。 挫折からの復活を目指す金栗は、第一次世界大戦による大会中止などに直面しつつ、団長だった嘉納治五郎らの助けを得て厳しい練習に取り組みます。日本は1936年のベルリン大会でようやくスポーツ大国と認められ、また田畑政治らの招致活動によりようやく東京オリンピック開催が決定します。 ところが、太平洋戦争開戦を理由に返上を余儀なくされてしまいます。その後、敗戦から見事に復興して1959年、ついに5年後の東京オリンピックが決定しますが、開会に至るまで田畑らはさらなる幾多の問題解決を迫られるのでした。

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メインキャスト人物相関図

いだてん相関図
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物語は主人公の金栗四三とその周囲の人々を中心に進んでいます。金栗を取り巻くのは、その家族や妻など故郷である熊本の人々や、その盟友である三島弥彦とその家族やその友人たち。そして上京後に知り合った東京の人々や東京高等師範学校の恩師や学友です。 それから時が経ち、物語の舞台は明治後期へと移ります。そこではもう1人の主人公、田畑政治とその周囲の人々がオリンピック招致に向け奮闘する姿が描かれます。物語全体を通しての語り手は、落語家の古今亭志ん生。彼は両方の主人公に関わった人物でもあります。

大河ドラマ『いだてん』主人公を演じるキャスト

ここからは、本作の登場人物を主人公から順番に紹介します。本作の主人公は「オリンピックに初参加した男」金栗四三と、「オリンピックを呼んだ男」田畑政治の2人。この2人の物語がリレー形式で展開されています。

金栗四三/中村勘九郎

俊足で知られる仏神「いだてん(韋駄天)」に例えられる熊本出身の金栗四三(かなくりしそう)は、マラソンで当時の世界記録を樹立してストックホルムオリンピックに出場しますが、レース中に日射病で失神してしまうという不本意な結果に終わります。 結婚し再起を目指しますが、その後も戦争による大会中止など不運と不幸に見舞われます。競技生活を続けながら学校の教師となり、多くの人材を育てたばかりか箱根駅伝の創設や高地トレーニングの導入など、後に「マラソンの父」と呼ばれるに至った人物です。 演じる中村勘九郎は、2012年に六代目を襲名しましたが、早くから歌舞伎のみならず舞台や映画・ドラマにも幅広く挑戦してきました。2017年の映画『銀魂』では近藤勲を演じて話題になったほか、大河ドラマは2004年の『新選組!』で藤堂平助を演じて以来2度目の出演です。

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田畑政治/阿部サダヲ

新聞記者として働きながら水泳の指導者としても多くの人材を育成し、日本水泳連盟の会長を務めるなど日本水泳の礎を築いたとされるのが田畑政治(たばたまさじ)です。1952年のヘルシンキと続くメルボルンオリンピックでは選手団団長を務めつつ、早くから東京招致のため尽力してきました。 一度は幻に終わった東京オリンピックを、様々な活動を通じて実現させた立役者の一人であり、組織委員会事務総長として開催を成功に導きました。目的を実現するためには労を厭わない情熱家として知られています。 演じる阿部サダヲは、宮藤官九郎とは劇団「大人計画」以来の名コンビとして、映画初主演となった『舞妓Haaaan!!!』で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞しました。その後の活躍は目覚ましく、2011年の主演ドラマ『マルモのおきて』や、2017年放送の大河ドラマ『おんな城主 直虎』の徳川家康役など、数々の作品で際立った個性を発揮しています。

三島家の人々を演じるキャスト

四三の盟友である弥彦をはじめとする三島家。弥彦はもちろん、女中のシマなど、スポーツ振興に貢献した人々が集まっています。母の和歌子は怖い母親として知られていますがそれは誤解で、大変涙もろく情に厚い女性だったとか。

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三島弥彦/生田斗真

東京の麹町出身で、父が警視総監、兄が日銀総裁という格式ある名家に生まれたのが三島弥彦(みしまやひこ)です。エリート街道を歩むかたわら、学生の頃からスポーツ万能で知られ、陸上選手として金栗とともにストックホルム大会に日本人初出場を果たしました。 次のベルリン大会への出場も目指しましたが、第一次世界大戦で中止になったことで次第に競技から遠ざかります。帝大卒業後は銀行に入行し、第一線のスポーツ界から退く道を選びました。 金栗の盟友とも言える三島弥彦を演じるのは、ジャニーズ所属タレントの中でも俳優として際立った活躍をしている生田斗真です。シリーズ化した映画『土竜の唄』の主人公・菊川玲二役は生田の当たり役となり、また大河ドラマは2014年の『軍師官兵衛』で高山右近を演じて以来、2度目の出演です。

シマ/杉咲花

裕福な名家である三島弥彦の屋敷で働く女中がシマです。弥彦のことをよく理解する立場に立ちつつ、やがてスポーツの持つ魅力そのものに目覚めていきます。 まだ女性がオリンピックに出場することには大きな障壁があった時代、いち早く女性の可能性に気づいた金栗四三のもと、その先駆的存在になっていきます。そんな大きく変貌するシマを杉咲花が演じます。 子役から次第に大人の女優へと成長しつつある杉咲花は、2016年の朝ドラ『とと姉ちゃん』のヒロインの妹役で一躍全国的な知名度を得ました。同年には映画『湯を沸かすほどの熱い愛』の娘役の演技が非常に高い評価を受けるなど、女優として大きく飛躍しました。

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三島弥太郎/小澤征悦

三島弥彦の歳の離れた実兄が三島弥太郎(みしまやたろう)です。成績優秀で米国に留学したのち貴族院議員を務め、さらに金融業界においても目覚ましい業績を残しました。大手銀行の頭取を経て、第8代日本銀行総裁にも任命されています。 兄弟でありながら、スポーツに情熱を傾ける弥彦とは全く異なる人生を歩む弥太郎を演じるのは小澤征悦です。 世界的指揮者として知られる小澤征爾の息子という肩書から、今や数々の映画・ドラマに出演する実力派俳優としての地位を確立した小澤征悦。2008年の『篤姫』における西郷隆盛役はじめ、大河ドラマも本作ですでに4度目の出演になります。

三島和歌子/白石加代子

三島弥太郎と弥彦を育てた母が三島和歌子(みしまわかこ)です。薩摩出身の華族であり、「女西郷」の異名を持つ女傑として知られています。 三島家を題材にした徳冨蘆花のベストセラー小説『不如帰』にももちろん登場し、強い女性として描かれていますが、実際は情け深かったと言われています。そんな三島和歌子を演じるのは白石加代子です。 白石加代子は凄みのある演技で「狂気女優」と呼ばれるなど、とりわけ舞台で圧巻の存在感を放つ名女優として数々の賞に輝く実力派です。大河ドラマは、ナレーションも務めた『義経』、そして『花燃ゆ』に続いて3作目の出演になります。

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天狗倶楽部とその関係者たちを演じるキャスト

弥彦の親友である吉岡信敬が所属している天狗倶楽部。今で言う「サークル」のようなもので、野球ファンであった押川春浪が中心となり結成されました。様々なスポーツに参加、応援していたことや、宴会の面白おかしい様子が当時知られていたそうです。

吉岡信敬/満島真之介

早稲田大学で応援隊を結成し、またスポーツ社交を目的に創設された同好会「天狗倶楽部」の一員として、各地で熱心に応援を繰り広げた名物応援隊長が吉岡信敬(よしおかしんけい)です。学生の間では有名で、もちろん三島弥彦とは深い絆で結ばれていました。 「ヤジ将軍」とも呼ばれた吉岡信敬を満島真之介が演じます。 満島真之介は姉の満島ひかりと同じ事務所に所属し、2010年に舞台で俳優デビューを果たしました。2年後には、若松孝二監督作『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』で森田必勝役を熱演し、数々の賞に輝いています。キャリアは浅いながら、姉同様確かな演技力を持つ期待の若手です。

本庄/山本美月

オリンピックにかける金栗四三らを取材する本庄(ほんじょう)は、当時としてはまだ数少なかった女性記者の一人です。見た目は美人ですが、荒々しい男性たちに混じって果敢に取材を続けます。 外見とは裏腹に、どこか男っぽい性格の本庄を演じるのは山本美月です。 人気女性ファッション誌の専属モデルとして活躍していた山本美月は、2012年の映画『桐島、部活やめるってよ』の飯田梨紗役で一躍女優としても注目されました。その後は、映画やドラマへの出演を加速させていきます。 2015年には映画『東京PRウーマン』で初主演を果たすなど、今最も注目される若手女優の一人がついに大河ドラマ初登場です。

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中沢臨川/近藤公園

「天狗倶楽部」の一員で、文芸評論家と工学博士の顔も併せ持つインテリが中沢臨川(なかざわりんせん)です。鉄道会社に勤めながら、日本初の本格的陸上グラウンド「羽田運動場」の建設に携わったことも有名です。 「養命酒」の製造元として知られる長野県の名家出身である中沢臨川を演じるのは、「大人計画」に所属する近藤公園です。 近藤公園は2000年に初舞台を踏み、翌年の映画『ウォーターボーイズ』の金沢役で注目を集めました。以後は映画やドラマで個性的な役柄を演じており、とりわけ山田洋次監督のお気に入りとして『母べえ』など6作品に出演しています。

押川春浪/武井壮

スポーツを愛し、日本初とも言われるスポーツ同好会「天狗倶楽部」を創設した人物が押川春浪(おしかわしゅんろう)です。また一方、雑誌の主筆として数々の冒険小説を発表するなど人気小説家の顔も持っていました。 スポーツ振興に貢献しつつ、のちに「日本SF小説の祖」とも呼ばれる押川春浪には武井壮が抜擢されました。 陸上十種競技の元日本チャンピオンという経歴を持つ人気タレントとして活躍するほか、俳優としてもドラマや映画に出演するなどマルチな才能を発揮する武井壮。大河ドラマでは、2015年の『花燃ゆ』に端役ながら出演したことがあります。

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金栗四三を取り巻く人々を演じるキャスト

金栗四三の家族をはじめ、熊本には彼を支える人物が多くいました。四三の妻となる春野スヤや、四三の養母でありその五輪参加を支える池部幾江らがそうです。あたたかく人情味にあふれる彼らは四三に尽くし、そのマラソン人生を応援し続けました。

春野スヤ/綾瀬はるか

後に金栗四三の妻となるのが春野スヤです。金栗とは同じ熊本出身の幼なじみであり、医師の家に生まれた太陽のごとく明るいお嬢様でした。 結婚後は2人で様々な苦難を乗り越え、オリンピックに向かって突き進む金栗を公私で支え続けた妻として知られています。そんな本作のヒロイン的存在とも言えるスヤを演じるのは綾瀬はるかです。 2000年にホリプロタレントスカウトキャラバン審査員特別賞に輝いた綾瀬は、デビュー後、順調に人気女優の階段を駆け上りました。様々なドラマや映画で主演を務めたほか、大河ドラマでも2013年の『八重の桜』の主人公・新島八重役で主演しており、本作が2度目の抜擢になります。

美川秀信/勝地涼

金栗とは、幼なじみとして熊本の中学から東京高等師範学校まで一緒に過ごすことになる同級生が美川秀信(みかわひでのぶ)です。 努力家の金栗とは対照的に、教師になる夢からは挫折して落ちこぼれます。憎めないノリのいい愛嬌者の美川を演じるのは勝地涼です。 勝地涼は、2005年の映画『亡国のイージス』で日本アカデミー賞新人賞に輝きましたが、なんと言っても朝ドラ『あまちゃん』における一回だけの「前髪クネ男」役で一躍人気者となりました。大河ドラマは『篤姫』と『八重の桜』に続き、3度目の出演です。

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春野先生/志賀廣太郎が降板し、坂戸井けん太に

金栗四三の妻となる春野スヤの父親です。当時はまだ珍しかった西洋医学の医者であり、熊本の地元の村で地域医療に貢献しました。のちに四三の父である信彦の臨終を診ることになります。 村人たちから信頼され、愛される春野先生役として抜擢されたのは志賀廣太郎です。しかし彼は体調不良で降板し、代わりに坂戸井けん太がこの役を務めることになりました。坂戸井けん太は劇団「夢の遊眠社」出身の俳優で、『踊る大捜査線』の魚住二郎役でヒットし、その後多くの作品に出演しました。大河ドラマ『軍師官兵衛』で、別所重棟役を演じたことでも有名です。

池部幾江/大竹しのぶ

熊本に住む金栗四三の親戚であり、後に養母となるのが池部幾江(いけべいくえ)です。早くに夫を亡くしたことで家業を一人で担ってきた資産家の女性です。 金栗がオリンピックを目指し、参加するにあたっては資金的にも精神的にも支え続けました。金栗の大切な理解者であった池部を演じるのは大竹しのぶです。 大竹しのぶは日本を代表する演技派女優として、1973年のデビュー以後、映画・テレビドラマ・舞台に留まらず第一線での活躍ぶりはあえて説明するまでもありません。数多くの作品に主演していますが、大河ドラマは1977年の『花神』で初出演後、本作が6作目にあたります。

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池部重行/髙橋洋

のちに金栗四三の養母となる、池部幾江の実の息子が池部重行(いけべしげゆき)です。熊本に広大な田畑を所有する資産家として母親と庄屋を営んでおり、春野スヤの最初の夫になるという設定のようです。 実際の池部幾江に子供はおらず、ドラマのオリジナルキャラクターである池部重行を演じるのは高橋洋です。 高橋洋は、早稲田大学在学中から演劇活動を始めます。卒業後は蜷川幸雄の劇団に入団し、シェークスピアの古典から現代劇まで数々の舞台を踏みました。2008年に同劇団を退団した後はドラマや映画に活動の場を拡げ、着実にキャリアを重ねています。

東京高等師範学校・大日本体育協会の人々を演じるキャスト

東京高等師範学校、大日本体育協会には日本のスポーツの発展に大きく貢献した人物が集まっています。嘉納治五郎は柔道の創始者としても知られ、歴史の教科書にも掲載されるほどの偉人ですね。四三は彼らのもとで、マラソンの実力を高めました。

嘉納治五郎/役所広司

役所広司
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東京高等師範学校校長であり、金栗の恩師とも言える存在が嘉納治五郎(かのうじごろう)です。アジア初のIOC委員となり、オリンピック初参加のために尽力した上、日本選手団団長を務めました。 「日本スポーツの父」とも呼ばれる重鎮・嘉納治五郎を役所広司が演じます。 役所広司は『SAYURI』や『バベル』など世界を舞台に活躍する国際派俳優として、今や風格すら漂う大御所となりました。『Shall we ダンス?』や『うなぎ』『失楽園』などで数々の賞を受賞しながら、コメディからシリアスまでどんな役柄もこなすことで引っ張りだこの人気を誇り、大河ドラマも本作で6作目の出演です。

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大森兵蔵/竹野内豊

日本初参加となったストックホルムオリンピックの日本選手団監督が大森兵蔵(おおもりひょうぞう)です。その前年には大日本体育協会を設立し、理事に就任しました。 米国で学び、バレーボールとバスケットボールを日本に初めて紹介した人物としても知られています。アメリカ人女性と結婚し、当時としてはずば抜けた国際感覚を持ち合わせていた大森を竹野内豊が演じます。 トレンディドラマで活躍する爽やかなイケメン俳優から渋さを湛える中堅実力派俳優へと成長してきた竹野内豊。2016年の『シン・ゴジラ』における赤坂秀樹役が印象的でしたが、2017年も『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』と『彼女がその名を知らない鳥たち』など話題の映画に連続して出演しています。

可児徳/古舘寛治

東京高等師範学校の助教授にして、徒歩部の部長を務めていたのが可児徳(かにいさお)です。校長である嘉納治五郎のもとで、オリンピックに初参加するための諸々雑事に尽力しました。 部長として金栗四三を直接指導した可児徳を演じるのは、個性派バイプレーヤーとして活躍する古舘寛治です。 古舘寛治はニューヨークで学んだあと、インディペンデント系の作品などを中心にキャリアを積んできましたが、2010年代に入ってからは数々のテレビドラマや映画で脇役ながら個性的な存在感を放っています。大河ドラマでは『おんな城主 直虎』に松下源太郎役で登場しました。

永井道明/杉本哲太

東京高等師範学校の教授であり、金栗が過ごした寄宿舎の舎監も務めていたのが永井道明(ながいどうめい)です。スウェーデンから体操を日本に紹介し、また体育教育に貢献したことから「日本学校体操の父」とも呼ばれています。 熱く、厳しく金栗に接する永井を演じるのが杉本哲太です。 杉本哲太はミュージシャンから俳優へと転身し、その後は悪役や極道など個性的な脇役から渋い存在感を放つ中堅実力派へとキャリアを重ねてきました。ドラマや映画で引っ張りだこの人気俳優として、大河ドラマは『春日局』に始まり、本作にて7作目の出演となります。

大森安仁子/シャーロット・ケイト・フォックス

大森兵蔵が国際結婚したアメリカ人の妻です。本名はアニー・バロウズ・シェプリーでしたが帰化して大森安仁子(おおもりあにこ)を名乗りました。 兵蔵が日本選手団監督としてストックホルム大会に参加した際には同行し、金栗や三島のサポートにあたりました。強気な言動は、裕福な家に生まれたアメリカ人令嬢ならではです。 演じるシャーロット・ケイト・フォックスと言えば、なんと言っても2014年の朝ドラ『マッサン』で外国人として初めて演じたヒロインのエリー役です。同役で一躍人気者となり、その後も『名探偵キャサリン』で民放ドラマ初主演など、日本を主な拠点に女優活動を続けています。

野口源三郎/永山絢人

東京高等師範学校における金栗の後輩であり、マラソン選手としてオリンピック予選に共に参加したのが野口源三郎(のぐちげんざぶろう)です。ストックホルム大会には叶わなかったものの、アントワープ大会には主将として出場しました。 一線から退いたあとも、大日本体育協会の理事としてスポーツ振興に貢献しました。オリンピックに関する多くの著作も発表している野口源三郎を、永山絢斗が演じます。 瑛太と兄弟俳優としても知られる永山絢斗は、2007年のデビュー後、実力のあるイケメン俳優として着実にキャリアを重ねています。NHKでは、2011年の朝ドラ『おひさま』と2016年の『べっぴんさん』で既に2度も主要キャストに抜擢されています。

東京の人々を演じるキャスト

日本初のオリンピック予選会場にて、四三と知り合った清さん。彼は自慢の脚力を活かそうと、学生になりすまして予選に参加していたのです。東京にはその友人の美濃部孝蔵や小梅など、気っ風のいい人物がおり、上京した四三は彼らと出会います。

大隈重信/平泉成

2度の内閣総理大臣含め、複数の閣僚を歴任した政界の重鎮・大隈重信(おおくましげのぶ)。早稲田大学を創設して初代総長を務め、スポーツにも造詣が深かったことがよく知られています。 記録上、日本初の始球式を行った人物とされている大御所政治家を平泉成が演じます。 平泉成は1964年に大映ニューフェイスの一人に選ばれ俳優デビューして以来、長いキャリアを誇ります。とりわけ中年以降は父親や刑事役などで多数のドラマや映画に抜擢され、渋い存在感を放つ俳優となりました。大河ドラマは本作でなんと10作目、朝ドラも7作品に出演しているという人気ぶりです。

内田公使/井上肇

駐スウェーデン公使として、1912年に開催されたストックホルム・オリンピックに初参加した日本選手団を公私に渡って支援したのが内田定槌(うちださだつち)行使です。 初のオリンピック参加で戸惑う選手たちを導き、手厚くサポートしました。世界各国を歴任した敏腕外交官を井上肇が演じます。 井上肇は、名バイプレーヤーとしてドラマや映画に出演し、ときには声優として活躍する実力派です。また自ら「D-Quest(ディー・クエスト)」というパフォーマンス・グループを主宰し、音楽と芝居のコラボレーションや演劇風のコンサートなどさまざまな活動を精力的に行っています。

小梅/橋本愛

明治東京の名所「浅草十二階」を根城に客を引く遊女・小梅は、きっぷのいい性格で、孝蔵とともに浅草を生き抜いていきます。また、熊本から上京したばかりの金栗にも声をかけます。 小梅を演じるのは、宮藤官九郎が脚本を手がけたNHK朝ドラ『あまちゃん』などで知られる橋本愛です。

清さん/峯田和伸

清さんは、孝蔵の兄貴分で、浅草の人力車夫をしています。脚力が自慢で、日本初のオリンピック予選に潜り込み、金栗四三と孝蔵を結びつけるキーパーソンです。 清さんを演じるのは、銀杏BOYZの峯田和伸。近年では俳優としても活躍している峯田。2017年放送の朝ドラ『ひよっこ』で小祝宗男を演じ話題となりました。また宮藤が脚本を手がけた映画『アイデン&ティティ』では主演を務めており、劇中で見事な歌声を披露しています。

黒坂辛作/ピエール瀧

東京の大塚にある足袋屋「足袋のハリマヤ」の店主が黒坂辛作(くろさかしんさく)です。金栗と共に、マラソンを走るための足袋の製作にあたります。 金栗にとって大事な同志的存在となる頑固な職人である黒坂をピエール瀧が演じます。 ピエール瀧は、電気グルーヴのメンバーとして活動するかたわら、俳優としても多くの映画やドラマに出演し独特の個性を発揮してきました。映画『凶悪』やドラマ『64(ロクヨン)』、大河ドラマは『龍馬伝』と『軍師官兵衛』についで本作が3作目、また朝ドラでも『おひさま』『あまちゃん』『とと姉ちゃん』とすでに3作出演という驚くばかりの人気者ぶりです。

熊本の人々を演じるキャスト

もとは病弱だった四三。そんな彼を幼い頃から支え続けたのが、金栗家の人々です。彼らはみなそれぞれ困難を抱えつつも、四三のマラソン人生を応援し続けました。

金栗実次/中村獅童

金栗実次(かなくりさねつぐ)は四三の実兄です。病弱だった父・信彦に代わって金栗家を支えた人物であり、厳しい家計にも関わらず学費を用立てて四三を進学させました。 頑固で激しい一面もあわせ持ちつつ、四三を裏で支えて応援し続けた実次を中村獅童が演じます。 中村獅童は名門の小川家に生まれた歌舞伎界のプリンスとして、早くから二代目を襲名し舞台を踏んできました。映画やテレビドラマでの活躍も目覚ましく、大河ドラマは『春日局』『毛利元就』『武蔵 MUSASHI』『新選組!』『八重の桜』に続き、なんと6作目の出演というすでに貫禄の風格です。

金栗信彦/田口トモロヲ

熊本の村で代々酒蔵を営む金栗信彦(かなくりのぶひこ)は四三の父親です。自身も決して健康というわけではありませんでしたが、病弱だった四三のために骨をおります。 父として四三の幼少時を支え続けた金栗信彦を、俳優、ミュージシャン、ナレーターなどさまざまな顔を持つ多才な田口トモロヲが演じます。 田口トモロヲは、学生時代から自主制作映画やアングラ演劇に関わっていましたが、1989年、塚本晋也監督のカルト映画『鉄男』で主役に抜擢され一躍注目を集めました。以来、プロレスラー役から特撮ものの怪人役までなんでもこなす性格俳優として、特異な存在感を放っています。

金栗シエ/宮崎美子

金栗四三の実母が金栗シエです。夫の信彦亡きあと、明るくたくましい母親として一家を支え、悩んだり挫折したりする四三をひたむきに応援し続けました。 包容力のある絵に描いたような日本の母、金栗シエを同じく熊本出身の宮崎美子が演じます。 CMで鮮烈な話題をよんだことで女子大生モデルから役者へと転身し、今や風格すら漂う実力派女優となった宮崎美子。最近はバラエティーや情報番組においてインテリとして活躍しつつ、女優としてももちろん様々な作品で印象的な演技をみせています。大河ドラマは『八重の桜』以来、2度目の出演です。

1964東京五輪招致チームを演じるキャスト

1964年、東京でオリンピックが開催されました。日本、またアジア地域で開催される初めてのオリンピックとなり、多くの植民地の独立が相次いだこともあって過去最高の出場国数となりました。その招致に尽力したのが、田畑政治とその周囲の人々です。

平沢和重/星野源

東京五輪を招致する際に、スピーチを務めたのが外交評論家の平沢和重です。彼は1964年の五輪の開催地を決めるにあたり、ミュンヘンIOC総会でのスピーチを任されました。 その平沢を演じるのは星野源。紅白歌合戦に出場するほどの人気アーティストでありながら、『逃げるは恥だが役に立つ』の津崎平匡役での好演が人気を博し、俳優としても一気にその実力を広く知られることとなりました。 今回平沢を演じることについて、星野はそのセリフがほとんど英語であることに苦戦していると明かし、「人間として魅力のある平沢を演じるのを楽しみにしている」という旨のコメントを寄せました。

岩田幸彰/松坂桃李

阿部サダヲ演じる田畑政治の秘書として、招致に貢献したのが岩田幸彰。持ち前の情熱と頭脳とで五輪招致を成功に導いた立役者です。また、本作ではいつも女性に囲まれているような、モテる男性であったという設定も加えられています。 そんな岩田は、今や日本を代表する演技派俳優となった松坂桃李が演じます。『不能犯』『娼年』などの映画で数々の難しい役どころを見事に演じ、整ったルックスのみならずその高い演技力で人気を誇る俳優です。大河ドラマは『軍師官兵衛』に続き、今回が2回目の出演となります。

東龍太郎/松重豊

当時の東京都知事として、五輪招致に尽力した東龍太郎。都知事となる以前からスポーツ界に通じており、IOC委員を務めるなどスポーツ振興に貢献した人物です。 今回東を演じるのはベテラン俳優の松重豊。数々の映画、ドラマに出演してきただけあり、大河ドラマは今回が3回目の出演となります。 舞台で経験を積んだこともあり、圧倒的な実力でその地位を確立した松重。名脇役として知られており、1990年代から現在に至るまで幅広い役を演じています。

北原秀雄/岩井秀人

北原秀雄は外交官として活躍していた人物です。本来、五輪招致に向けたスピーチは彼が担当するはずでした。しかしアキレス腱を断絶するケガをしてしまい、スピーチをすることができなくなってしまいました。 北原を演じるのは岩井秀人。俳優として舞台を中心に活躍しており、『真田丸』などテレビドラマや『桐島、部活やめるってよ』など映画にも出演しています。多くの作品において、脇役ながらその存在感を発揮しました。 また演出家、劇作家としても活動しており、2018年には中島哲也監督の映画『来る』の脚本を、中島監督と共同で手掛けています。

志ん生一家と弟子たちを演じるキャスト

清さんの友人であった孝蔵は才能を見出され、古今亭志ん生と名乗り誰もが知る落語家となりました。彼の元には五りんや今松、知恵などの個性豊かな面々が集まりました。この物語も志ん生の語る落語として展開されています。

古今亭志ん生/ビートたけし

美濃部孝蔵こと、「昭和の大名人」古今亭志ん生(ここんてい しんしょう)。「座っているだけですでに面白い」とも評され、借金から逃げるために17回の改名と引っ越しを繰り返したと言う嘘か本当かわからない逸話も持った人物です。 そんな古今亭志ん生を演じるのは、「アウトレイジ」シリーズや『その男、凶暴につき』などの作品でも知られるビートたけし(北野武)。たけしが大河ドラマに出演するのは2002年の『武蔵 MUSASHI』の新免無二斎役以来となります。 なお、ビートたけしは志ん生を演じるにあたって、落語の練習などをしているそうです。

美濃部孝蔵/森山未來

生っ粋の江戸っ子にして、10歳のころより酒とバクチを覚え、小学校すら退学になる「悪童」こと美濃部孝蔵。彼は家も勘当され、稼いだ金を「飲む、打つ、買う」の三道楽にすべて使ってしまうような生活をしていましたが、後に落語と運命的な出会いを果たし、昭和の大名人こと古今亭志ん生へと成長していきます。 孝蔵を演じるのは、『モテキ』『怒り』などで知られる森山未來。様々な作品に出演している森山ですが、NHKでは、後に映画化もされた渡辺あや脚本のドラマ『その街のこども』などで主演を務めています。

五りん/神木隆之介

弟子入りを断られたのにも関わらず志ん生の自宅に住み込み、“五りん”という前座名を名付けられた志ん生の弟子。弟子入りしたにも関わらず、志ん生に雑な口の聞き方をし、落語にも興味を示さないと言う役どころです。 五りんを演じるのは、神木隆之介。神木が大河ドラマに出演するのは『葵 徳川三代』などに続き4度目となります。また、神木は『ぼくの魔法使い』や『11人もいる!』、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』といった宮藤の作品も多数出演しています。

知恵/川栄李奈

五りんの彼女・知恵は、明るく物おじしない性格で、志ん生ですらドギマギさせるほど。また、五りんとの関係は常に知恵の方が上で、五りんは頭が上がらないそうです。 知恵を演じるのは、宮藤脚本のドラマ『ごめんね青春!』にも出演していた川栄李奈。近年は『とと姉ちゃん』『亜人』などの話題作に立て続けに出演している彼女ですが、本作でも素晴らしい演技を見せてくれるのではないでしょうか。

今松/荒川良々

古今亭志ん生の愛弟子の一人が今松(いままつ)です。変わり者の弟弟子・五りんとは違い、情に厚い師匠思いな人柄で、周囲から愛されるムードメーカー的存在になっていきます。 不器用ながら愛嬌あふれる今松を荒川良々が演じます。「大人計画」に所属する荒川良々は、個性派俳優として数々のドラマ・映画・舞台で確かな存在感を発揮してきました。2008年の映画『全然大丈夫』ではついに初主演を果たしています。 もちろん、宮藤官九郎の作品には欠かせない存在です。なんと言っても2013年の朝ドラ『あまちゃん』における副駅長役は強い印象を残し、お茶の間で人気者となりました。大河ドラマは初の出演です。

美濃部りん/池波志乃

古今亭志ん生の妻が、「おりん」こと美濃部りん(みのべりん)です。なかなか芽の出ない夫の才能を信じ、貧しい長屋暮らしを内職しながら支え続けました。 志ん生が弟子を持つようになってからは頼りになるおかみさんとして、みなの面倒を見た美濃部りんを演じるのは、志ん生の実際の孫である池波志乃です。 落語家一家に育ち、中尾彬を夫に持つ池波志乃ですが、女優として出演するのは本作が約20年ぶりになります。自らの祖母ということで出演受諾を決心したようですが、実はりんを演じるのは1983年のドラマ『おりんさん』以来2度目になります。

落語家を演じるキャスト

孝蔵がのちに志ん生となるきっかけとなったのが、その才能を見出した橘家圓喬。売れっ子の落語家であった彼は孝蔵の才能を見抜き、孝蔵もまた彼の落語に魅せられていました。

橘家圓喬/松尾スズキ

どん底時代の孝蔵の才能を見抜き、彼の最初の師匠となる明治時代の人気落語家・橘家圓喬。普段は穏やかな物腰ですが、芸事には厳しく、先輩にも平気で毒を吐くという人物です。 橘家を演じるのは、宮藤、阿部が所属する劇団「大人計画」の主宰・松尾スズキ。『あまちゃん』の好演も話題になった松尾ですが、本作ではどのような演技を見せてくれるのか、楽しみですね!

「いだてん」のオリジナル脚本を手がけるのは宮藤官九郎

オリジナル脚本を担当するのが宮藤官九郎です。大ヒットを記録した『池袋ウエストゲートパーク』や『木更津キャッツアイ』といったテレビドラマ、日本アカデミー賞で最優秀脚本賞に輝いた『GO』や『舞妓Haaaan!!!』など話題の映画で、日本を代表する人気脚本家の一人となりました。 2013年のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』は、数々の賞を受賞したばかりか社会現象を巻き起こしました。満を持しての大河ドラマへの抜擢は、本作が初めてとなります。 また実在の人物がモデルのドラマも宮藤にとっては初の試みであり、事実とフィクションをいかに組合せるかに苦心している趣旨のコメントを発表しています。個性あふれるキャラクターとユニークな台詞、大胆な展開が醍醐味の「クドカン」ワールドは今回も繰り広げられているようです。 また、本作の演出には、『あまちゃん』でも宮藤とタッグを組んだ井上剛や、『モテキ』などで知られる大根仁らも参加しています。

2019年、大注目の大河ドラマ『いだてん』

毎年大河ドラマは話題を呼ぶものですが、特に注目を浴びている『いだてん』。宮藤をはじめとする制作陣による脚本の完成度の高さやユニークな演出、俳優陣の名演はもちろん、歴史描写が正確であることやストーリーの濃さから、熱狂的なファンも少なくないようです。 実在した人物のドラマチックな人生を描いていることが大河ドラマの魅力。一度登場人物たちを整理すると、今までより一層深く楽しめるかもしれませんね。