2018年10月5日更新

ciatr編集部が選ぶ今週公開のおすすめ映画『僕の帰る場所』他【金曜更新】

(C)E.x.N K.K.

9月も過ぎ、本格的に秋めいてくる10月。秋の三連休はぜひ映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか。今週公開の新作映画から、今回は日本とミャンマーの共同作として話題の『僕の帰る場所』についてご紹介していきます。

日本とミャンマーの合同作『僕の帰る場所』

いよいよ10月に入り、すっかり秋めいてきました。今週の新作公開映画の中から紹介するのは、ミャンマーと日本の共同作の『僕の帰る場所』。 とあるミャンマー人家族の揺れ動く行方と絆をミャンマー人メインキャストと日本人映画監督のタッグで描いた本作。東京国際映画祭をはじめとする日本区内の映画賞から、オランダ・シネマアジア映画祭やカンボジア映画祭など、世界各国の映画賞を獲得し話題を集めています。 ありふれた家族の風景を通して深刻化する社会問題を見つめる本作の概要や見どころを、公開前にご紹介していきます。

在日ミャンマー人家族の愛と絆の物語

東京の片隅でひっそりと暮らす、母のケインとふたりの兄弟の親子三人。入国管理局で足止めを食った夫とは離ればなれとなり、慣れない日本語での生活にカインは不安と孤独を抱えていましたが、そんな母親とは裏腹に、子どもたちは日本での生活に馴染みきっていました。 ミャンマーへの帰国と日本での暮らしの間で、揺れ動いていく一家のそれぞれの思い。彼らが住むべき場所は、帰る場所は、果たして……。

究極のホームドラマにふさわしきキャスト陣

奇跡の親子共演

本作で兄のカウン役を演じた日本出身で現在11歳のカウン・ミャ・トゥと、母のケインを演じたケイン・ミャッ・トゥ、ならびに弟のテッを演じたテッ・ミャッ・トゥは実際に血縁関係のある親子。3人共映画初出演でありながらも、ドキュメンタリー調の作風の本作で重要となる家族のリアリティーが親子共演を実現することで見事に表現され、社会派作品としての側面とホームドラマ要素を両立しました。 作中の設定と同じく、実際に東京で暮らす彼らだからこそ紡ぎ出せる繊細で真に迫った空気感にも注目です。

名優・津田寛治も出演

津田寛治
津田寛治

日本とミャンマーの共同作である本作には、日本人役者も多数出演。そのうちのひとりとして、日本で数々の映画やドラマに出演し、その高い演技力と幅広い活躍から名優とささやかれる津田寛治も本作に参加しています。 自身のデビュー作である『ソナチネ』をはじめ、2003年の『座頭市』や『アウトレイジ 最終章』などの北野武監督作品、2016年の大ヒット作『シン・ゴジラ』など、数々の話題作に出演経験がある彼が、映画初出演の本作のメインキャストたちと織りなす新たな世界観に期待が集まります。

家族風景を通じて描く普遍的な社会問題

本作の大きな特徴となるのは、過剰な演出のないリアリティー溢れる家族風景。日本国内でも深刻化を深める移民問題という社会的題材を取り上げながらも、淡々と家族の生活を映し出すことで究極のホームドラマを完成させました。 また、家族が一番初めの共同体ですなわち一番身近な社会であること、ならびに家族を見つめることと社会全体を描き出すことのイコール関係を示唆する作品であり、本作は我々が日常のうちに風化してしまいそうになる困難や苦しみについて考える時間を与えてくれる存在だと筆者は考えます。

今週も話題作が目白押し!

今回は『僕の帰る場所』をご紹介しましたが、その他にも人気作の待望の続編となるデンゼル・ワシントン主演の『イコライザー2』や大杉漣最後の主演作となる『教誨師』、17世紀オランダを舞台に繰り広げられる映画『チューリップ・フィーバー』などの期待作が目白押し!今週の新作からも目が離せません。 10月最初の週末は、ぜひ映画館で芸術の秋を深めてみてはいかがでしょうか。