日本よ、これが米国救命医療ドラマの最前線だ！

日本のドラマはほぼ毎クール、様々な医療や救命関連のドラマが放送されます。 2018年には映画化もされた大人気ドラマシリーズ『コードブルー』のように救命医療の最前線である現場を描いた緊迫感のあるもの、『白い巨塔』のような医療現場の陰謀を描いたもの、さらには『グッド・ドクター』といった小児外科の現場を描いたもの、『RESCUE〜特別高度救助隊』のようなレンジャーを描いたものと、本当に幅広く存在します。 しかしですね。アメリカの救命・医療ドラマは今、日本よりも凄いことになっています。毎エピソードが映画並みの迫力とクオリティで、タイムリーな国の情勢が設定に反映されているためリアリティも桁違い。その中でも、今特に“凄い”FOX製作の2作品を是非紹介させてください。 日本よ、これが米国救命ドラマの最前線だ！

多くの医療ドラマでは、何か事故や事件が起きて病院に搬送されてから、または搬送中から手術などの治療を通しての救命が描かれます。しかし、『9-1-1 LA救命最前線』はそのもっと前、911に電話をかけて事件をレポートするところから始まり、救出するまでを描くのが最大の特徴であり、魅力です。つまり本シリーズは、我々が普段実はあまりドラマで見ることができない搬送直前までの部分にスポットライトを当てています。

緊急通報・911を受けるオペレーター、消防士、警察官といった3種のマルチアングルで人命救助、事件の解決に導く一話完結型のストーリー。消防隊員らが中心で登場し、うまい具合にオペレーターや警察官と絡んでいきます。 特にオペレーターは普段ドラマでしっかり描かれること自体が少ない立場ですが、本シリーズを通して実は登場する女性オペレーターの存在なくして救命医療が成立しないことを痛感させられます。チームを超えた鮮やかな連携によって、短時間で現場へ到着し、人命救助がなされる様子は観ていて本当に気持ちが良いものです。 しかし、彼らは必ずしも人の命を救えるわけではありません。そういった悲しい結末や、消防隊員自身が怪我を負って生死を彷徨うような展開が、とてもリアルなのです。

本シリーズでは各話のなかで、911を巡る一日の出来事を追って描かれています。1話の中では、基本的には3個の事件が取り挙げられ、その内容は大事件から小さな事件まで様々。そして、その通報のバラエティが豊富でユニークすぎて、見る人を飽きさせないんです！ ある時は「壁から赤ちゃんの泣き声が聞こえる」というホラーチックな通報で、実は母親が出産と共に下水パイプに新生児を流したという事件だったり、またある時は結婚式中に出席者全員がホールでダンスをしていたら、床が抜けてしまって大事故に至ったエピソードもあったり。 中には「店員がケチってチキンナゲットを全然くれない！」という、ある意味日常的な緊急事態まで！本当に幅広いシチュエーションが描かれています(※チキンナゲットが足りてなくても消防隊は来てくれません)。

そんな緊急事態を解決し、人命救助をする彼らの日常や私生活も丁寧に描かれていて、個々のキャラクターの魅力に触れることができるのも、本ドラマの良いところ。休憩の間もなく通報がくるので、忙しすぎてお昼ご飯もまともに食べることができなかったり、出会いもないから「警察官・消防士オンリーのマッチングサイト」を使っていたり。 また、認知症の母親の看病疲れ、過去のトラウマによるPTSD、セックス中毒、家庭崩壊といった、様々な“誰もが経験するエマージェンシー”事情を抱えた彼らが、人々を救い続けていく。その姿に感情移入しないわけにはいかないのです。

さて、『レジデント 型破りな天才研修医』は言ってしまえば、911コールで救出され怪我人や、病人が搬送された先の「救命」を描くドラマです。日本でも2012年に林遣都を主演にむかえた『レジデント〜5人の研修医』、そして映画化までされた大ヒットシリーズした『コードブルー』が、本ドラマと同様レジデント(研修医)を描いた作品として親しまれていますね。

しかも本作には『コードブルー』の山Pに超がつくほど似ているコンラッドというイケメン研修医が主人公。性格はお世辞にも良いとは言えず、アウトローな天才な研修医として新人を脅かすような真似ばかりとります。しかし、彼は誰よりも優れているだけでなく、背中に「不名誉より死を」という馬鹿でかいタトゥーを入れている、アンチヒーロー的な存在。 それというのも、彼の所属する総合病院の外科部長が、医療ミスを連発させるくせに名物執刀医として注目を浴び続けるというくそ野郎なのです。コンラッドはそんな外科部長の不正が許せず、レジデントという立場でありながら正義を主張しつつ、人命を救っていくイケメン野郎というわけです。

『9-1-1 LA救命最前線』はチームプレーが輝く作品ですが、それに比べて『レジデント 型破りな天才研修医』はどちらかというと、登場人物それぞれが各々の問題を解決してくスタイル。しかし、共通して「不正医療」という問題に立ち向かっていきます。 実は、2016年英医学誌BMIが「医療ミスが心疾患とがんに続く3台死因に浮上する可能性がある」と発表しています。本ドラマでも、じゃんじゃんミスが起き、そのせいで人が命を落とすことがあります。外科部長はメスを握りたがるくせに、ほぼ毎回手術ミスで合併症を引き起こさせ、患者を死なせます。看板外科医って信頼も他の医師より厚いはずなのに、恐ろしいことですよね。 そのため、コンラッドをはじめとするレジデントたちはまず彼に手術をさせないよう、手回しをしつつ、彼の失脚を実現させるために悪事を暴こうと奮闘していくのです。お願いだから、誰かこのヤブ医者を早く首にして！

さて、恋愛ドラマというのも先ほど紹介した『9-1-1 LA救命最前線』より色濃く描かれているのも『レジデント 型破りな天才研修医』の特徴。主人公コンラッドと、元カノ兼同僚である優秀な看護婦ニックの発展しそうで発展しない、いじらしい恋路に焦らされてしまいます。さらに、そこにコンラッドの親友が突っ込んで三角関係になるものですから、もうどうなることやら！

『9-1-1 LA救命最前線』と『レジデント 型破りな天才研修医』に共通するのは、まず女性が“男性社会”と言われてきた現場で力強く、彼らと肩を並べて活躍している点です。 『9-1-1 LA救命最前線』では、オペレーターであるアビー、救命士・消防士であるヘンリエッタ、警察官でアシーナ・グラントが登場します。警察官のアシーナを演じるのは、その演技力が近年注目を浴びているアンジェラ・バセットなのですが、劇中ではもう男もチビってしまうくらい強面なキャラで圧倒的存在感を放ちます。

対して『レジデント 型破りな天才研修医』は病院のCEOであるクレア、医療の神を目指すガン専門医のレーン、外科医のレジデントであるミーナ、看護師のニックが活躍。 特にミーナは下手すれば外科部長よりも技術的に優れているほどで、自分の手柄を常に横取りしようとする学部長に対して強気な態度で応戦します。一方で『9-1-1 LA救命最前線』より、男性が女性を見下そうとする旧体制な会社制度が登場することも事実です。しかしながら、それぞれの女性が自分の立場を全うして強い心持ちで働く姿に、全女性のモチベーションが上がること間違いなし。

さらに、お仕事見学的な文脈でもこの2作品は他のドラマに比べてかなり優秀です。『9-1-1 LA救命最前線』は、先述の通り普段あまり映像でみることのないオペレーターの業務や、そこから如何にして消防隊や警察が出動するのかが、丁寧に描かれています。 そして『レジデント 型破りな天才研修医』では、アメリカでの医療が“正義”ではなく“ビジネス”であることが色濃く描かれているのが特徴的です。

アメリカの富裕層向けの総合病院を舞台にした本ドラマでは日本とは保険制度が異なっていることから、治療費をかさ増しさせるために必要以上に検査を受けさせたり、入院費を長引かせようとさせたりするシーンが度々登場します。主人公のコンラッドはこのようなビジネス視点で動く外科部長と対峙して、正義を貫き、人を救おうとしていくのです。

そして、『レジデント 型破りな天才研修医』にはタイムリーなアメリカの政治情勢も反映されています。というのも、先ほど紹介した腕の良いレジデント、ミーナが“医療ミス製造機”である外科部長から、自分の影武者としてオペを強要されるシーンがあります。その際に彼は「このご時世で」と、まるでドラマの中でもトランプ政権が存在するかのように、ナイジェリア人である彼女の、アメリカ就労ビザ取得を交換条件に脅すのです。 こういったリアルでタイムリーな世情を投影させている点は、この2作品の大きな見どころとなっています。

さて、もうこれでこの2作品が医療ドラマファンにとって必見であることはお分かりいただけたのではないでしょうか？そんなあなたに朗報です！この度、両作品のコレクターズDVD BOXが発売決定しました！ 『コードブルー』、『RESCUE〜特別高度救助隊』や『海猿』がお好きな方にオススメの『9-1-1 LA救命最前線』は2018年11月2日(金)DVDリリース(先行デジタル配信中)。 『ドクターX』、『医龍』や『グッド・ドクター』が好きな方はどハマり間違いなしな『レジデント 型破りな天才研修医』は、同月16日(金)DVDリリース(同月2日先行デジタル配信開始)されます。

さらには両作品共、期間限定で第1話を無料お試し配信中。

仕事に疲れた時、モチベーションを上げたい時に何度でも観たい、どちらもサラっと見れる一話完結型ドラマ。もう一度観たいエピソードを気楽に観直せるコレクターズDVD BOXは必須アイテムなのでは？

提供：20世紀フォックスホームエンターテイメント様