2018年11月20日更新

映画『ワンダーウーマン』の世界観の面白さってどこ?【ネタバレなし】

2020年に続編が公開されることが決定した『ワンダーウーマン』。大成功を収めた本作ですが、その面白さはどこにあるのでしょうか。続編公開前に1作目を観るにあたって基本情報などをネタバレなしで整理しました。

今からでも遅くない!映画『ワンダーウーマン』の魅力を紹介

アメコミ映画旋風が吹き荒れるなか、2017年に公開された『ワンダーウーマン』。 本作は、DCコミックの大人気キャラクターの実写映画化として公開前から注目され、世界中で大ヒットとなりました。 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の作品が次々と成功しているなか、DCコミック原作の映画はあまり振るわず迷走していましたが、『ワンダーウーマン』はDCエクステンディッド・ユニバース(DCEU)を牽引する存在に躍り出ました。 2020年には続編の公開も決定し、さらに注目が集まっています。 そこで今回は、これから1作目を観るにあたっての基本情報や、おすすめポイントを紹介します。

【まずは押さえておきたい】この映画の世界設定

人間界とは隔絶されたダイアナの故郷セミッシラ

ダイアナは、女性だけの部族・アマゾン族が住む島セミッシラで生まれ育ちました。 セミッシラは外の世界から隔絶されており、周りをバリアのようなもので囲まれています。バリアの内部は外から見ることができず、逆も然り。また、外とは天気も違うという謎に包まれた島。 そこに住むアマゾン族は人間とは違い、不老長寿の種族です。彼女たちは人間に愛と平和をもたらすため多くの言語を操り、また、自衛や人間を守るために厳しい訓練をしています。 アマゾン族やダイアナ誕生の設定はギリシャ神話に基づいており、それが本作でも重要なポイントになっています。

第一次世界大戦の概要を押さえておこう!

ダイアナは、ヨーロッパを中心に激しい戦闘が繰り広げられた第一次世界大戦を止めに行くことになります。 第一次世界大戦は、1914年から1918年にかけてドイツ帝国率いる中央同盟国と、イギリスやフランス、アメリカが属する連合国との間で繰り広げられた戦争です。 この戦争では、戦闘員900万人以上、非戦闘員(民間人含む)700万人以上が犠牲になりました。これは、死亡者数が史上最も多い戦争のひとつでもあります。 当時はイギリス、フランス、ロシアの三国協商から締め出され、孤立してしまったドイツやオスマン帝国がヨーロッパ全体で様々な規模の争いを繰り返しており、1914年に発生した「サラエボ事件」をきっかけに、ついに第一次世界大戦が始まります。 戦中から第二次世界大戦が勃発するまでは、「戦争を終わらせるための戦争」とも呼ばれていました。

この人物に注目!『ワンダーウーマン』の主要キャラクター

プリンセス・ダイアナ/ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマン (演:ガル・ガドット)

ダイアナは、女性だけの部族・アマゾン族の王女です。あることがきっかけでスティーブ・トレバーと知り合った彼女は、第一次世界大戦を止めるため、外界へと飛び出します。 本作のダイアナは、高い戦闘能力と知性を持ちながら、理想主義者で世間知らず。生まれ育った島の外で、初めて見るものに触れ、多くのことを経験していきます。 人間界では、ダイアナ・プリンスと名乗っています。 ダイアナを演じるガル・ガドットは、「ワイルド・スピード」シリーズ等で知られる女優。イスラエル出身の彼女は兵役経験もあり、アクションシーンも見事に演じました。

スティーブ・トレバー (演:クリス・パイン)

スティーブ・トレバーは、アメリカ空軍のパイロットでありアメリカ外征軍大尉。イギリス軍諜報部に協力し、連合国軍のスパイとしてドイツ軍から新兵器の情報を盗み出しましたが、追撃されセミッシラに不時着しました。 彼は、ドイツ軍の新兵器での大量虐殺を止めるため、ダイアナや傭兵たちとともに敵地に赴きます。 スティーブ・トレバーを演じるクリス・パインは「スター・トレック」シリーズのカーク船長役などで知られています。

パトリック・モーガン卿 (演:デヴィッド・シューリス)

イギリス人の政治家で貴族のパトリック・モーガン卿。イギリス軍は休戦交渉のために、トレバーたちが計画する新兵器の破壊作戦に乗り気ではありませんでしたが、モーガン卿は陰ながら彼らを支援します。 モーガン卿を演じるのは、イギリス出身のデヴィッド・シューリス。彼は「ハリー・ポッター」シリーズのリーマス・ルーピン役で世界的に有名になりました。

ドイツ帝国側のヴィランたち

エーリヒ・ルーデンドルフ総監 (演:ダニー・ヒューストン)

(画像右がダニー・ヒューストン)

ルーデンドルフは、ドイツ軍の独裁的な総監です。休戦交渉に傾く情勢が気に入らず、戦争を続けるため、マル博士に新たなガス兵器の開発を命じます。 ルーデンドルフを演じたダニー・ヒューストンは、アメリカ出身の俳優。代表作には『21グラム』(2003)や『ナイロビの蜂』(2005)、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)などがあります。

イザベル・マル博士 (演:エレナ・アナヤ)

「ドクター・ポイズン」と呼ばれるイザベル・マル博士は、毒物専門のマッド・サイエンティスト。ルーデンドルフの命令で、防毒マスクの効かない毒ガス兵器を開発しています。 マル博士を演じるのは、スペイン出身のエレナ・アレヤ。『ヴァン・ヘルシング』(2004)や『私が、生きる肌』(2011)などへの出演で知られています。

『ワンダーウーマン』はなぜ評価されたのか

ガル・ガドット演じるダイアナの魅力

『ワンダーウーマン』が評価された最も大きな理由は、ガル・ガドット演じるダイアナの魅力につきます。 ガドットが本作にキャスティングされたとき、一部のコミックファンからは原作のグラマラスなイメージに合わないとの批判が噴出しました。アメコミの世界で女性ヒーローが担わされてきたセックス・シンボルとしての役割を、ワンダーウーマンもやはり求められていたのです。 しかし、その要求に応えたキャスティングでは、これほどヒットはしなかったでしょう。 ガドットが演じるダイアナは、ヒーローとしてカッコいいのはもちろん、優しく率直でチャーミングな女性です。それは多面性を持ったリアルな女性像であり、憧れの女性像でもあります。 そんな魅力は女性を中心とした観客に広く支持され、映画の大ヒットにつながったのです。

注目の女性監督がどうしても撮りたかったヒーロー映画

『ワンダーウーマン』が製作決定段階から注目された理由のひとつは、その監督と製作の経緯にあります。 監督のパティ・ジェンキンスは前作『モンスター』(2003)で長編デビューを果たし、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞。 しかし、その後ほかのオファーはすべて断り、本作の構想に13年間集中したということです。 華々しいデビューを飾ったジェンキンスが、そこまでして撮りたかった『ワンダーウーマン』は、彼女の思想とこだわりが隅々まで詰め込まれています。 また、映画史上初めてアメコミヒーロー映画の監督を女性が務めたことでも注目されました。

続編は80年代が舞台!『Wonder Woman 1984(原題)』

第一次世界大戦中の1918年を舞台とした1作目から時代はぐっと下り、続編はそのタイトルが示すとおり1980年代の冷戦時代が舞台となっています。 人間界にやってきて70年の間に、ダイアナがどのように成長/変化したのかに注目です。そして、今回はどのような活躍を見せてくれるのでしょうか。 主演のガドットと監督のジェンキンスはもちろん、スティーブ・トレバーを演じたクリス・パインや、ダイアナの母ヒッポリタ女王役のロビン・ライトらの続投も決定しており、期待が高まっています。

ワンダーウーマンが登場するそのほかの作品は?

DCEUに初登場!『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)

ワンダーウーマンのDCEU作品デビューとなった『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)。 この作品で古美術ディーラーのダイアナ・プリンスとして登場した彼女は、レックス・コープのパーティでブルース・ウェインと接触し、のちにワンダーウーマンとして彼の前に現れることになります。 初登場作品ではありますが、時系列は単独主演映画よりも後ですので、『ワンダーウーマン』を先に観ても問題ありません。 人間の世界に来たばかりのころに比べて、成熟した女性になったダイアナ。終盤のバットマン、スーパーマンとの共闘シーンでは、2人に負けない存在感を放ってるワンダーウーマンがカッコいいです。

バットマンとともにヒーローをスカウト『ジャスティス・リーグ』(2017)

『ワンダーウーマン』のエンディングの直後から始まる『ジャスティス・リーグ』(2017)は、DCEUのクロスオーバー作品第1作目です。 ダイアナは惑星アポコリプスからやってきた敵と戦うため、ブルース・ウェイン/バットマンとともに他の超人たちを集めてチームを結成。 しかしそのためには、すでに命を落としたスーパーマンの協力が必要になります。 フラッシュなど若いメンバーもいるチームの中で、お姉さん的存在になっているダイアナに注目です。

『ワンダーウーマン』は爽快な気分になれるおすすめ映画!

『ワンダーウーマン』は2018年現在、米映画レビューサイトRotten Tomatoesで総合93%と、DCEUの作品の中で最も高い評価を獲得。また、興行収入の面でもワーナーブラザーズ作品の中で第3位と大成功を収めました。 暗く、陰鬱な印象の強いDC映画のなかにあって、本作は陽気で楽しいシーンもふんだんに盛り込まれています。他の男性ヒーロー映画の記録を軽々と飛び越えていった本作は、ワンダーウーマンそのもののようでもあります。 エンターテインメントとして家族で安心して楽しめ、現代への皮肉に満ちたユーモアのある『ワンダーウーマン』は、自信を持っておすすめできる魅力的な作品です!