2022年6月17日更新

スパイ100人に取材した専門家が徹底解説!ドラマ『GAME OF SPY』のここがリアル

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Amazon Prime Videoで2022年6月24日(金)から独占配信されるオリジナルドラマ『GAME OF SPY』(ゲーム・オブ・スパイ)。本作は現代日本を舞台に、極秘スパイ機関のメンバーが大規模テロを防ぐために活躍する、新感覚スパイアクション作品です。 本作で描かれているのは、忍者道具・武術を駆使した戦闘や、エージェントたちの能力の高さ、さらにはハイテクすぎるガジェットの数々……。全てがスタイリッシュで最高にカッコいいんですが、果たしてこんなことって実際のスパイ活動でも行われているのでしょうか? そんなスパイ作品ファンの素朴な疑問を解消すべく、スパイ100人以上に取材を行った国際ジャーナリストの山田敏弘さんへインタビュー!専門家の立場から、いろいろと語ってもらいました。 「ハニートラップは実在するのか?」「外国語が苦手でもスパイになれるのか?」など。この記事を読んでから作品を見れば、本作『GAME OF SPY』はもちろん、数あるスパイ作品がより楽しめること間違いなし!

山田敏弘(やまだとしひろ)

山田さんインタビュー

米マサチューセッツ工科大学で国際情勢とサイバーセキュリティの研究・取材活動にあたり、帰国後はジャーナリストとして活躍。著書に『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(2020年/講談社)などがある。

まずはドラマ『GAME OF SPY』のあらすじを簡単に紹介

一見すると平和に見える現代日本。実は諸外国からの諜報活動やテロ計画、サイバー攻撃など様々な危険にさらされていました。そんな国家危機を回避するために裏で暗躍するのが、法務省外局・公安調査庁に属する極秘スパイ機関「GOS(Global Operation Service)」。通称GOS。 武術に秀でたリーダー、5言語を自在に操る武闘派女スパイ、パソコン一つでなんでも思い通りに操るハッカー、日本古来の忍者道具をモチーフにハイテクガジェットを作り出すメカニックなど、そのメンバーは精鋭ばかり。 歴史の裏で数々の危機を退けてきた彼らですが、仕事を終えたばかりの彼らに「わずか72時間のうちにテロ計画を阻止しろ」という指令がくだされます。果たしてGOSチームはテロ計画を防ぎ、日本を未曾有の危機から救うことができるのでしょうか?

日本での諜報機関設立は非常に難しい。だからこそ、本作はリアルかもしれない。

世界には実際に数多くの対外諜報機関が存在します。有名なところでは、アメリカのCIA、イギリスのMI6、イスラエルのモサドなど。 一方、日本では2022年現在でも、諜報機関は存在しません。本作『GAME OF SPY』でも同様に、公式の諜報機関は存在しておらず、GOSチームは日本の公安調査庁直属の極秘チームとして、非公式に諜報(スパイ)活動を行なっています。

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——今後日本でCIAのような諜報機関が設立されることはあり得るのでしょうか? 山田: おそらくここ数年ではありえないと思います。まず、スパイ防止法がなく、日本では諜報活動自体が法律上認められていないので、そもそも諜報機関の設立以前の問題があります。 次に日本には公安警察や公安調査庁、内閣情報調査室など、情報を扱う部門が多数あり、それぞれ利害が一致していません。言ってしまえばあまり仲が良くないのですよね。そのため、CIAのような対外諜報機関を設立するとなると、どこの部門を中心にするのかというややこしい事情があるんです。大きくはこの2点から日本版CIAの設立は難しいでしょうね。 ——日本で諜報機関を設立することはそんなに難しいんですね。 山田: なので、諜報機関が公に設置されて公に諜報活動が行われるよりも、今作のGOSチームのように超法規的な組織が陰で諜報活動を行なっているという方が、日本ではよっぽど現実的かもしれません。それほど日本で公式にスパイ活動を行うことは難しいですね。 また、以前話を聞いたCIA元職員が「1番大変だったのは監査」と話していたほど、CIAでは職員の活動内容が法律で厳しく定められています。そういった背景からも、GOSチームが非公式の組織であることで、法律に縛られずに活動できるので、ある意味その点も現実的だと思います。

ハニートラップは諜報活動の常套手段!

色香でターゲットを惑わせて諜報活動を行うハニートラップ(色仕掛け)。スパイアクション好きなら、一度は映画で目にしたことがあるほど、多くの作品で登場するスパイの描写です。

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——ハニートラップは実際の諜報活動でも、行われているのでしょうか? 山田: ハニートラップは実際に行われています。歴史的にみても、原始的な諜報活動ですね。例えば、イスラエルの諜報機関・モサドが他国の核開発を阻止するために、他国の核開発責任者のもとに女性エージェントを派遣して、ホテルのバーで惹きつけているうちに他のエージェントが彼のパソコンから機密情報を抜き取ったようなケースがあります。 映画などでは出会ってすぐ誘惑して……というような描写が多いですが、現実のハニートラップではもう少し時間をかけて仕掛けていくと思います。突然出会った女性に誘惑されたりなんかしたら、要人であればあるほど警戒するはずなので。実際にはターゲットが重要なポストに就任する数年前から身辺に潜り込むなど、慎重に行われていきますね。 ——なるほど!ところで「007」のジェームズ・ボンドなど、スパイ作品のエージェントはお酒にめっぽう強いイメージがあります。やはり酒豪でなければ、スパイにはなれないんでしょうか……? 山田: そんなことはないと思いますよ笑! ハッカーなどの裏方の仕事であれば、そもそも飲む必要はないですし、飲まなくても会話とかで惹きつけることはできそうですしね。 ——たしかに、上手くかわしたりできそうですもんね。お酒が弱い私でもスパイになれる可能性が出てきました!

「表向きは〇〇の店で、実はスパイのアジト」はあり得るかも!

GOSチームのアジトがあるのは、なんと浅草にある着物のレンタルショップ!ある所に専用のメダルをかざすと、アジトの入り口が開く仕組みになっています。 「キングスマン」シリーズでも、表向きは紳士向けのスーツ屋で裏にアジトが隠されているなど、スパイ作品で時々登場する設定です。

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——この「表向きは〇〇の店、実はスパイのアジト」って設定、流石に現実ではありえないですよね? 山田: いや、あるんじゃないですかね。デカデカと「スパイ本部」として居を構えてしまうと、嫌がらせだったり、テロの対象にもなったりしかねません。なので、実際のスパイは民家の一部だったり、フロント企業を置いて潜伏したり、ってのはよくあります。スパイのアジトって色々な人が出入りをすることになるので、そう考えると表向きは商店なのは、意外と理にかなっているかもしれないですね。 ——なるほど。地下にアジトを構えるという描写もよくスパイ作品では見られますが、これは……? 山田: 地下にアジトを作るのも、もしかしたらあるかもしれません。スパイではないですが、例えば目黒の八芳園には当時日本に亡命していた孫文を逃すために掘られた地下トンネルがあります。

現実のスパイガジェットも、スゴいらしい……!

本作で登場しGOSチームの手助けになるのは、手裏剣や吹き矢など忍者道具をモチーフとしたハイテクガジェット。あらゆる対象物をハッキング可能な「高速マルチ手裏剣」や、標的を一瞬で眠らせる「オートマチック吹き矢」など、ワクワクするようなガジェットが他にも多数登場します。

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——実際のスパイ活動の中で、映画みたいに様々なガジェットを使うのでしょうか? 山田: はい、色々なガジェットを使いますよ。海外では先端に毒を仕込んだ傘を使用して、暗殺を行ったケースもありました。特に現代では、ハッキング技術が凄い進化を遂げています。例えば、これですよ!(と言いながら側にあるテレビを指差す) ——テレビですか? 山田: これは実際にリークされた情報ですが、CIAはネットを介してハッキングすることで、電源が入っていないテレビを盗聴器として使用できます。例えば、XXXX(某有名家電メーカー)のテレビは確実に盗聴できると言われていますね。 これくらいの技術であれば、現代では当たり前のレベルです。情報としては表には出てこないですが、諜報に関するハッキング技術は想像もつかないような進化を遂げているんですよ。 ——ええええ、そんなことできちゃうんですか!他にどんな技術があるのか、気になりますね!それらの技術については、各諜報機関に専属で開発を行うメカニック部門があるのでしょうか? 山田: 映画「007」シリーズに登場するQ課はMI6に実在しますし、CIAにも技術革新本部という開発を主に担う部門があります。 ——ちなみに……流石に忍者道具は使わないですよね? 山田: 忍者道具は……使わないと思いますね……笑

外国語が苦手でも、スパイになることはできる

スパイ作品では、スパイたちが複数言語を巧みに操る姿がよく描かれます。本作でも女スパイ・レイは、外交官だった父の都合で幼少期の頃より海外を転々としており、母語レベルで5つの言語を操ります。 一方で、意外なのが本作の主人公・羽柴。羽柴は、日本語以外は不得意なようで、敵相手に「英語わかんねーんだよ!」と逆ギレ(?)するシーンも。これまでのスパイ作品ではあまり見なかった、珍しいタイプのスパイです。

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——現実でもスパイは複数言語喋れるのが当たり前なのでしょうか? 山田: 1言語しか喋れなくても諜報機関に入ることはできます。例えば裏方の人材であれば1言語でも十分ですし、ハッカー(技術職)などは特にそうです。ただ、管理職などになると複数言語喋れるような人は大歓迎されます。1言語ごとに、毎月インセンティブがもらえる制度もありますよ。 ——じゃあ、羽柴のように戦闘に特化していて、捜査で母語以外を使用する必要がないポジションのエージェントであれば、喋れなくてもおかしくはないんですね。 山田: そうですね、おかしくはないと思います。また、CIAでは潜入のために潜入先の言語が必要な場合は、数年かけて習得してから、任務を開始します。なので、はじめは1言語しか喋れなくても、潜入捜査の中で複数言語喋れるようになることもあると思います。 ——日本語しか喋れない私でも、スパイになれる可能性があるってことですね!その言語取得プログラムはどのような仕組みになっているんですか? 山田: CIAの言語習得のプログラムは、難易度でハード・ディフィカルト・イージーの3段階に分けられていて、それぞれ養成時間が異なります。日本語は1番難易度の高いハードに当たりますね。その他の言語だと、以下がそれぞれのレベルに分類されています。 【ハード】中国語、韓国語、アラビア語、日本語 【ディフィカルト】ロシア語、ベトナム語 【イージー】スペイン語、フランス語 ハードの場合、2年かけて習得します。1年はアメリカで、もう1年は現地で。実際に日本にもCIAの言語教育を行う場所があるんですよ。 ——そうなんですか!?本当に身近なところにもスパイが潜んでいるかもしれないんですね……!

結論:ドラマ『GAME OF SPY』は結構リアルだった!

山田さん

専門家へのインタビューを通して分かったことは、ドラマ『GAME OF SPY』には、現実のスパイに近いような描写が多く盛り込まれているということ。そして、お酒が弱くて日本語しか喋れない私でも、スパイになれる可能性があるということ。 山田さんにいろいろと話を聞く中で、ほぼ現実と変わらずに驚いた部分が多数ありましたが、ストーリーの重大なネタバレを含むようなものもあって、その全てを本記事内で紹介できないのが残念……! もちろん現実と異なるところもありましたが、あまりにリアルさを追求しすぎてしまうと、誰でも楽しめるテンポの良いエンターテイメント作品ではなくなってしまいます。その点でリアルな描写と、フィクションの描写、本作ではどちらも織り交ぜられていて、とてもバランスの良い作品だと思いました。あと、私も明日からスパイを目指したいと思います。

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スパイ要素以外にも、アクションシーンや、キャラクター同士のクスッとするような掛け合い、さらにはエージェント同士の絆など、本作は見どころ多数!1話30分×全10話と、忙しい人でもサクッと手軽に観ることができるのもありがたいですね。 そんな注目のAmazon Prime Videoオリジナルドラマ『GAME OF SPY』は、2022年6月24日(金)から独占配信スタートです。

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