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『ダンボ』の都市伝説【実はシュールな映画だった!?】

2018年2月2日更新

子供と一緒に楽しめる子供向けの映画として定番の『ダンボ』。子供の頃に鑑賞されたことのある方も多いのではないでしょうか。しかし、大人になってからよく見直してみると、実は単なる子供向けの娯楽映画以上のものが含まれていることが分かるのです。今回は、そんな『ダンボ』にまつわる都市伝説を紹介します。

子象の成長を描いた愛の物語『ダンボ』にまつわる都市伝説とは?

『ダンボ』とは、アメリカでは1941年に、日本では『空飛ぶゾウ ダンボ』というタイトルで1954年に公開された、ディズニーの長編アニメーション映画作品。とあるサーカスにコウノトリによって運ばれてきた子象が成長し、サーカスのスターになっていく、という物語となっています。 サーカスにやってきた当初は周りから冷たくされ、唯一自分を大切にしてくれていた母とも引き離されてしまう、という過酷な運命を辿りながらも、懸命に頑張る姿は心を打たれるものがあります。コンプレックスを抱えながら、差別され、その中でも前向きに生きる姿というのは2017年現在でも通じるものがあり、今なお、多くの人に愛される作品です。

ディズニーランドのダンボのアトラクションはピンクだった?

東京ディズニーランドに「空飛ぶダンボ」というアトラクションがあります。ダンボの色と同じ灰色のダンボのアトラクションなのですが、実はこのアトラクションの色は企画段階ではピンクだった…という都市伝説があるのです。

なぜアトラクションの色はピンクでは駄目だったのか?

では、なぜディズニーランドのピンク色のダンボのアトラクションの設置は反対されたのでしょうか。これは、映画『ダンボ』の中で、ダンボが飲酒をして見た幻覚の中に出てくるのが、ピンクのゾウであったからだと考えられています。 シュールレアリズムな作品で有名なサルバドール・ダリとウォルト・ディズニーは友好関係にあったと言われており、このシーンはダリの影響が垣間見えるとも言われています。 映画の中でそれを描くということには問題がなかったにも関わらず、ディズニーはそのような不健康なイメージを持つピンクのゾウを、子供たちが乗るアトラクションとして作ることはできない、と判断したようです。

ピンクのゾウの意味

この映画の中のシーンだけでなく、「ピンクのゾウ」そのものが、英語ではアルコールや薬物を摂取した際に見る幻覚のことを表しているようです。最初にピンクのゾウをこのような意味合いで用いたのは、アメリカの作家のジャック・ロンドンの作品であると言われています。 こうしたピンクのゾウが本来持つ意味と、映画の中での表現方法を合わせて、ディズニーはピンクのゾウのアトラクションは駄目だと判断したのでしょう。こういった内容は子供にはあまり言うべきではないものかもしれませんが、私たち大人にとっては面白い発見となりうるのではないでしょうか。 『ダンボ』が制作から70年以上経った現在でも愛され続けているのは、子供たちに夢を与える映画と同時に、大人も楽しめる内容も含み、近代アートとも密接に関連しているからかもしれません。

ダンボとティモシー

作中では実はダンボは言葉を発しません。しかし、言葉がなくともダンボの表情はとても豊かで、その都度都度、感情をとてもよく表現しています。この愛くるしい姿がダンボの、そして作品の大きな魅力の1つと言えるでしょう。 そして、忘れてはならないのが母と引き離され悲しみにくれるダンボを励まし続けたネズミのティモシーです。この作品は愛の物語でもあると同時の2匹の友情の物語でもあります。ティモシーは鼓笛隊の格好をしたネズミで、ダンボを励まし、彼をスターにするために奔走してくれた愛すべきキャラクター。最後にはダンボのマネージャーとして、彼と共に活躍しています。

日本の劇場版でダンボが喋ったことがある

アメリカで公開されたダンボには声優がおらず、表情や動きによってその感情を表現していました。しかし、日本でNHKによって劇場版放送された時には声優がつき、ダンボが喋っているのです。喋らないのと分かりにくいと考えたのか、ディズニーへの関心が薄かったのか、詳細は分かりませんが、声入りのダンボは世界でもこのバージョンだけのようです。 ダンボの声優を担当したのは当時アイドル歌手をしていた大葉久美子で、ナレーションもついており、ナレーションは黒柳徹子が担当していました。しかし、このテレビ放送、かなりオリジナル作品が強かったのか、ダンボに声を当てたからなのか、日本版のDVDを購入してもダンボには声はないそうです。もし、録画が残っていたら貴重映像かもしれません。

スピルバーグの映画に『ダンボ』が登場している

ダンボがアメリカで公開されたのは1941年。欧州で第二次世界大戦が始まった頃で、日米の間でも大変用戦争の勃発が間近に迫った頃でした。その当時の時代を背景とし、スティーブン・スピルバーグが『1941』というパロディ映画を作成しています。 その中に、実在したアメリカの軍人でジョセフ・スティルウェル、という人物がいるのですが、彼が映画『ダンボ』を見てその親子愛に涙し、ある決断を下すというシーンがあるのです。このシーンについては、実際にジョセフの回顧録をヒントを得たということです。当時の人々にとって心に響く映画だったのかもしれませんね。