若干30歳の監督が世に放つ衝撃のドS映画『セッション』の魅力とは

2017年5月1日更新 1650view

情熱と狂気が入り乱れていく芸術の世界を表現する映画は多いですが、この『セッション』は間違いなくその中でもトップであり映画史の歴史に残る傑作であるといえます。息もつけない、ノンストップで鑑賞後は疲労困憊間違いなし。J.K.シモンズの名怪演が光るこの作品はまさしく必見です。

息もつけないノンストップサイコホラー!?

セッション1

映画『セッション』の主人公19歳にして才能溢れるアンドリュー・ネイマン(マイルズ・テラー)は偉大なドラマーになることを目指し、アメリカ最高の音楽学校に入学しました。そこで若者らしく恋しつつも楽しく修行に励んでいました。ですがある日、学校最高の指揮者、テレンス・フレッチャー(J.K.シモンズ)の指導を受けることになります。

この映画の見どころはフレッチャーを演じるシモンズのとにかく息が詰まる指導。体罰、怒鳴り、いじめに踏み込んだ彼の指導と、それに届くドラマーになろうと日夜練習するネイマンの狂気と判別がつかない情熱。ジェットコースターとなって進むストーリーは息をつく暇も与えず。驚愕のクライマックスまでノンストップで進行します。

鳥肌が立つシモンズの演技!!

セッション シモンズ

本編にて厳格であり、なおかつ狂的向上心と精神で第87回アカデミー賞助演男優部門を受賞したJ.K.シモンズ。常人には理解できない完璧を求めるストイックさと無尽蔵の罵声、何処まで行っても実は良い人というありきたりなオチにはならないフレッチャーを熱演しました。2014年の映画で最も記憶に残る演技をしたと絶賛された彼は他にも映画『スパイダーマン』シリーズで主人公をイビる嫌味な編集長を好演し、コミックファンからも絶賛を受けました。 J.K.シモンズ

そんな嫌味で怖いキャラを演じるのが得意なシモンズですが、本人は役柄と違い大変に紳士的な人物です。彼はこのフレッチャーという役柄について溜めているものをカタルシス的に出せるのかもしれないと語っています。掘り下げられたキャラクターを演じるのを好むというシモンズは『セッション』にてアカデミー賞を総なめするという偉業を成し遂げました。

いったい何者!? アカデミー賞受賞作品をわずか19日間で撮影した異色の若手監督デミアン・チャゼル!!

セッション デミアン・チャゼル

『セッション』を監督し、業界から数多くの称賛を得たデミアン・チャゼルはまだ30歳の若手です。母は作家、父は計算機科学者である彼は、幼い頃から映画を撮ることを夢見てきました。しかし、後に音楽を志し高校の頃にジャズドラマーを目指しました。ここで厳格な音楽教師に厳しい指導を受けたのが『セッション』の大きな基盤になります。

『セッション』は19日間の短い撮影期間ですが、デミアンは綿密な準備をし、クリアなイメージをもって撮影に望みました。なおかつ、スタッフや役者の意見は柔軟に取り入れる姿勢を持っています。シモンズに獣かバケモノ家か怪物のような叫びを求めたのは監督です。それが見事に功を奏したのは『セッション』の出来栄えから見ても疑問の余地はないでしょう。

新たな天才の出現。批評家からも絶賛。名優の熱演。『セッション』には様々な魅力がありますが、特筆すべきは圧倒的な存在感と空気感。デミアン・チャゼル監督をチェックするという意味でもおすすめの映画です。