ハリウッドで女性監督たちが受けたひどすぎる差別

2017年7月6日更新

2010年に『ハート・ロッカー』でアカデミー賞監督賞を受賞したキャスリン・ビグローをはじめ、ハリウッドの世界では、多くの女性監督や脚本家が存在し、活躍の場を広げています。しかし、映画業界での女性監督の地位は男性と比べると未だに低く、差別を受けることも多いそうです。今回は差別を受けたり感じた女性監督たちのエピソードをbuzzfeed.comよりご紹介します。

ハリウッドは伝統的な男社会

女性監督の映画数が少なすぎる

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引用: pixshark.com

米国で最も影響力のある人権団体の一つである「米自由人権協会(ACLU)」は今月12日、ハリウッドの映画会社やテレビドラマ製作会社で、女性が不当な差別を受けているとして、連邦政府とカリフォルニア州の人権救済機関に調査を要求する書簡を送りました。

ACLUは2002年からの12年間に公開された興行収入上位1300本の映画のうち、女性監督の作品はわずか4%しかなく、また直近の13~14年は上位100本のうちわずか1.9%しかなかったことを指摘しました。

実際に聞き取り調査を敢行

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引用: www.cbc.ca

ACLUは50人の女性監督からの聞き取り調査を行ったところ、数十年のキャリアを持つ女性監督が「この作品は女性監督向きじゃない」「あの俳優は女性には扱いにくいぞ」と、製作側の幹部から言われたと証言しました。

さらに製作会社の幹部がエージェントに対して「女性監督は要らない」と拒否するといった露骨な女性排除の実態を明らかにしました。

ACLUは、昔から映画学校の生徒のほぼ半数が女性であるにもかかわらず、監督として活躍できるのはごくわずかしかいないという異常性を訴えました。

ハリウッドでは性差別のため、女性が自由に仕事をすることができない現状を踏まえ、政府や州当局が法的措置により改善を図る必要性を示唆しています。

「君に彼氏がいることを知っていたら僕は君を雇っていないね」

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「女性は映画業界では大きく過小評価され、女性差別が充満しています。これは周知の事実です」

そう語るクララ・アラノヴィッチ監督は以前プロデューサーをしていた時に、上司から「君に彼氏がいることを知っていたら僕は君を雇っていないね」と言われたそうです。

この手の話はよくある話で、この世界では当たり前だそうです。

女性監督の場合、雇い主側が女性の能力を信用していないため、より多くのキャリアを積まなければならず、彼女はCMの監督を主に務めていたそうです。

しかし頻繁に来るCMの内容は、化粧品やタンポンなどの女性向けのものばかりで、これらの仕事が自身が求める映画的内容に繋がらない苛立ちを感じていました。

「私も他の監督同様カンヌを目指していますし、リーバイスやナイキのような映画的でキャッチーなものを作りたい。どうして内容が薄くなりがちなコスメ系のCMばかりに追いやられるんでしょうか?私は過去に仕事でビューティ系のCMなんてしたことがありませんでした。つまりこれは私が女性だからという明確な理由に他ありません。」

「自分自身で雇うまで誰も雇ってくれなかった」

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HBO放送のTVドラマ『Hung』の製作を務めるコレット・バルソンはサンダンス映画祭のショートフィルム部門に出展した作品の評価が良かったにもかかわらず、誰も彼女を雇うことはありませんでした。

『Hung』で多忙を極めていた頃に、「誰も雇ってくれないなら自分で雇ってやる!」と奮い立ち上がりました。

この問題を解決できるのは製作側だと信じていた彼女は、『Hung』への女性監督を積極的に起用することに努め、監督を担当する人材のうち半分を女性にすることに成功しました。

コレットは「HBOからのサポートもあり、私はシーズン3で、『Hung』の監督の半分を女性にするという夢を実現することができました。私にとってこれは普通のことであり、純粋に女性監督を起用したかったのです」と語っています。

「女性の起用にはリスクが伴う」

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アンジェラ・ロビンソンは、「若い男性監督は女性に比べより多くのチャンスをつかむことができます。

男性監督が普通な仕事をしても再度雇われることが多いですが、女性の場合は男性の2倍結果を出さないと次の起用にはつながりません。」と述べています。

ハリウッドの世界では女性を起用するのにためらう傾向があり、女性にはまとめる力がないと思われているそうです。

「一度女性監督を使ったけど、使い物にならなかった」という言い訳をして女性雇用を回避し、大物映画をいくつか担当した経験のある女性監督より、さほど評判の良くないTVドラマの1エピソードしか経験のない若い男性監督を使いたがるのが「ハリウッドのあるある」だそうです。

また彼女は「これは完全なる女性差別です。ハリウッドはリベラルだと言われていますが、本当は保守的です。女性を雇うにはリスクが伴うと思われているのが現状です」と話しています。

「一発ヤラない?」

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ある女性監督は友人を介して男性のプロデューサーとお酒を飲む機会があった時に、その男性からとんでもない一言を言われた経験を語りました。

「私たちは仕事の内容や企画中のプロジェクトなどの話をしていたのですが、彼は椅子に背をもたれ、頭に手をあてながら「一発ヤラない?」と私に言ってきました。私は冗談だと思い笑っていましたが、彼は本気でした。幸運にもすぐに勘定を済ませその場を後にすることができましたが、ものすごく憤りを感じました。」

映画業界で働く彼女の友人はみなハリウッドの裏の顔を知っているそうです。

「例えば、監督またはプロデューサーとして会議に参加する時は、男性は私のことを秘書扱いし、アイコンタクトもされずに無視され続けるのです。これは日常茶飯事なので私たちはただ忘れようとするしかできないのです。」