2017年7月6日更新

『インサイド・ヘッド』がピクサー史上最高傑作である8つの理由【ネタバレ注意】

ストーリーが秀逸でピクサー史上最も泣ける作品と言われているピクサーのアニメ作品『インサイド・ヘッド』。そんな本作を絶対に見るべき8つの理由をご紹介します。

『インサイド・ヘッド』はディズニーピクサーが贈る"感情"の物語

2015年に公開されたディズニーピクサーによる映画『インサイド・ヘッド』はディズニーファンからの支持も厚く、思わず涙してしまうような感動的なストーリーの映画です。「ピクサー史上最も泣ける」とまで言われる本作の魅力を8つご紹介します。 あらすじはこちらの記事でご紹介しています!

1.『インサイド・ヘッド』はピクサー史上最も泣ける映画!?

2009年に公開された映画『カールじいさんの空飛ぶ家』以上に感動的で冒険に溢れた作品を作るのは不可能ではないか、と思われていました。 しかし『インサイド・ヘッド』はより感動的で、よりスペクタクルに溢れている物語になっています。この作品のメインの悪役はライリーの思春期だと見た人は推測するかもしれませんが、将来間違いなく思春期は彼女の下を訪れるでしょうが今回のテーマは違います。 主人公のライリーは11歳の少女で、『インサイド・ヘッド』は彼女の感情が成熟していく過程を描いた感動的なストーリーになっています。成長すること、時間と折り合いをつけることの難しさを小さな女の子ライリーの目と彼女の感情を通して正に最前線から描いています。 もう一つの素晴らしいポイントが笑わせる役割、感動させる役割などキャラクターのバランスがとても良いことです。『インサイド・ヘッド』はピクサー史上最も泣ける映画で、とにかくティッシュなしでは見ることのできない作品です。

2.コメディ要素がストーリーと関連している!?

涙なしには見ることのできない本作ですが、思わずクスリと笑ってしまうようなコメディ要素も含まれています。 本作のコメディ要素やギャグは全てのストーリーに関連し、最も重要な要素の一つになっています。ドリーム・ワークス作品で頻発されるようなパロディやドタバタ劇はではありません。ライリーが想像することで、頭の中の至る所で様々な感情や要素が反応し、次々とコメディ要素が生まれていきます。 さらに、クレジットで流れるモンタージュは様々なサポートキャラクターたちが登場して、映画の中で最も笑える場面の一つになっています。

3.頭の中を表現するアイデアが天才的に素晴らしい!

『トイ・ストーリー』ではおもちゃ、『モンスターズ・インク』ではモンスターなどピクサーは様々なものに焦点を当て、実際には存在しない独自のロジックを与えて世界観を作り上げてきました。 『インサイド・ヘッド』で採用された、小さな人間が頭の中で人をコントロールしているというアイデアはとてもシンプルなように思えます。 しかし、頭の中には生態系のようなものが形成され、主要な感情たちは議論を交わします。一方、小さな労働者たちは広い脳のような居住スペースに広がっています。抽象的な考えから、潜在意識に至るまで、頭の中で起こる全ての現象はそれぞれ視覚的に表現され、ライリーの行動に影響する役割が与えられています。 その中で特に素晴らしいのが記憶の表現です。人生において重要な記憶は“コアメモリー”として全てのセクションに影響を与えるようになり、印象に残らなかった出来事は時間と共に文字通り消えていきます。

4.美しい映像のスタイルが作中で変化する

ピクサーは『ファインディング・ニモ』のリアルな水や人物の描写、『モンスターズ・インク』のキャラクターサリーの毛並、『カールじいさんの空飛ぶ家』の雲の描写などアニメーション技術の限界を塗り替え続けてきました。 『インサイド・ヘッド』もまた例外ではありません。人間の精神や感情を視覚的に表現することはとても難しいことですが、ピクサーが生み出したライリーの頭の中の描写は素晴らしいものでした。 記憶を表現した渦を巻いた火の玉やオーブは特に視覚的に美しい表現になっています。頭の中で考えていることは、現実世界のルールは通用せずに、気まぐれですぐに変化して形を変えてしまいます。 作中にヨロコビ、カナシミと想像上の友達ビン・ボンがマシンの中へ入って行くと、シンプルな2Dアニメーションに変化してしまうシーンがあります。このシーンはピクサー作品の中で最もエキセントリックで素晴らしい表現ではないでしょうか。

5.『インサイド・ヘッド』は現実世界を忘れさせる構造になっている

『インサイド・ヘッド』はライリーが生まれてから10年の間に起きた重要な感情が生み出された瞬間、大事な記憶が生まれる瞬間にフォーカスをしたシークエンスから始まります。 このシークエンスは『カールじいさんの空飛ぶ家』の結婚生活のモンタージュのようなものではなく、映画全体のテーマを説明する機能を果たしています。 この場面によって観客は次第に大人の感性を忘れていき、ライリーの感性とピュアな目線で映画を楽しめるようになります。ヨロコビの無垢さ、無知さを通して大人を子供へと後退させ、再び、現実の厳しさをキャラクターたちと共に追体験するような作りになっています。

6.何と言っても声優陣が素晴らしい!

ピクサー作品の声優は素晴らしいことで有名です。『インサイド・ヘッド』の声優陣、エイミー・ポーラー(ヨロコビ)、フィリス・スミス(カナシミ)、ビル・ヘイダー(ビビリ)、ルイス・ブラック(ムカムカ)は声でそれぞれの感情を完璧に表現しています。 彼らは単に与えられた感情を表現しているだけでなく、キャラクターにしっかりと深みを与えてくれています。 例えば、ヨロコビはただハッピーというより、底抜けに明るく、ビビリは落ち着いている時と恐怖で叫んでいる時の差が激しく上手いコントラストになっています。 さらに、音楽を担当したマイケル・ジアッキーノはそれぞれの感情に合った素晴らしい曲を製作しました。彼はアカデミー賞を受賞に値すると言えるでしょう。 そしてディズニー映画の吹き替えではもはや定番となりましたが、本作の日本語吹き替えでも俳優や女優が多く出演しています!

7.クライマックスにはアクションシーンがない『インサイド・ヘッド』

ディズニー映画のクライマックスにはアクションシーンがつきもの。『Mr.インクレディブル』『ファインディング・ニモ』など、これまでのピクサー作品のクライマックスには派手なアクションシーンが挿入されていました。 しかし、『インサイド・ヘッド』はこの時代のトレンドに逆行しています。この作品のクライマックスはアクションに頼るのではなく、キャラクター自身にフォーカスを当てることでクライマックスを感動的に盛り上げる構造になっています。 この作りによって、アクションが苦手な大人も楽しめますし、映像自体が素晴らしいので子供も決して飽きることはありません。安心して下さい。 クライマックスはマイケル・ジアッキーノの素晴らしい曲が鳴り響いているため、すすり泣く声を聞かれずに済むはずです。

8.『インサイド・ヘッド』はピクサーの最高傑作だ!【ネタバレ注意】

この感想はエンディングのネタバレが含まれます。もしも『インサイド・ヘッド』の結末を知りたくない場合はこれ以上読まないことをオススメします。 エンディングでヨロコビや他の感情たちが悲しみの本当の価値を知ることになります。11年間、彼らはライリーを困らせるだけで、カナシミを必要のない感情だと信じていました。 しかし、ライリーが感情を失ってしまいます、そして、唯一の解決方法は悲しみによって幸せだった記憶を取り戻させることでした。クライマックスで彼らは人生とは喜びと悲しみの繰り返しで、どちらもかけがえのないものであることを学ぶのでした。 これが『インサイド・ヘッド』の真のメッセージでした。子供の頃のライリーならば、喜びだけで生きていくことが可能だったかもしれません。 しかし、成長するにつれて、周りの環境は変わり、辛い現実を嫌でも知ることになります。この作品はピクサーの集大成的作品で、一見、ユーモアに溢れ、明るく楽しいキャラクターが登場する子供向けの映画に見えて、実は痛みや悲しみが物語には隠されている、つまり子供だけでなく大人にも響く作品です。 『インサイド・ヘッド』は普遍的であると同時に個人的な作品になり得る、まさにピクサー史上最高傑作という言葉がふさわしい作品でしょう。