『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の監督が気に食わないアベンジャーズのこと【ネタバレ注意】

2017年7月6日更新

アクション巨編『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の監督・脚本を手掛けたジョス・ウェドン。前作からメガホンを取り、大のマーベルコミックス・ファンを自負するウェドン監督ですが、マーベル作品から勇退する考えを示唆しています。そんなウェドン監督が『アベンジャーズ』シリーズについて気に食わない6つのことをwhatculture.comよりご紹介します。

1.ホークアイが放つ「ウィルスアロー」

普通の人間が、神業とも言える能力を発揮し悪と闘う「スーパーチーム」を語る上で、ストーリーに貢献するような強いキャラクラーを作ることが必要とされます。特にホークアイに関しては、彼の過去は本作の脚本で大幅にカットされており、ロキに仕える洗脳された者として描かれています。

ホークアイは暴走し、高度約11kmのヘリキャリア内でエクスプローシブアローを放ち、エンジンを爆破して航行不能に陥らせようとします。そして、彼はロキのミッションである、戦艦をハイジャックすることに成功しますが、ウェドン監督はこのシーンについて、「ホークアイの次の動きが印象的になりすぎた」と感じているそうです。

コックピット付近に潜入したホークアイが放ったエクスプローシブアローの矢が、設置されたコンピュータに命中します。そして矢先が命中した瞬間、エンジンが故障しヘリキャリアは宇宙空間を猛烈なスピードで突進する結果を招きます。監督は、このエクスプローシブアローを「コンピュータを破壊させるなんて、それは"ウィルスアロー"と呼べる武器かもしれないね」とジョークまじりに語っています。

2.スパイダーマンとキャプテン・マーベル

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のオチは、最高の瞬間と言えるかもしれません。ベギー・カーターとのハッピーエンディングを願い続けるキャプテン・アメリカは、"兵士"としてのアイデンティティを確信し、アベンジャーズは自分にとってホームであることを実感します。そして、ブラック・ウィドウは違う人生を夢見つつも、暗殺者としての運命を受け入れます。

残りのメンバーはストーリーが進む中で、メンバーとしてのポジションを確立していき、スカーレット・ウィッチ、ヴィジョン、ウォーマシンらはウルトロンとの闘いで重要な役を占めています。これらのキャラクターは、"ルーザー(負け犬)"というポジションでもなければ、アイアンマン、ソー、ハルクといった、スターパワーを持つ者でもありません。そこで、ソニーとマーベルは、話し合いの中で、「スパイダーマンとキャプテン・マーベルをマーベル・シネマティック・ユニバースに登場させよう」と提案していました。

ウェドン監督はスパイダーマンと女性ヒーローを本作に登場させることに大変興奮していましたが、話が進み交渉は成立したものの、撮影をするには遅すぎたようで、この話は結局頓挫してしまいました。

3.『アベンジャーズ』ではたった1人しか悪役がいない

ウェドン監督は、『アベンジャーズ』の登場人物が少なかったことを示唆していました。監督はロキが悪の首謀者であるべきだと感じていた反面、スケールの大きさやヒーローたちをもっと苦戦させるためには、2人目のヴィランが必要だと考えていました。

「世界の最も強力なヒーローたちと闘うには、別のヴィランも考えていたけど、結局1人の英国出身の俳優であった、トム・ヒドルストンの起用に落ち着いたんだ。マーベル側の、これ以上神話のキャラを加えたくないという意見を尊重したけど、この作品を成し遂げることは決して容易ではなかったね。トムの演技は人を惹き付ける力があり、堂々としていて、上品さもあった。けどマーベルが意図する、新しい何かを必要としていることを受け入れるのに時間はかかったけどね。」

ヴィランが1人という状況のなか、特に戦闘シーンの撮影や編集では苦戦したそうで、多くの時間を費やす結果となりました。

4.マーベルはクイックシルバー同様せっかちだった!?

ウェドン監督とマーベル側は、キャラクター構成において何度も衝突しており、それは編集室で繰り広げられたそうです。例えば、ソーの洞窟シーンはほとんどカットされており、その結果、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でのソーは、ヴィジョン(全体の3分の1しか登場していない)以外のキャラと比べて登場シーンがほぼ無い結果となりました。

「夢や農園といったものは重役が気に入らないから、いつも言い争いになるんだ。編集の人間は洞窟のシーンに関して、"これを譲らないと農園のシーンをカットするぞ"って言ってきたんだ。彼らも編集者としてのプライドがあるし、アーティストとして尊重するけど、その時はなんだか打ちのめされた感じがして、すごく不愉快にさせるものだった。」

ダイナミックな戦闘バトルだけでなく、家族、姉弟、男女など、ヒューマニズムあふれる描写をたっぷりと盛り込んでいるだけに演出も細やかにしたかったウェドン監督。「ホークアイ一家が暮らす農園にアベンジャーズの面々が身を寄せ合うシーンは、“親密感”に溢れていてとても気に入っている」と語るだけあって、このシーンはどうしても譲れなったようです。

5.フィル・コールソンの死

マーベルのスーパースター夢の競演は、ファンにとってはまさに垂涎の企画ですが、フィル・コールソンというキャラクターは、アベンジャーズを一つに束ね、一致団結させるという重要人物です。スティーヴ、ソー、ニック、ナターシャらに慕われている影響力のあるキャラクターだけに、ロキによって殺されたコールソンの死は、チームの団結を乱し、ストーリーが展開していく上でも必要な出来事です。

ウェドン監督が抱える問題点をひとつ挙げるならば、「最も愛すべきキャラクターを頻繁に死なせてしまうこと」かもしれません。これまでに監督は、『バフィー 〜恋する十字架〜』で、バフィーの母ジョイス、高校教師だったジェニー、タラ、アンヤなどのキャラクターを次々と死なせています。しかし、『アベンジャーズ』のクイックシルバーの死に関しては、どうにかして避けたかったそうですが、マーベルの社長であるケヴィン・ファイギに、彼の死はストーリー上必要であることを説得され、泣く泣く社長の指示に従ったそうです。

「最初のミーティングで、ケヴィンが"これは我々がすべきことなんだ"って言ったんだ。それに対し、僕は"ならあなたが現場に行って全員にこれはあなたのアイデアだと伝えて下さい。そうでないと僕がやっかみを買うことになるし、彼らにまたアイツの仕業かよと思われたくないので"って言ってやったよ。」

6. コールソンは生きていた!?

人をよく死なせることで有名なウェドン監督ですが、それと同時に、死んだキャラクターを蘇らせることでも有名です。(『バフィー 〜恋する十字架〜』ではバフィーはなんと2度も死から生き返っています。)

『アベンジャーズ』に関しても、誰かが死んだ後、別の者が生き返っています。そして、コールソンが死ぬシーンを撮影中に監督は、実際コールソンは生きており、『アベンジャーズ』の後日談であるテレビドラマ『エージェント・オブ・シールド』での「ヘッドライン」として出演させる計画を立てていました。そして、監督が企画した『エージェント・オブ・シールド』は2013年9月から実際に放送が開始され、クラーク・グレッグが映画と同じくコールソンを演じています。