トム・クルーズは宗教団体にコントロールされてる?

2017年8月22日更新

今年3月、ハリウッドスターにも信仰者が多い、宗教団体サイエントロジーの疑惑について取り上げた2時間のドキュメンタリー番組『Going Clear: Scientology and The Prison of Belief』が米で放映されました。そして熱心な信者として有名なのが、トム・クルーズですが、メディアでは彼がコントロールされていると心配の声が上がっています。今回はサイエントロジーの実態とトムの裏の顔をご紹介します。

サイエントロジー側がHBOとギブニー監督を激しく非難したドキュメンタリー

今年の3月29日に2時間のドキュメンタリー番組として、ローレンス・ライト原作、アレックス・ギブニー監督が製作した『Going Clear: Scientology and The Prison of Belief』を放映したHBO。ハリウッドスターにも信仰者が多い、宗教団体サイエントロジーの疑惑について取り上げた本番組を放送するにあたり、HBOは160名もの弁護士を雇ったそうです。

元サイエントロジーのメンバーだった人たちのインタビューを交えながら、創始者のL・ロン・ハバードについて、このカルト宗教の始まりから、タブーとして語られることがなかった実態が明らかになっていきます。元メンバーの中には、サイエントロジー側から精神的かつ身体的虐待を受け、その後逃げ出したことを告白するなど、驚愕な体験談が次々と飛び出してきます。

また、サイエントロジーが「Rehabilitation Project Force」と呼ばれる囚人収容所のようなものを作り、「オーディティング」と呼ばれる、マンツーマンで行うカウンセリングから得た個人情報を恐喝目的のため保持していたり、サイエントロジーを反対する家族や友人と縁を切るよう強制させるなど、数々の実態を浮き彫りにしています。

サイエントロジーとセレブの関係性

トム・クルーズ&ジョン・トラボルタ サイエンストロジー

本番組では、信仰しているセレブの中で最も有名であるトム・クルーズとジョン・トラボルタとサイエントロジーの関係性を描いており、本宗教の役員会会長であるデビッド・ミスキャベッジが、新会員と資金調達の確保にどれだけセレブの力に頼っているかが浮き彫りにされています。

10億ドル以上の総資産を所有していると言われるサイエントロジーは、まだ宗教団体ではなかったその昔、国税庁に税金を払うよう勧告され、激しいバトルを繰り広げましたが、最終的に国税庁側が音を上げて、1993年に、サイエントロジーを宗教団体として泣く泣く認可しました。

本番組で、ローレンス・ライトはサイエントロジーの活動を止めさせる方法を2つ述べています。まず1つは、国税庁が再度調査を行うことで、もう1つは、入会者であるセレブ、特にトム・クルーズが本宗教に関して批判的なことを言う方法だと述べています。

しかしながら、熱心な信仰者であるトムがそう簡単に実行するとは思えませんし、彼とジョン・トラボルタは、本番組の取材を拒否したとされています。

ニコール・キッドマンとの離婚の原因はサイエントロジー

ニコール・キッドマン トム・クルーズ

トムとサイエントロジーのリーダーであるデビッドは近い友人関係でしたが、トムがニコール・キッドマンと結婚したことを機に、2人の関係は悪化したと言われています。なぜなら、ニコールの父親は心理学者(サイエントロジーは心理学者を嫌悪しているらしい)だったので、彼女はサイエントロジーにとって、後にトラブルを招く要因になると判断されました。

元幹部のマーティ・ラスバンは、10年もの結婚生活の間デビッドと疎遠になっていたトムを彼女と離婚させてサイエントロジーに戻らせるよう仕向けられたと語っています。

どのように行ったかというと、「オーディティング」での会話の内容を報告するよう強要されたり、デビッドは探偵を雇って二コールの周辺を調査させたそうです。また、トムがカウンセリングで、彼女の電話の内容が気になると言うやいなや、協会側は彼女の電話を盗聴し、さらには、トムとニコールの2人の養子を彼女から引き離そうとしました。

トムの裏の顔とは...

ナザニン・ボニアディ

出典: nypost.com

トムがニコールと離婚すると、デビッドはトムをサイエントロジー大使になるよう任命し、彼に多くの高価な贈り物をするなどして、トムをスーパースターだと思わせるよう仕向けました。

また、恐ろしいことに、『ホームランド』などで知られるイギリス人女優で元信者のナザニン・ボニアディは、サイエントロジーからトムの新しい彼女になるよう強要され、ニコールとの離婚後にデートしていたことを暴露しています。

ナザニンは、トムと一緒にサイエントロジー・セレブリティー・センター教会に移り始めて間もない頃、デビッドが彼らのもとを訪ねた日に、頭痛によりあまり会話ができませんでした。そしてデビッドが帰ると、トムは「リーダーであるデビッドにもっと敬意を払え」と彼女を怒鳴りつけたそうです。

その後ナザニンは、トムのガールフレンドではなくなったことを告げられ、別のセンターに移動させられました。元信者である『クラッシュ』のポール・ハギス監督は、本番組のインタビューで、「トムと別れた話を友人にした罰として、ナザニンは歯ブラシで公共トイレを掃除させられた」と語っています。

これらについて、ギブニー監督は、「サイエントロジー側は、"デビッドはトムの私生活に一切関与しておらず、また彼の恋人探しなど一切していません"と反論している」とコメントしています。

複雑に入り込んだハリウッドのエンタメ業界の実態

インタビューで私生活に触れることを嫌がるセレブたち

トム・クルーズ サイエンストロジー2

出典: thelip.tv

エミー賞に7部門ノミネートされた本ドキュメンタリーについて、公式なコメントをしていないトム。『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のプロモーションのため、多くのメディアに登場している彼に対して、今のところ『Going Clear』について質問する者はいません。

また、ほとんどのインタビューは時間厳守のなかで行われ、俳優は現在のプロジェクトや過去の作品に関する質問を好み、私生活に触れられるのを嫌悪する傾向にあります。

不利益になるインタビューは受けない

トム・クルーズ サイエンストロジー3

トムは本宗教のメンバーのなかで、最も有力な信者であり、2番目に強力な人物であると言われています。そのため、サイエントロジーに関する質問を行うTVパーソナリティを完全にシャットアウトさせることもできるのです。

この問題点のひとつに、エンタメ業界の複雑に入り込んだ構造が挙げられます。例えば、テレビ番組『ザ・デイリー・ショー』はコメディ・セントラルで放送されていますが、コメディ・セントラルはバイアコムによって買収され、そのバイアコムは、『ミッション・インポッシブル』シリーズを製作するパラマウント映画を傘下に持っています。

トム、侮辱罪でテレビ局を訴える

トム・クルーズ サウスパーク

出典: zap2it.com

コメディ・セントラルのテレビ番組『サウスパーク』が2005年11月に放送した「トラップト・イン・ザ・クローゼット」というエピソードが、本宗教とトムを軽蔑的に描写しました。番組放送後、トムは、コメディ・セントラルを所有するバイアコムに対し、「同エピソードが再放送される事があればミッションインポッシブル3のプロモーション活動を拒否する」として、脅迫を行ったと伝えられています。

そういう噂も踏まえ、本ドキュメンタリーが新作『ローグ・ネイション』に与える影響力が懸念されていました。そしてインタビューに関しても、彼の出演作からお金を得る関係者や彼のファンを考慮すると、トムにはサイエントロジーに関する厳しい質問はできないという結果に至ったそうです。