人が目を背ける「社会のタブー」を扱った映画5選

2017年7月6日更新

わたしたちが住む世界には普段生活しているだけでは交わることのない人や出来事、あえて避けているタブーで溢れています。今回は/whatculture.comより人が目を背ける「社会のタブー」を扱った映画5選を紹介します。

1.タブー:スナッフフィルム(殺人テープ) 『エマニュエル夫人 イン アメリカ』(1977)

あらすじ

アメリカ人ジャーナリスト、エマニュエルはスクープを取るために世界中を飛び回っていました。そんな時、イタリアのヴェニスで外交官たちがハーレムパーティを開いているという情報を掴みます。

ヴェニスに飛び、パーティに潜入取材すると、そこでは目を疑うような光景が広がっていました。さらに女性を拉致、スナッフフィルム(殺人シーンを撮影したビデオ)を作っているグループに出会い……。

タブー:スナッフフィルム(殺人テープ) 

イタリア監督ジョー・ダマトの『エマニュエル夫人 イン アメリカ』(1977)はエマニュエル夫人シリーズの中でも特に過激なことで知られます。ハードコアなプレイ、乱交、馬と戯れる女性などの過激な性描写。スナッフフィルム撮影では乳房を切り落とされる女性など映画を通して何かしら性的な描写やグロテスクな描写が繰り広げられている作品です。

2.タブー:スカトロ『ソドムの市』(1976)

あらすじ

ファシズム末期のイタリアが舞台、4人の裕福な権力者が自分たちの快楽を満たすために子供を拉致、大邸宅で様々な変態行為や性的な虐待をした後、拷問によって死に至らしめます。

タブー:スカトロ 

1976年公開、ピエル・パオロ・パゾリーニ監督マルキ・ド・サドの『ソドム百二十日あるいは淫蕩学校』が原作とした『ソドムの市』は映画史上最もタブーに切り込み、ある人は素晴らしい芸術と絶賛、またある人は悪趣味で気分の悪くなるだけと酷評、作品の評価が分かれる作品かもしれません。

タブーと言える描写が数多く登場する今作の中でも、衝撃的なのがスカトロ描写です。一人の少女が公爵の便を無理やり食べさせられるシーンはまさにショッキング。

しかし、拷問やスカトロなどの残虐描写はナチスやイタリアのファシズムの権力者たちが罪のない人々に行っていた残虐行為のメタファー。狂った理想を掲げた政権の恐ろしさを表現したと言われています。

スカトロ描写はこういった抑圧された人々が受けてきた苦しみや痛みを表現するために使用されることがあります。オット・ミュールなどもスカトロ表現を使用してメッセージを発信していました。

パゾリー二はスカトロを通して慈悲や優しさのない社会、人間が抱える狂気を表現していたのでしょう。

今作は暗く、救いのない映画のため今作を見るためには相当の覚悟が必要です。

3.タブー:獣姦『邪淫の館・獣人』(1978)

あらすじ

フランスの田舎に住む一人息子のマテュランは家の危機を救うためにアメリカの富豪の娘ルーシーと誓約結婚することに。叔母と共にルーシーが古い館に向かうと、2頭の馬が交尾していました。興奮するルーシーを咎める叔母。館に到着するとルーシーは伯爵夫人ロミルダの話を聞きます。それはロミルダ夫人が野獣と戦ったという不思議な話でした。

食事中、ルーシーはマテュランの異常な行動に気付き、不信感を覚えるが、ワインによって眠気におそわれます。ルーシーは眠りにつくと、ロミルダ夫人の夢を見ました。ロミルダ夫人は森の中で毛むくじゃらの野獣に追われ、犯されていたのです。

ルーシーは一度目を覚ましたが、今度は自分と野獣がSEXをしている夢をみることになります。野獣はSEXが終わると疲れ果て死んでしまい、ルーシーは目を覚まします。マテュランの部屋へ行くと彼は死んでいました。よく見るとマテュランの体は毛むくじゃらで尻尾が生えていました。恐怖の中、ルーシーは館から逃げ出します。

タブー:獣姦 

1978年公開、バレリアン・ボロブツィク監督のフランス映画『邪淫の館・獣人』。今作は動物と人間が性行する獣姦をテーマにした作品、過激な描写も多いため、大きな物議を巻き起こした作品として知られています。

役者のパフォーマンスやアクションはあまり評判が良くはないものの、野獣とのSEXシーンはリアルに描かれ一見の価値があります。この作品ほど獣姦というタブーに切り込んだ作品はないかもしれません。

4.タブー:近親相姦『クローズ・マイ・アイズ』(1991)

あらすじ

両親の離婚により離れて暮らしていた姉ナタリーと弟リチャード。大人になった姉ナタリーは裕福な投資銀行に勤めるシンクレアと結婚していましたが、生活に馴染めずにいました。そこで、弟のリチャードをパーティに招くことに。

ナタリーがリチャードを誘惑し肉体関係に。ナタリーは一度だけの関係のつもりだったが、リチャードが逆にナタリーを激しく求め、依存していくことになります。ナタリーが離れていこうとすると、リチャードは自殺まで図ります。二人の関係に薄々気づいていた夫のシンクレアはナタリーを連れてアメリカに移住することを決意します。

タブー:近親相姦

1991年、スティーブン・ポリアコフ監督のイギリス映画『クローズ・マイ・アイズ』。近親相姦というタブーに切り込んだ今作ですが、アラン・リックマン(シンクレア)、サスキア・リーヴス(ナタリー)、クライヴ・オーウェン(リチャード)など実力派キャストにより、クオリティの高い作品に仕上がっています。

ハリウッド超大作のような派手さはありませんが、ミニシアターなどで上映される映画が好きな人はきっと満足するはずです。

5.タブー:ネクロフィリア(死姦)『愛欲のえじき』(1973)

あらすじ

誰もが振り向くような美しい金髪女性リンジー・フィンチは、死体しか愛せないという(ネクロフィリア)悲しい秘密を抱えていました。リンジーは葬儀に出席しては、その死体と体を合わせる生活を送っています。

ある日、葬儀屋のフレッドという青年がリンジーの性的趣向に気が付きます。フレッドという男も普通の青年ではありませんでした。彼は悪魔崇拝をするカルト集団に所属し、リンジーと同じように死体と肉体関係を持つ男。フレッドはリンジーを死姦パーティへと誘います。

タブー:ネクロフィリア(死姦)

1973年、ジャック・ラサルト監督『愛欲のえじき』。今作は死姦というタブーに切り込んだ作品です。テーマの割には過激な描写が抑えられ、ネクロフィリア女性の心理を描くことに重きが置かれています。

悪趣味な映画ではなくどちらかというとメロドラマのようなタッチ、見るに耐えがたい作品ではありません。