2017年7月6日更新

未解決!本当にあった児童猟奇殺人事件、映画『デビルズ・ノット』

デビルズ・ノット

全米中を驚愕させた1993年にアメリカの田舎町で起きた少年を狙った猟奇殺人事件"ウエスト・メンフィス3事件"と呼ばれる実話を20年の時を経て映画化。いまだに真相が明らかにされていない未解決事件を、『スウィート ヒアアフター』『アララトの聖母』などで知られるカナダの名匠アトム・エゴヤンがいかに描くか注目されています。11月30日の日本公開を前に、クチコミなどをまとめてみました。

目次

衝撃の実話!真犯人は誰だ?【『デビルズ・ノット』あらすじ】

1993年、アメリカで3人の児童が行方不明になった。必死になって探し回る親たちの努力もむなしく、彼らは見るも無残な姿で発見される。犯人は一体誰なのか?警察は捜査を進めるうちに地元の不良として名の知れた3人の少年たちに行きつき、容疑者として確保した。

確固たる証拠がつかめないまま時が過ぎて行くが、オカルト・ヘヴィメタルを好む悪魔崇拝者である彼らに対する世間の目は冷たく、とても公正な判断は出来ない状態である。彼らは本当に児童虐殺事件の犯人なのだろうか。彼らの犯行に疑問を抱いた私立探偵のロン・ラックス(コリン・ファース)は、自らの方法で真実を探り始める。

映画の元となった、ウェスト・メンフィス3事件とは

『デビルズ・ノット』は、20年の時を経て1993年にアメリカ合衆国アーカンソー州ウエスト・メンフィスで起こった猟奇的事件を映画化した作品です。本作は大まかな事件の流れに忠実に作られています。

3人の8歳男児が惨たらしい遺体として発見された猟奇事件の犯人であるとされ警察に逮捕された3人のティーンエイジャーの少年のことを、「ウェスト・メンフィス3」と呼びます。この呼び名は彼らを揶揄する意味合いは薄く、むしろ全米で彼らを擁護する支援者たちが集まったことで出来たそうです。支援者の中には、ジョニー・デップやメタリカなど著名人も多く含まれています。

地元で不良として有名だった彼らは、具体的な証拠が無いまま犯人として扱われ、自白を強要されることもあったそうです。

見た目で人を判断することの恐ろしさ

本事件の一つの大きな要素に、「悪魔崇拝」があります。遺体発見時、児童らは衣服が脱がされ身体に多くの刺し傷があり異様な光景であったことから、警察はこれを悪魔崇拝の儀式であると予想し、地元の少年3人の逮捕にこぎつけたそう。

当時彼らは犯行を否認し無実を訴えたものの、確たる証拠が無いものの有罪判決を受け、死刑・終身刑といった重刑が科されました。そして、2011年に、3人は有罪を認めることで極刑を回避する司法取引に応じ、18年の時を経て釈放されました。釈放後も、彼らは再び無罪を主張し続けています。

果たして彼らは冤罪だったのでしょうか。現在に至るまで事件は未解決であり、真犯人も明らかになっていません。『デビルズ・ノット』は、そんな未解決事件を独自の視点で再解釈したサスペンス・ミステリーとなっています。

カナダの名匠アトム・エゴヤンによる衝撃作

『スウィート ヒアアフター』『アララトの聖母』などで知られるカナダの名匠アトム・エゴヤンの最新作。独特な視点により撮り方が毎回話題となり奇才とも言われているアトム・エゴヤンが、どのようにこの未解決事件を描くのか話題となっています。

今まで同事件を扱ったドキュメンタリーとは一線を画く容疑者として浮上した人や事件に影響された人たちを中心に描いており、人間の心理の奥底を垣間見ながら鑑賞できます。

超豪華!アカデミー俳優とアカデミー女優、夢の共演

主演の冤罪と信じて真相を追求する弁護士には、「英国王のスピーチ」にてアカデミー主演男優賞を受賞したコリン・ファースが、事件に対しての熱意を見せる迫真の演技を魅せています。

猟奇殺人犯によって殺された児童の親のひとりとして、「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」にてアカデミー主演女優賞に輝いたリース・ウィザースプーンが熱演しており、アカデミー俳優の共演としても大変話題となっています。裁判の矛盾点に気付き苦悩する難しい役を見事な演技力で演じ切っています。

「ウェスト・メンフィス3事件」をもっと知るには

この事件は当時から多くの反響を呼び、21世紀の今もなお風化していません。数々の冤罪事件が話題になる中でも、「ウェスト・メンフィス3」事件は後世にわたって語り続けられる負の歴史と言う事が出来るでしょう。本作『デビルズ・ノット』以外にも、この事件を題材とした映画があります。

ジョー・バーリンガー監督による未公開のドキュメンタリーシリーズ『Paradise Lost』が、1996年、2000年、2011年にそれぞれ公開され、少年たちの過ごしてきた時間や追加されていった証拠、裁判の流れなどを記録映画として納めています。そのうちの第3作は、アカデミー長編ドキュメンタリー賞にノミネートもされるほどに話題となりました。

また、日本でも鑑賞が可能な2012年の映画『ウエスト・オブ・メンフィス 自由への闘い』では、なぜ少年3人が逮捕されたのかという事件当時の考察をあらゆる証拠や証言を元にしてドキュメンタリーとして映し出しています。『デビルズ・ノット』で本事件に興味を持った方にはこちらを併せてオススメします。