2017年7月6日更新

オスカー受賞後、キャリアが急落してしまった俳優9人...

©PHOTOPQR/NICE MATIN/MAXPPP

アカデミー賞の呪縛?俳優人生の絶頂から、なぜかその後の壁で苦しんでしまった俳優たちのアカデミー賞後のキャリアをwhatculture.comからの情報を基に検証します。

アカデミー賞の栄光と魔物

アカデミー賞にどれほどの重きを置くかどうかは人それぞれですが、役者にとっては少なくともオスカーをもらうということはハリウッド界のほんの一握りのトップに名を連ねることを意味します。長い俳優人生において絶頂期であったり、無名であればその翌日から世界中がいきなりファンになるのですから。

しかし、いいことばかりではありません。アカデミー賞の重圧と、計り知れない周りからの期待、そしてあまりにも無数の数あるオファーが届きます。ハリウッドでの地位が一変し、世界が変わります。これらの変化の波をうまく乗りこなして行けるのはさらに少数なのです。

これからご紹介する9人の俳優は過去に栄光のオスカー像を手にした輝かしいキャリアの持ち主です。しかし、彼らのキャリアは受賞後とても順風満帆とは言えないようです。過剰なまでのアカデミー賞効果に翻弄されてしまったか、その後の出演作選びに失敗してしまったのか...。

エディ・レッドメイン、あなたにとっていい教訓となるといいのですが。

1.ロベルト・ベニーニ

ロベルト・ベニーニ、アカデミー賞の魔物と謎をうまく説明するのにこれほどまでに分りやすい例があるでしょうか。その世界中を感動の渦に巻き込んだ栄光とは対照的に、受賞後鳴かず飛ばずでぱったりと姿を消してしまったあまりにも悲痛な一例と言えるでしょう。

ご存知の通りベニーニは1998年の『ライフ・イズ・ビューティフル』でナチスへの戦慄政治下にありながら、家族を守り抜く愛にあふれた父親をハートウォーミングに演じ、有力候補者の中から最優秀主演男優賞に選ばれます。

世界が大注目する中、彼のアフターアカデミー賞の役者人生は無惨なものでした。『Asterix & Obelix Take On Caesar(原題)』(1999)や『ピノッキオ』(2002)などに出演するものの万人には理解されず、そのまま過去の人となってしまっています。

2.ハル・ベリー

『チョコレート』(2001)でアフリカ系アメリカ人として初の主演女優賞に輝いたハル・ベリー。誰もが羨む栄光を手にした彼女のキャリアは約束されたものだと疑いませんでした。しかし、最近の彼女はかろうじて活動しているものの、一挙手一投足に注目が集まる存在では無くなってしまいました。

ハル・ベリーが勢いを失っていった経過は分りやすく見ることができます。オスカー受賞後、『007ダイ・アナザー・デイ』(2002)や『キャットウーマン』(2004)に出演をしました。ボンドシリーズはヒットとは言えない出来であり、『キャットウーマン』に至ってはあまりにもひどすぎると批評家からバッシングの嵐となってしまったのです。

アカデミー賞受賞の翌年にラジー賞('最低'映画賞)にて主演女優賞を受賞。そこからの復調は未だ見られぬままです。近年も映画出演は続いていますが、あまりおもしろみの無い特徴に欠ける役所が多い現実です。

3.ジャン・デュジャルダン

覚えているでしょうか?2011年にサイレント映画『アーティスト』で主演男優賞を受賞したフランス人俳優ジャン・デュジャルダンです。アカデミー賞受賞後、全くと言っていいほど名前を聞いた覚えがありませんね。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)や、『ミケランジェロ・プロジェクト』(2014)にマイナーな役で出演はしているものの、オスカー俳優にこの仕打ちとは、ハリウッドは一体どうしてしまったのでしょうか。

フランス人であることや、ここ最近のアカデミー賞の中ではインパクトの薄い年であったということを加味したとしてもここまでハリウッドの世界に存在感を残せないのも珍しい事です。むしろ、受賞前の方が様々な作品で目立っていたと言えるかもしれません。

ジャン・デュジャルダンよ、どこにいるのでしょう!近い将来、またハリウッドで活躍してくれる事を願っています。

4.F・マーリー・エイブラハム

F・マーリー・エイブラハムほどの超個性派な魅力と実力を持つ俳優であれば、1985年の『アマデウス』にてアカデミー賞主演男優賞に輝いた後も当然のことながら第一線で活躍し続けるであろうと誰もが思いました。しかし、彼のキャリアはあえなく脇道へと転落してしまったのです。

近年のエイブラハムの活動は『エンパイア・オブ・エイプス』(2007)など、劇場公開の日の目を見ないDVD専用作品などにとどまっています。

アカデミー賞受賞後、長い時間が経過していますがあまり目立った作品無くまるで空白がぽっかりと開いてしまっているかのようです。2010年代後半に来てやっと、脇役ではありますがメジャーな映画、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013)『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)等でも活躍を見る事ができるようになってきました。

でもやっぱり、納得がいきません。彼ほどの力を持ちながら、なんで映画史にその後も名を残すような作品が無いのか。

5.ミラ・ソルヴィノ

ミラ・ソルヴィノって誰?と思われても仕方が無いのは、彼女が1995年のウディ・アレン監督作『誘惑のアフロディーテ』にて売春婦役を熱演しアカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した後にあまりにも目立った作品が無いからなのでしょう。

『誘惑のアフロディーテ』は映画自体あまり傑作といえる出来ではありませんでした。それでもミラ・ソルヴィノはその中で輝いていたのです。

他に彼女を覚えているという人は『ロミーとミッシェルの場合』(1997)での演技が記憶に残っているのではないでしょうか。これもまた大ヒットと言えないまでも、彼女はタイトルにあるロミーを演じとっても素晴らしい仕事をしていました。実際にこの作品は現在もカルト的な支持を集めています。

しかしながらやはり、それ以外にはあまりオスカー後の特筆すべき経歴が無いのはとても残念なことです。彼女を見ていると、ミラ・ソルヴィノはもっともっとできるはずなのにな、と思ってしまうのは私だけでしょうか。

6.レネー・ゼルウィガー

レネー・ゼルウィガーと言えば『ブリジット・ジョーンズ』での可愛らしい彼女の最盛期の姿しか思い出せない人も多いと思います。しかし、彼女だってばっちりオスカー女優の一人なのです。『コールド・マウンテン』(2003)での演技が認められ、ラブコメからシリアスなヒューマンドラマ映画での力強い女性までこなせる事を証明し最優秀助演女優賞を受賞しました。

ですが、その輝かしい黄金期の後、なにがが彼女の女優人生を狂わせてしまいました。一見するところ誰もが羨む成功と地位を手に入れた彼女。映画での活躍を突き進むことを決めて『シンデレラマン』(2005)、『ミス・ポター』(2006)等に相次いで出演するも過去を超えられず...。

ここ最近はめっきり出演も控えているようで、劇場で彼女を見ることはもはや無いのでしょうか。しかし2015年、ここに来ていきなり『ブリジット・ジョーンズ』シリーズ3作目となる最新作へ出演を合意したとの情報が。もう一度レネー・ゼルウィガーが映画ファンをを魅了してくれるのでしょうか。

7.ブレンダ・フリッカー

このリストの中のだいたいの俳優たちはそれぞれ、人気の低迷に苦しんでいますが、ブレンダ・フリッカーのように"アカデミー賞最優秀助演女優"からいきなり『ホーム・アローン2』(1992)でのセントラルパークの"鳩おばさん"になっちゃうのはある意味すごい偉業と言えるかもしれませんね。

ブレンダ・フリッカーは、1989年に小児麻痺をテーマとした『マイ・レフトフット』にてダニエル・デイ=ルイス演じる主人公の母親役を演じ同賞を受賞しました。これからがさらに期待されていた受賞から3年後、フリッカーは『ホーム・アローン2』にて超ちょい役、むしろエキストラ?というほどの登場をします。隠された遊び心やカメオ出演などでは無く、単純にだれもブレンダ・フリッカーに気がつかなかったのか、むしろ誰も覚えていなかったのです。

オスカー後の作品選びが失敗だったと言わざるを得ないブレンダは、2014年に女優業を引退することを発表しました。25年ばかり幕引きが遅すぎたのかもしれません。

8.エイドリアン・ブロディ

2002年に27歳という若さで当時史上最年少のアカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いたエイドリアン・ブロディ。誰もが認める偉業でした。

若くして栄光に輝いたエイドリアン・ブロディはその後も実力派俳優としてのキャリアを積み、さらなる飛躍と共にハリウッドを担っていくと期待された一人でした。しかし、オスカー受賞後の彼はもはや真剣な作品はあきらめてしまったのでしょうか、アクション映画に興味が移ってしまったとか...?

受賞後は『キング・コング』(2005)や『プレデターズ』(2010)等に代表されるように、アクション映画への出演を増やしていきました。いずれも彼の演技自体はやはり実力のあるものでしたが、いまいち印象に欠ける作品ばかりなのです。ここはやはり路線を戻して、そろそろ観衆を感動の嵐へと誘うような訴える力の強いエイドリアン・ブロディを見たいものですが...

エイドリアンには残念ながら、その気が毛頭ないようです。最近はちょっとしたカメオ出演や、そんな映画聞いた事無いよ、というような'おふざけ'ともとれるような作品ばかりが続いています。極め付けは、思わず低俗と言ってしまいたくなるようなコメディ'映画'『inAPPropriate Comedy』(2013)出演したことでしょう。おいおい、なんてこった。題名がダジャレでできてるような'映画'に出るまでになってしまったのです。悲しい事ですね。。。

9.キューバ・グッディング・ジュニア

『ザ・エージェント』でのキューバ・グッディングJrは最高でした。誰よりもおもしろく、誰からも好かれる、そんなグッディングは文句無しに最優秀助演男優賞を受賞し、これから最高のコメディ要素をもった演技で次々と観客に笑いと感動を与えてくれるのだと期待されていたのでした。

しかし、ここでもまた'何らかのまか不思議な理由'で彼の役者人生は凋落の一途を辿っていきました。

『サイレンサー』(2005)や『奇跡の手』(2009)等出演作を重ねましたが、特に人々の記憶には残らない作品ばかりで、むしろ自身の栄光をわざと台無しにしようとしているのかとさえ思えるグッディングの今日です。

『バナナ★トリップ』(2002)なんかでは、もう目を覆いたくなるような状況で、復調を遂げる事は未だできていません。ここまで来てしまうと『ザ・エージェント』での成功はたまたまだったのか、と言われても仕方がないような気がしてしまいます。

いかなる栄華も崩れさる可能性が常に潜んでいる。そのことがハリウッドの世界では特に顕著なのでしょう。