2017年7月6日更新

いやいや出演させられた俳優10人【ダニエル・クレイグは007をやりたくなかった!?】

Daniel Deme/WENN.com

ハリウッドスターだって思い通りに行かないこともあるよ!このキャスティングの裏にこんなストーリーがあったなんて。ビジネスのシビアな事情によって、本人の意に反して映画に出演したスター達をwhatculture.comを参考にご紹介します。

ハリウッドにおけるキャスティングの裏事情

役者がある映画への出演を決めるとき、それは必ずしも望んだ作品や役柄であり、その俳優が幸せに感じているかどうかはわからないものです。映画出演決まったら誰だって嬉しいんじゃないの?という声が聞こえてきそうですが。

絶対ヒットしないって!とか、こんな駄作出たくないなー。などと本当は思っているとしても、いろんなしがらみや契約の縛りで断ることができない。そんなハリウッドはいくらか地雷現場を連想させます。

ひとつの映画と契約を結ぶということは、同じくして続編出演への可能性が付随します。もし続編が決まっているのにパート1がコケてしまったとしても、残りの運命を背負う責任が生じるのです。

また、別の悲劇のパターンは、”契約の呪縛”です。特定の制作会社の作品に出演をするという契約を結ぶことにより、俳優にとってはキャリアの数年の安定が約束されます。しかし、それにより役者達は自身が出演する作品を選ぶ権利をはく奪されたも同然となり、彼らの実力に関わらず、つまらない映画に出たという烙印を押されるリスクが生じることになります。

映画”黄金時代”と呼ばれている20年代や60年代はこうしたスタジオシステムのせいで不当な評価を受けることになった俳優たちも少なくは無いのです。

このような理由から、自身の希望とは裏腹に作品に出演することとなった10人のスターの例をご紹介致します。

1.ロイ・シャイダー『ジョーズ2』(1978)

『ジョーズ』(1975)はアミティ・アイランドの平和をサメ達の脅威から奪還するべく奮闘した、主人公の警察署長マーティン・ブロディをロイ・シャイダーが熱演したことも大きな勝因となり、大ヒットを記録しました。

オリジナルの『ジョーズ』が全ての点において映画史に残るような素晴らしい評価を得たのに対し、続編として制作された『ジョーズ2』はというと…決して良い出来ではありませんでした。

多くのファンも喜び、評価すべき点もいくつかあったパート2でしたので、最低とまではいかないものの主演のロイ・シャイダーは同じような繰り返しの続編を演じることについてとても乗り気では無かったようです。

ではなぜシャイダーは引き受けたのでしょうか?

『ジョーズ』のすぐ後に続いて制作された1978年の『ディア・ハンター』で、シャイダーは「クリエイティブな方向性と方針の違い」を理由に役を降り、ユニバーサルとの他の3つの映画の契約を反故にするというわがままぶりを発揮します。

そんな身勝手なシャイダーを『ジョーズ2』に出れば今までのワガママな振る舞いで被った損害を全てチャラにしてあげようと、ユニバーサルが持ちかけたのでした。

ジョーズ復帰について聞かれるとシャイダーはいつだって

「契約を履行しているだけにすぎません。」
引用:whatculture.com

と答えました。内心を約するならば、『ユニバーサルのマスコットになり下がるのは嫌だけど、俺にはもう破滅への道しか残されて無いんだ。本当に”ジョーズ2”には出演したくないよ。』といったところでしょうか。

ロイ・シャイダー、まあでも『ジョーズ3D』や『ジョーズ4』まで無くてよかったと思いませんか?

2.シャイア・ラブーフ『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(2011)

シャイア・ラブーフはしばしばバッシングを受けることもありますが、彼の映画を公平に評価する姿勢は認めてもいいでしょう。

マイケル・ベイ監督の『トランスフォーマー』の続編で、最悪と言っても過言ではない出来だった『トランスフォーマー/リベンジ』(2009)に出演した際にラブーフは以下のようにコメントしました。

「出来上がりを見た時にすぐに良くない出来だってわかったよ。僕達はファンを喜ばせる作品が作れなかった。続編に陥りがちなパターンさ。ベイ監督も、もっともっと壮大に大きく作り上げようとした結果、作品のコアを見失ってしまったんだ。」
引用:whatculture.com

さすが、客観的に自身の映画を分析していますね。

だったら、なぜ!なぜ!パート3にも出演をしたのでしょうか?しかも、2に負けず劣らずひどい出来であったと言わているのです。

契約の縛り、この一言に尽きるのでしょう。ラブーフは何とかしてさらなる続編の制作を無い方向に進めていくように力を尽くしましたが、努力虚しく当初の契約通り3作の出演を命じられました。

さすがに4作目はマーク・ウォールバーグが主演を交代し努めましたが、なんと作るごとに最悪の記録を塗り替えていくことになるのでした...。

3.ナタリー・ウッド『捜索者』(1956)

西部劇の傑作との呼び声も高い『捜索者』ですが、事実、監督とキャストの力が総結集してできた良い作品であったと言えるでしょう。

監督のジョン・フォードは最盛期であり、カウボーイの主人公イーサン・エドワーズを演じたジョン・ウェインは最高の演技を披露してくれました。

そんな輝く西部劇の中でただ一人、インディアンに捕らわれるイーサンの姪を演じたナタリー・ウッドは映画の出演を快く思っていませんでした。

ナタリー・ウッドは50年代に横行していた”スタジオシステム”にはまり、彼女の意思はほとんど考慮されずに決まった作品への出演が続いていました。

そしてそんな一例がまさに『捜索者』だったのです。ナタリーはワーナー・ブラザーズと契約をした時からカウボーイの姪を演じることは義務付けられていたのでした。

ナタリーは幼いころにネイティブアメリカンに拾われて彼らのコミュニティの一部として育てられた女性を演じることがどうしても自分に適役とは思えなかったので、出演したくない旨を訴えましたが結局は聞き入れてもらえず。特に仲が悪いと噂されていた実の母親からに説き伏せられてやむなく出演が決まりました。

いやいやだったかもしれませんが、皮肉なことに彼女の出演作で高評価を得た作品となりました。

4.チャニング・テイタム – 『G.I.ジョー』(2009)

ちょっと前まで世間は誰も、チャニング・テイタムについて深くは考えていませんでした。しかし、今や彼はハリウッドを代表する引く手数多の期待できるスターの一人として華麗な成長を遂げました。

見かけと筋肉だけが売りの軟派なアイドル俳優から、『フォックスキャッチャー』(2014)のような作品に出演し、アカデミー賞にも名を連ねるほどの実力派俳優へと登りつめたのです。

さらに驚くべきは、2013年のもっとも稼いだ俳優として2位にランクインしたことでしょう。 キャリアがここまで華々しく変化した俳優も珍しいと思いますが、そんな実力と名声を身につけてきたテイタムは出演作選びにうるさくなったと最近もっぱら噂になっています。

となると、なぜチャニング・テイタムは彼のキャリアが波に乗りそうだという大切な時期に、駄作と目に見えている『G.I.ジョー』なんかに出演をしたのでしょうか?

それについてはテイタム自身がインタビューで「やらされたって感じかな。」と正直に語っています。

「2005年の『コーチ・カーター』を含めて、3作の作品に出演することがパラマウントとの間の契約で決まったんだ。駆け出しの俳優にとってそんなこと夢のようだったんだけど、でもそこからいろんな作品に出て才能ある人たちと出会って、自分の方向性とかも見えだしてくると何がやりたいか解ってくる。ちょうどそんな時にパラマウントから”次の映画決まったから”って連絡来たのが『G.I.ジョー』だったんだ。」
引用:whatculture.com

テイタムが出演を断ろうとすると、パラマウント側は契約違反で訴えると言ってきたそうです。そんな逆らえない力もあり、テイタムは『G.I.ジョー』へ出演することになります。そこで話は終わらず、続く続編『G.I.ジョーバック2リベンジ』(2012)へも出ていますから、きっとさらにパラマウントから脅されたであろうことは容易に想像がつきます。

5.アン・ハサウェイ 『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』(2004)

今や大女優となったアン・ハサウェイ。近年の彼女の活躍は『ダークナイト ライジング』や『レ・ミゼラブル』(共に2012)など大作への出演が続き目覚ましいですね。

しかしどんなに大成した今でも、多くの彼女の昔からのファンは(多くがディズニーファンでしょうか)『プリティ・プリンセス』(2001)でのキュートで初々しい姿を思い出さずにはいられないでしょう。

確かに、『プリティ・プリンセス』でのアン・ハサウェイはとてもかわいくて、映画も王道ではありますが、夢のある良いファンタジーコメディでした。

しかし、パート2は二番煎じから脱することができず、明らかにオリジナルの良さは超えられませんでした。そもそもハサウェイ自身が続編に意欲が無かったと言うのです。

ティーンのアイドルは卒業して、彼女の気持ちはすでに2004年の映画『オペラ座の怪人』のヒロインに照準を合わせていました。なぜアン・ハサウェイ演じるクリスティーヌを観ることが出来なかったのか?それは悲しいかな『プリティ・プリンセス』の続編とスケジュールが完璧にかち合い、ついに夢が叶うことは無かったからなのです。

ハサウェイのディズニーとの契約では続編に出演することが取り決められており、断るという選択肢は全くありませんでした。どっちの映画に出たかったのか、言うまでもありませんがアン・ハサウェイがとても悔しい思いをしたことは明白です。

6.キアヌ・リーヴス – 『ザ・ウォッチャー』(2000)

かわいそうなキアヌ。

友達が彼のサインを偽造したことにより、こんなB級サスペンス映画に出ることになるなんて夢にも思わなかったでしょう。

良い人であるキアヌの身に起こったウソのようなホントの話。残酷なことに、マトリックス俳優の彼には出演するか、契約違反で訴えられるかの2つの選択肢しかありませんでした。

映画公開から一年が経ち、ようやくキアヌはことの真相を語りました。

「この台本をおもしろいと思ったことは無いね。僕の友達が契約書のサインを模倣して書いたんだけど、それを証明も出来なかったし、訴えられるのもいやだったから出演するしか無かったんだ。」
引用:whatculture.com

さらにおかしなことに、映画の中でキアヌ・リーヴスは似つかわしく無い連続殺人鬼を演じているのです。

あからさまにキアヌは映画のプロモーションイベント等には一切姿を現しませんでした。ハメられたと言えど、あんまり良くない映画だったので出てこなくて正解だったでしょう。

とにかく、その"友達"とやらとはさっさと縁を切ることを誰かキアヌに教えてあげましょう。

7.エミリー・ブラント 『ガリバー旅行記』(2010)

記者達からこの映画についてどう思うか聞かれたエミリー・ブラントは「脚本が素晴らしいわ。原作の小説からイメージを膨らませてもっとおもしろく楽しく心あたたまる仕上がりになっているの」と答えました。

しかし、実際には全くの単なる社交辞令だったと言われています。

エミリー・ブラントは20世紀FOXとの間で出演作品を事前に定めない契約を結んでおり、彼女が喉から手が出るほど演じたかった『アイアンマン2』のブラック・ウィドウ役のオファーをこの低予算の『ガリバー旅行記』のために泣く泣く断らざるを得なかったのです。

代わりにスカーレット・ヨハンソンがセクシーなブラック・ウィドウを演じ、続くマーベルのメガヒットシリーズのポストも確保したという訳です。比べてガリバー旅行記?世間はもう忘れているに等しいですね。

8.マーロン・ブランド 『デジレ』(1954)

1954年のアカデミー賞でノミネートも果たしたマーロン・ブランド主演の『デジレ』。しかし現代でも人々が語るほどの名作では無いようですね。当時大ヒットを収めたこの作品もマーロン・ブランドがしぶしぶ出演させられた作品の一つだそうです。

ただ、出演するまでの経緯がちょっと変わっているのです。事の発端は、ブランドがFOXと交わしていた出演契約の『エジプシャン』という映画がありました。彼はセットに一度現れたきりすぐに立ち去り、そのまま契約を破りました。何も悪く無いFOXは彼を日本円にして約200億円超で訴えたのです。

そこで和解のために出てきた提案が『デジレ』においてナポレオンを演じること。ブランドはこれにおいても自分には合っていない役だと感じ(実際にちょっとイメージと違いました)嫌がったのですか、最初に打診されたモンゴメリ・クリフトが断ったためにブランドが演じる他無くなってしまったのです。

9.リチャード・ギア 『ムービー43』(2013)

「これはコメディの中のコメディ!傑作中の傑作だけを集めたオムニバス何だよ!!もうヒュー・ジャックマンも、ケイト・ブランシェットのシーンも撮り始めてるんだ!リチャード!君がいなきゃ始まらないじゃ無いか、出てくれるだろうね!!」 とプロデューサーは言いました。するとギアは 「ヒューもケイトももう撮影しただって…?本当か?」 と怪訝そうな顔をします。そこでプロデューサーは満面の笑みを浮かべて最後の一押し。 「今回のはほんとにめちゃめちゃでかいヒットになるんだよ!出てくれるよな!?」

実際にこんな会話があったかどうかは知りませんが、少なくとも”こんなような”やりとりがあったはずです。じゃなきゃ、どうしてたくさんの素晴らしい俳優達が集団自殺のようなこれほどひどい映画でヤケドを負うことになるのでしょうか。

中でもリチャード・ギアはどうにかして出演をやっぱり断ろうと強く抵抗したと報じられています。努力の甲斐むなしく結局出演することになるんですけどね。

「プリティ・ウーマン」で最高の仕事を見せたリチャード・ギアですら”iBabeとやらを売るどこかの会社のCEO”という設定ではその魅力を存分に発揮することは到底無理難題だったようですね。

10.ダニエル・クレイグ『007 スカイフォール』(2012)

ショーン・コネリー以来最高のボンドと称されているダニエル・クレイグのシリーズデビュー作かつ歴代のボンドムービーの中でも一二を争う出来である『007カジノ・ロワイヤル』。

しかし、そんな華々しい大成功をおさめているダニエル・クレイグですら、ハリウッドの世界には抗えないようです。実は2012年の『007スカイフォール』への出演を嫌がっていたというんだから驚きですね。

2作品の間には2008年に『007慰めの報酬』が撮られています。ボンドを演じることで得た世界からの賞讃と俳優としてのキャリアの充実はありましたが、クレイグはこの続編があまりふるわなかった事で、ジェームス・ボンドに対する愛着と重圧の狭間で苦しむことになりました。

結果としてスカイフォールはファンの期待を裏切らない出来となりましたが、それでも2作目以降クレイグの続投に消極的な発言は目立っていました。

では、なにが彼の心を決断させたのでしょうか。そう、ここでもまた”契約のしばり”があったからなのです。

彼はかつて「そもそも一番最初の時点から、007の世界からどうやって逃げ出そうかずっと考えているんだ。とにかく、今は辞められない。あと何作かの契約が残っているんだ。映画って言ったってビジネスに変わりはないからね。」と言った事があります。契約の制約はあるにせよ、周囲に向けてどういう発言をするかはダニエル・クレイグの自由ですからね。

とにかく、ダニエル・クレイグはもうボンドを続けたくないという思いは固いようです。ことあるごとにプレスの前では”もう辞めたいよ”アピールをしています。今のところシリーズ最新作である2015年の『007スペクター』のPRでさえ「そろそろ他の役がやりたいな」と言っています。

もうダニエル・クレイグのジェームス・ボンドは見納めなのでしょうか。