ダニエル・クレイグボンドの最高なシーン10選

2017年7月6日更新

2006年公開『007 カジノ・ロワイヤル』からジェームズ・ボンドを演じているダニエル・クレイグ。2015年12月4日には待望の新作『007 スペクター』が公開されます。今回はダニエル・クレイグボンドの最高なシーン10選を紹介します。

1.Qとボンドが美術館で出会うシーン!?

2012年公開、サム・メンデス監督、『007 スカイフォール』より

美術館でボンドがベン・ウィショー演じる新たなQと会うシーンは様々なメッセージが込められた素晴らしいシーンです。

まず、ボンドがメガネをかけた青年がQだと気づく前、Qはターナー作の名画『解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号』について語っていました。

まるで、もはや007の居場所は現代のスパイ組織にはないと言っているかのようです。

その後、Qが手渡した秘密兵器は認証機能付きのワルサーと発信機というシンプルなもの、ペン型爆弾は古いと言い付け加えて去っていきます。

ボンドを取り巻く環境が変わったことをシンプルながら、効果的な演出で語られていました。アクションなしで007オリジナルシリーズの要素を再構築した素晴らしいシーンです。

2.『007 ゴールドフィンガー』へのオマージュシーン!?

2009年公開マーク・フォスター監督『007 慰めの報酬』より

ジェームズ・ボンドと関係を持った女性は不運に見舞われるジンクスはとても有名です。

グリーンプラネットの代表者ドミニク・グリーンの狙いがオイルではなくて水だったと明らかになった頃、ボンドがホテルに戻ると大勢のMI6のエージェントとオイルまみれのストロベリー・フィールズ(ジェマ・アンダートン)の死体が転がっていました。

007ファンならこのシーンが『007 ゴールドフィンガー』(1965)へのオマージュだとすぐに気づいたはずです。

Mがフィールズの死はボンドに責任があると指摘、ある意味でボンドがプロのスパイとして失格の烙印を押された場面でもありました。

3.上海での幻想的アクション!?

2012年公開、サム・メンデス監督、『007 スカイフォール』より

007シリーズには欠かせないアクションシーンの中で特に素晴らしいのが、上海で繰り広げられたボンドとフランスの傭兵パトリスのバトルシークエンスです。

この場面はネオンの映像を活かした幻想的演出など、撮影監督ロジャー・ディーキンスの功績が大きいです。

シークエンスの大きな特徴はカメラの手振れがないこととカット割りが少ないこと、ジェイソン・ボーンシリーズやミッション・イン・ポッシブルシリーズとは全く似ておらず、007特有のスタイリッシュアクションに仕上がっています。

こんなに美しく激しいアクションが観られる映画は007シリーズ以外には存在しないでしょう。

4.マイアミ空港でのチェイスシーン!

2006年公開マーティン・キャンベル監督『007 カジノ・ロワイヤル』より

マイアミ国際空港でのチェイスシーンは『007 カジノ・ロワイヤル』のハイライト、多くの観客をスクリーンにくぎ付けにした名場面です。

飛行機爆発を止めるためにカルロスを追うボンド、走行中のトラックの上に飛び乗るアクションからカルロスとの格闘場面へ。一足早くトラックから飛び降りるカルロス、ボンドがトラックをドリフトさせて停止させるが飛行機は目の前。カルロスが爆弾のスイッチを押して危機一髪。しかしボンドは不敵な笑みを浮かべます。爆弾はすでに付け替えられていて爆発したのは飛行機ではなくカルロスでした。

この場面はボンドのインテリジェンス、身体能力、魅力が全て盛り込まれたシーン。なぜボンドが愛されるキャラクターなのかを改めて知らしめました。

5.縄での拷問シーン!?

2006年公開マーティン・キャンベル監督『007 カジノ・ロワイヤル』より

『007 カジノ・ロワイヤル』マッツ・ミケルセン演じるル・シッフルがジェームズ・ボンドを拷問するシーンは大きなインパクトを残しました。

拷問に使われたものはレーザーなど派手な道具やガジェットではなく、単なる結ばれた太いロープでした。シンプルな道具だからこそ生まれたリアリティによって、観客は痛みを想像することが出来ました。そのため、拷問中はボンドと一緒に苦痛を味わったかのような錯覚に陥ることになるでしょう。

しかし、ボンドがただ苦悶に耐えるだけでは物足りません。途中から笑いだす余裕を見せつけ、ル・シッフルとの格の違いを示しています。

6.プラハ、オペラ上映中のアクションシークエンス!?

2009年公開マーク・フォスター監督『007 慰めの報酬』より

プラハでオペラが上映される中で繰り広げられるアクションシーンは間違いなく名場面のひとつに入るでしょう。上映されていたオペラの演目がトスカ、欺くことや復讐がテーマであることが大きなポイントになっています。

クォンタムのメンバーがオペラ鑑賞をしながらミーティングを決行、舞台裏で激しいバトルが始まります。

オペラで銃声が響くと、裏で実際に銃撃戦が起きるなど演目の内容とリンクした演出で、正に表と裏、ジェームズ・ボンドの世界観が上手く表現されています。

ただ演目を鑑賞していた観客よりもクォンタムのメンバーがエキサイティングな体験をしたことは間違いありません。

7.多くのファンが待ち望んでいたシーン!?

2006年公開マーティン・キャンベル監督『007 カジノ・ロワイヤル』より

007シリーズには様々なトレードマークや印象的なセリフが登場しますが、ボンドが自ら名前を名乗るシーンが文字通り名刺代わりでした。

『007 カジノ・ロワイヤル』でこの場面が登場するのは本当に最後の最後、不安を抱えながら映画鑑賞していたファンも少なからずいたはずです。

ミスター・ホワイトに一本の電話がかかってきます。“誰だと”言いながら電話に出るホワイト。その瞬間、銃声が轟き、ホワイトは倒れます。這って逃げている前にボンドが現れてこう言い放ちます。“ボンド、ジェームズ・ボンド”。テーマ曲が流れだし、エンドクレジットへ。

多くのファンが“待ってました!”と千両役者が登場してきた瞬間のように心で叫んだはずです。

ダニエル・クレイグが真のジェームズ・ボンドになった瞬間と言える場面かもしれません。

8.ラウル・シルヴァ登場シーン!?

2012年公開、サム・メンデス監督、『007 スカイフォール』より

ル・シッフルも印象的なヴィランでしたが、ハビエル・バルデム演じるラウル・シルヴァと比べると存在が霞んでしまうかもしれません。

廃墟となった島でボンドがシルヴァと初めて対面する場面は名シーンの一つです。

シルヴァが遠くからボンドに向かって歩いてくる姿をカットを切らずに長回し、並みのヴィランやB級の役者ではとても間が持ちません。

バルデムが演じたことで生まれた圧倒的存在感や背筋が凍るような囁きによって恐ろしいほど緊迫感があるシーンに仕上がっています。

アクションに頼らずとも、007シリーズが心理戦で観客を魅了出来ることを証明した場面であり、最も印象的なヴィランが生まれた瞬間でもありました。

9.ダニエル・クレイグ版ボンドの方向性を示したオープニングシークエンス!?

2006年公開マーティン・キャンベル監督『007 カジノ・ロワイヤル』より

リブート作品においてオープニングシーンは、これから先の方向性を示す大切なシーンです。ましてや、007シリーズのリブートともなれば大きなプレッシャーを製作陣は抱えていたはずです。

『007 カジノ・ロワイヤル』のオープニングで示された方向性はリアルでシリアスなボンド、アクションシーンへの期待がグッと高まる映像、モノクロで前日譚が語られ、ボンドがターゲットを無慈悲に殴り倒して水責めにするシーンなどダニエル・クレイグ版ボンドは冷酷な殺し屋として描かれていることは明らかでした。

シークエンスの最後に007の象徴、ガンバレルシーンが付け加えられ、新たなボンドシリーズへの期待感を高めるには十分過ぎるクオリティを見せつけました。

10.圧巻マダガスカルでのチェースシーン!?

2006年公開マーティン・キャンベル監督『007 カジノ・ロワイヤル』より

マダガスカルでの7分にも及ぶアクションシークエンスで心をわしづかみにされたファンが大勢いたでしょう。この場面は爆弾魔モロカを追跡するボンド、建設現場を活かしたアクションが息つく間もなく繰り広げられます。

ブルドーザーでの突撃シーンから始まり、足がすくむような高所バトルに。モロカはスピードとバネを活かして狭い隙間をすり抜ける忍者のような動きでボンドを撒こうと逃げ回ります。

一方、ボンドはモロカとは同じ方法を取りません。壁を突き破る、その場にある道具を使うなど、その場その場の判断と経験を活かした方法でモロカを追い詰めていきます。

ただのアクションテンコ盛りではなく、対比や工夫によって長いシークエンスを飽きさせない構造、一度観たら興奮がしばらく収まらない素晴らしいシークエンスです。