2017年7月6日更新

正反対のキャラクターも見事に演じた俳優・女優8人!【ヴォルデモートとグランド・ブダペストホテルなど】

俳優はキャリアを積めば積むほどイメージが定着してしまい、そのイメージを拭い去るのが難しくなっていきます。しかし、中には凝り固まったイメージから脱却して素晴らしいパフォーマンスをみせる俳優がいます。今回は/whatculture.comより正反対のキャラクターを見事に演じた俳優・女優8人を紹介します。

1.ムッシュ・グスタヴ役:レイフ・ファインズ『グランド・ブダペスト・ホテル』 

90年代、『シンドラーのリスト』(1993)のナチスのオフィサー(アーモン・ゲート)、『イングリッシュ・ペイシェント』アルマシーなど、レイフ・ファインズといえばしかめっ面で、シリアスな役を演じている俳優としてイメージが定着していました。

しかし、2005年『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でヴォルデモートを演じてからは、シリアス過ぎるイメージからは少し脱却。

そして2014年、レイフ・ファインズはウェス・アンダーソンがメガホンを取ったコメディ映画『グランド・ブダペスト・ホテル』に出演することになります。

レイフ・ファインズとは全くの無縁に思えたコメディ作品でしたが、ウェス・アンダーソンが見事にファインズのコメディの才能を引き出し、几帳面でどこかおかしい、ホテルのコンシェルズ、ムッシュ・グスタヴが生まれました。

ムッシュ・グスタヴとアーモン・ゲートを演じた俳優が同一人物だとはとても思えません。

2.ハイゼンベルグ役: ブライアン・クランストン『ブレイキング・バッド』

今では信じられないかもしれませんが、ブライアン・クランストンはスラップスティックコメディで活躍していた俳優、ハイゼンベルグのように裏社会で生きる冷徹な男を演じるイメージは全くありませんでした。

2000年から2006年までドラマシリーズ『マルコム in the Middle』に出演、トラブルメイカーの父親ハル・ウィルカーソンを演じていました。

ハル・ウィルカーソンも車を盗むくらいの犯罪は犯してていたものの、ハイゼンベルグの麻薬密造ほどエクストリームな犯罪ではありません。

おそらく『ブレイキング・バッド』に出演することになったきっかけは『Xファイル』で演じたクセのある男パトリック・クランプでしょう。

『ブレイキング・バッド』のクリエイター、ヴィンス・ギリガンはその時のパフォーマンスを見て、クランストンをハイゼンベルグ役に起用することを決めたのかもしれません。

3.サイ・パリッシュ役:ロビン・ウィリアムズ『ストーカー』

ロビン・ウィリアムズといえば、『グッドモーニング、ベトナム』『フィッシャー・キング』など変人ながら、おかしく、魅力的なキャラクターを数多く演じていました。

コメディの印象が強いロビン・ウィリアムズですが、『レナードの朝』『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』などシリアスな演技にも定評があった俳優です。

しかし、ロビン・ウィリアムズが本領を発揮するのは、コメディックな役でも、シリアスな役でもありません。狂気をまとった男を演じた時こそ最大限力を発揮します。

2003年公開、マーク・ロマネク監督『ストーカー』に出演したロビン・ウィリアムズは写真屋で働くサイ・パリッシュを演じました。

サイは一見、温厚で真面目な男ですが、底知れぬ孤独や闇を抱えた人物です。客の家族に異常な執着を持ち、自身が家族の一員になった妄想を繰り返していました。

彼の歪んだ愛情は憎悪へと変わり、狂人となったサイは家族に襲い掛かります。

今作のロビン・ウィリアムズはコメディックなパフォーマンスは一切なし、目の奥の潜む狂気など孤独な男サイ・パリッシュを見事に体現しました。

4.マーラ・シンガー役:ヘレナ・ボナム=カーター『ファイト・クラブ』

『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』などヘレナ=ボナム・カーターといえば、ティム・バートン作品でアクの強い強烈なキャラクターを演じているイメージがすっかり定着しています。

しかし、デビュー当時は典型的なイギリスの美人女優として活躍、赤の女王、ベアトリックスなど強烈なキャラクターを演じるようなタイプではありませんでした。

1985年『眺めのいい部屋』ルーシー役、『レディ・ジェーン/愛と運命のふたり』(1986)など文芸作品で品のある女性を演じています。

デビュー当時のイメージを変わることになったのは1999年公開デビッド・フィンチャー監督の『ファイト・クラブ』でしょう。

美しいドレスを身にまとい、艶髪をなびかせる女性から一転、『ファイト・クラブ』でボナム・カーターが演じたマーラ・シンガーはパサパサの乱れた髪に荒れた肌。

今までのイメージとは真逆のキャラクターでした。

マーラ・シンガーがタイラー・ダーデンにFワードを言う場面では、清楚なイメージだったボナム=カーターの口から出た汚い言葉にショックを受けた人もいたようです。

5.デヴィッド役:ダン・スティーヴンス『ザ・ゲスト』

イギリス人俳優ダン・スティーヴンス(『誘拐の掟』)はCGや特殊メイクを使わずにイメージの異なる二つの役を見事に演じ分けました。

ダン・スティーヴンスといえば、『ダウントン・アビー』の色白の弁護士マシュー・クローリー役で人気を獲得した俳優です。

『ダウントン・アビー』は長い間続いたイギリスのテレビドラマシリーズ、スティーヴンスはマシュー役のイメージから脱却する必要がありました。

2014年アダム・ウィンガード監督作品『ザ・ゲスト』で冷徹な殺人マシン、デヴィッドを演じるため、激しいトレーニングに励んでいたそうです。

結果、見事な肉体を作り上げたダン・スティーヴンスはマシュー役のイメージから脱却することに成功、『ザ・ゲスト』が新たな代表作になりました。

6.ジョエル・バリッシュ役:ジム・キャリー 『エターナル・サンシャイン』

『マスク』『ジム・キャリーはMr.ダマー』『エース・ベンチュラ』などに出演、ハリウッド屈指のコメディスター、ジム・キャリー。

漫画の世界から飛び出してきたようなキャラクターを演じているイメージが強いジム・キャリーですが、1998年の作品『トゥルーマン・ショー』ではシリアスな演技も出来ることを証明しました。

そして、2004年ジム・キャリーは『エターナル・サンシャイン』に出演することになります。演じたのは元恋人との記憶を消そうとする男ジョエル・バリッシュ。

ジム・キャリーは繊細かつ説得力あるパフォーマンスでジョエルを体現、また新たな一面を見せ付けることに成功、『エターナル・サンシャイン』はジム・キャリーの代表作となりました。

7.タイロン・ラヴ役:マーロン・ウェイアンズ『レクイエム・フォー・ドリーム』 

『最終絶叫計画』など数多くのパロディ映画に出演している、アメリカの俳優マーロン・ウェイアンズ、彼にシリアスなイメージがある人は少ないでしょう。

しかし、2000年ダーレン・アロノフスキーがドラッグの世界を衝撃的に描いた『レクイエム・フォー・ドリーム』に出演したマーロンはシリアスな演技も出来ることを証明しています。

希望を失くしてドラッグに溺れる青年タイロン・ラヴを生々しい演技で体現、他の役者同様素晴らしいパフォーマンスをみせていました。

『レクイエム・フォー・ドリーム』出演後は、『最終絶叫計画』続編などマーロンのホームとも言えるパロディ映画の世界へと戻っています。

8.キラー・ジョー・クーパー役:マシュー・マコノヒー『キラー・スナイパー』

『ダラス・バイヤーズクラブ』『インターステラー』など本格派俳優として名だたる監督から引っ張りだこ、今絶好調の俳優マシュー・マコノヒー。

しかし、『コンタクト』『評決のとき』など名前が知られるようになった後、彼のキャリアは順風満帆とは行きませんでした。

2000年頃は『10日間で男を上手にフル方法』『恋するレシピ~理想のオトコの作り方~』などラブコメ作品に多く出演、現在のようにキャリアが上向くとは誰も予想していなかったはずです。

キャリアが上向くきっかけとなった作品は2011年公開『キラー・スナイパー』でしょう。演じたのはそれまでマコノヒーのイメージにはなかった殺し屋キラー・ジョー・クーパーでした。

この作品で冷徹な殺し屋を見事に演じたことで評価が急上昇、現在の活躍へとつながります。