裸足の季節

裸足の季節

作品情報

原題 Mustang
製作年 2015年
日本劇場公開日 2016年6月11日
製作国 トルコ・フランス・カタール・ドイツ
上映時間 94分

あらすじ

イスタンブールから1000km離れた黒海沿岸の小さな村に住む13歳のラーレは、美しい5人姉妹の末っ子。10年前に両親が亡くなってから、祖母のもとで姉たち――長女ソナイ、次女セルマ、三女エジェ、四女ヌル――と、叔父のエロルと共に暮らしている。 ラーレの大好きなディレッキ先生がイスタンブールの学校へと異動になった日。下校途中、姉妹たちは男子生徒と海で騎馬戦をして遊ぶ。無邪気に男子の肩にまたがってはしゃぐ彼女たち。楽しげに帰宅した5人を迎えた祖母は怒りの形相で、長女ソナイから順番に折檻していく。「ふしだらなことをしたからよ。男たちの首に下半身をこすりつけるなんて!」隣人が祖母に告げ口したのだった。 この日以来、姉妹たちは外出を禁じられ、家に閉じ込められた。派手な洋服やアクセサリー、化粧品といった“不埒なもの”はすべてゴミ袋へ。携帯電話、パソコンと次々と没収され、戸棚にしまわれ鍵をかけられた。文字通り“カゴの鳥”となった彼女たちを待ち受けていたのは花嫁修業の日々。料理を習い、掃除をし、地味な色の服を着させられ……。村の女たちが毎日のように家にやってきては、姉妹たちに花嫁として必要なことを伝授していく。それは退屈な日々。 次々に見合い話がまとめられていく。婚礼の日。セルマは浴びるように自棄酒を飲み干す。酔って静かに涙を流すセルマに、「結婚したくないなら逃げて」とラーレは言うが、セルマは諦めたようにつぶやく。「どこへ逃げればいいの? イスタンブールは1000キロ先よ」 この夜が、5人姉妹が揃う最後の日となった。 ラーレは「その日」に向けて綿密な準備を始めた。祖母のへそくりから金を盗み、アリバイ工作用の人形に自分の髪を切って縫い付ける。そして、ラーレはついに強行する。運命を切りひらくための計画を――。

新着感想・ネタバレ

mazda620の感想・評価
トルコの5人の美しい姉妹。好奇心に溢れてただただ純粋無垢にまっすぐで、未来よりも今が一番で、夏みたいにきらきらしてる。彼女達の日常のあらゆることはふしだらでみっともないと言われ、好きな人も作れず学校にもいけないまま花嫁修業の毎日、その時がくれば愛のない婚約をさせられる、末っ子ラーレが息苦しい毎日に抱く不信感。未来はまだわからないけど、今がこうなのは間違ってると気づく強い意志。
どうみても『ヴァージンスーサイズ』なんですが、同じなのは土台だけ。自分の世界観と少女性をただただ追求したコッポラとはまた違う目線でこの監督は少女達を描いた。
監禁に近い生活、心の暴力といえる教育、伝統とかしきたりとかは感情うんぬんでおこなわれるものではないと、レールの上を歩かされてく人生。自分で動かなければ誰もここから引き上げてくれない。主張を主張だけで終わらせたくない。今が人生の選択の時と察するラーレはとても13歳とは思えないほどのぶっささた強い芯が逞しくて美しい。
最後のイスタンブールがまるで違う世界のように、広くて生きることの選択肢を無限に感じる。裸足でコンクリートの地面を歩くみたいに、人生で感じる多くの痛みをこの体でたくさん感じながらも、彼女はもっと強い女性になるんだろうなって思う。
s_p_n_minacoの感想・評価
瑞々しく切なく力強いトルコ女子映画。5人姉妹の気だるく美しいショットから『ヴァージン・スーサイズ』を引き合いに出されそうだけど、方向性は真逆だと思う。囚われた因習や価値観を全身で否定し、自由を求めて脱出する闘い。そのために大事なのは教育と、自力で運転する車。これもまた、女子サヴァイバル&脱出DIY映画だった。
賑やかに若さ弾ける冒頭から、一変して抑圧された理不尽な状況へ、鬱屈を溜め込む姉妹。それでも自分たちらしく反抗心を捨てないのだが、やがて1人ずつ強制される結婚には抗えない。この周囲の圧力、男女共に異様なシステムの犠牲者なのにそれを止められず、むしろ加担することで生き延びるしかない状況が本当に堪らなかった。その痛々しさと腹立たしさ、誰のものでもない末っ子ラーレの強い眼差し。窓から逃げ出してもまた戻るだけ、ならばそれを壊す。そして姉4人とは違うやり方で、彼女は突っ走る。怒りのデスロードを。
正直その先にまた試練しか想像出来なかったので、ラストにはやられた。全部を少女だけに背負わせないのが誠実だと思うし、外にある世界の広さが希望となる。5人それぞれの個性が活き活きとして、トルコリーグの女性子供観客限定試合(実際にあったっけ?)がまるでコンサート会場みたいなのがキュートだった。
domax1211の感想・評価
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