2018年5月11日更新

ディズニーの綺麗なゾンビに心洗われる…『ゾンビーズ』の描く多様性への受容

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ゾンビーズ プレス
©Disney

『ハイスクール・ミュージカル』世代の私が感動したディズニーの最新TV映画『ゾンビーズ』

皆さん、あのディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービー『ハイスクール・ミュージカル』を覚えていますか?私は完全に世代でしたので、当時かなりドハマりしていました。しかしそれを超えると確信できる新たなディズニー・チャンネルのミュージカルTV映画が誕生したのです。その名も、『ゾンビーズ』。

舞台は郊外の町、シーブルック。たった一つのライムソーダがきっかけでアポカリプスが巻き起こされ、一部の住民がゾンビ化してしまってから50年後。ゾンビたちは人間を襲わないよう理性をコントロールするリストバンド型の装置「Zバンド」を着用することで文明的な生活をおくれるようになっていました。しかし、ゾンビの住む街「ゾンビタウン」は人間の街からは隔離されており、未だに彼らは人間に恐れられています。 そんなある日、遂に地元のシーブルック高校が新学期からゾンビの高校生も受け入れるという事で、ゾンビの主人公ゼッドとその仲間が転校してきます。アメフト部に入りたくて仕方ない彼は、転校初日からチアリーダーを夢見る美少女アディソンに一目惚れ。彼女も最初は彼がゾンビである事に怖がっていましたが、次第にその優しさに惹かれていくのです。しかし、彼女の所属するチア部を筆頭に周りの人間はゾンビに対して良く思いません。彼らは果たして、恋の弊害を乗り超えるのか!?そして、人間はゾンビを受け入れる事ができるのか!?この2点が本作のストーリーの大きな見所となっていきます。

主人公が“ゾンビ”という、異色のディズニーのミュージカルTV映画ではあります。しかし、ホラーに耐久のない方も安心して観られるほどゾンビ達がチャーミングなのでご安心を!更に、普段からハードコアなゾンビ映画を観る方でもかなり楽しめる事ができます。その訳となる本作の魅力を紹介!

ディズニー流“ゾンビ”、従来のゾンビと比べて何が違う?

ゾンビ フリー画像

先述の通り、本作にはホラー映画史に欠かせないゾンビが登場します。従来のゾンビのイメージとは、身体が腐りかけていて、言語能力を失い、ただ肉を求めて彷徨う生きる屍でした。しかし、本作のゾンビはひと味もふた味も違います。まず、肌は一切腐敗していないし、腕が取れていたり目玉が飛び出ていたりしない。更には人間と同等の言語能力を持ち、社会を築いています。そして「Zバンド」が正常に機能している時はベジタリアン!なんて素晴らしいゾンビなのでしょう。 しかし、それだけチャーミングでナイスなのに、ゾンビというだけでペットを飼う事が許されない。ゾンビというだけで、部活に入部する事ができない。中身は人間と何ら変わらないはずの彼らが、果たしてどのように人間に受容されていくのかという点に本作の強いメッセージを感じるのです。

違う、は良い。ディズニーが問いかける多様性への受容

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ようやく人間と同じ学校に通う事になったゾンビたち。しかし、依然として地下室の教室に“閉じ込められる”形で授業を受け、部活をはじめ教室から出るようなアクティビティが一切許されません。勿論、人間の使う教室やカフェテリアの出入りも禁止。ゾンビを見かければ「ゾンビ・アラート」を鳴らされて、問答無用で取り押さえられてしまう。 現実社会で起こる人種差別を連想させるこれらの迫害行為に対し、ゾンビのゼッドは対立するのではなく「如何に人間に自分たちを受けれてもらえるのか」を常に前向きに考えます。アメフト部のスターとなってチームに勝利をもたらし続けることで、自分が人気者となり、周りからのゾンビに対する偏見を拭おうとしたり、それによって彼らの権利を獲得していこうと努力するのです。 そんな彼のひたむきな姿勢に、『ウォーキング・デッド』のような血生臭いゾンビドラマばかり観ていた私の荒んだ心が浄化されました。忘れかけていた大事な事を思い出させてもらいましたよ、ええ。

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更に、人気者のアディソンもまたシーブルックというコミュニティに置いて異端な存在として描かれています。実は彼女には秘密があり、「different(違うもの)」を許容しない町と人に受け入れられるため、自身を偽る事でやり過ごしてきたのです。 しかし、ゾンビのゼッドの懸命な姿に心を打たれた彼女は、他者を受けいれる事だけではなく「偽らなくて良い、ありのままの自分で良い」事を理解するのです。

キャスティングにも反映されるダイバーシティ

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多様性の受容というメッセージは、本作のキャスティングにも表れています。 シーブルックのチア部は、従来のような女子だけで構成されたものではなく同じくらい男子も参加している事、キャプテンを男子が務めている事が特徴的です。このキャプテンでアディソンの従兄弟でもあるバッキーは『ハイスクール・ミュージカル』で演劇部に所属していたライアンを彷彿とさせるキャラクター。 更に、チアリーダー=スリムでスタイルの良い女子生徒ばかりという固定観念を覆すのが、アディソンの親友であり同じチア部に所属した少女ブリーです。彼女を演じるカーラー・ジェフリーが、とてもリアルで健康的な体型な“普通の女の子”である事に非常に好感が持てるのです。 学校の生徒の国籍も様々。全ての人種が均等にスクリーンの中で歌って踊る姿に、ダイバーシティの尊重が伺えます。

『ハイスクール・ミュージカル』から12年、時代の変換に合わせたミュージカルの進化

さて、本作の魅力はテーマが深いというだけではありません。あの『ハイスクール・ミュージカル』から12年が経った今、『ゾンビーズ』はその間に起きた時代の変換に合って進化したミュージカル映画となっています。デスティニー・チャイルドなどのR&Bの波が「大切なのはバスケットボール」などの楽曲に反映されていた『ハイスクール・ミュージカル』に対して、EDM風な本作のメインソング「Someday」はより現代のティーンに刺さる曲調となっています。 バッシュが体育館床をキュッキュッと鳴らしていたように、その辺にあるものやそのシーンの動作から生み出されたサウンドを軸に作られていたメロディが、打ち込みサウンドへ。変換は楽曲だけでなくダンスにも反映されており、よりモダンになっている印象を与えます。

ゾンビ好きが自信をもって勧める『ゾンビーズ』初放送は5月19日!

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従来の青春ミュージカルの体型は崩されていないものの、時代の変換に合わせて進化を遂げた『ゾンビーズ』。ハードコアなゾンビ映画ファンも大丈夫、グロシーンが一切なくても楽しめるゾンビ映画はこちらです。 他者を受け入れる姿勢と自己愛を喚起させてくれるストーリー、アッパーチューンな楽曲は、あなたをハッピーにしてくれる事間違いなし!ディズニー・チャンネルにて5月19日(土)19:30より日本初放送となっております。

提供:ディズニー・チャンネル