これを読むまで『デッドプール2』の本当の面白さは理解できない!?映画オマージュ完全網羅【雪だるま作ろう?】
『デッドプール2』映画ネタ、元ネタを厳選して徹底解説しちゃうよ!
2018年に公開された待望の続編『デッドプール2』。前作よりさらにアクションもジョークも倍増している本作ですが、特に映画や有名人などあらゆるポップカルチャーをネタにしたり、オマージュしているシーンが多かったかと思います。 わかるものもあったけど、全て理解仕切れず十分に楽しめなかった……という方。もしくは、元ネタはなんとなく知っているぐらいで、作品の詳しい話はわからない……という方。ご安心を! オマージュポイントは勿論、元ネタも徹底解説しているこの記事を読めば、『デッドプール2』の本当の面白さを理解できるはず。登場シーン順ではなくカテゴリー別に元ネタを一気にご紹介します。
『デッドプール2』の土台!?80年代名作映画のオマージュ
①ラジカセを掲げがちなアレ『セイ・エニシング』
解き放たれた強敵ジャガーノートを倒すためにコロッサスに協力してもらおうと考えたデッドプール。自分のおイタのせいで完全に失望させてしまったコロッサスに謝罪をしに行くシーンで、彼の部屋の窓に向けてラジカセを掲げて「In Your Eyes」を流していました。これは89年に公開された名作『セイ・エニシング』の名シーンのパロディとなっています。
『セイ・エニシング』は『エリザベスタウン』や『あの頃ペニー・レインと』のキャメロン・クロウ監督による青春映画。主人公のロイドは自分に釣り合わないようなお嬢様の女の子ダイアンを誘い、2人は良い感じに。しかし、家庭の事情で一方的にダイアンが別れを告げます。電話をかけても出やしない彼女にご立腹だったロイドは、女友達の「男じゃなくて大人になれ!」という喝を受け、彼女の家の前でラジカセを持ったまま立ち続ける。その姿が……良いんですよ。 このシーンは本当に数多くの映画でもオマージュとして登場しており、本作の他にも『小悪魔はなぜテる?』や『レディ・プレイヤー1』、ドラマ版「THE FLASH/フラッシュ」でも取り入れられています。
②ポスターにもなったオープニングのアレ『フラッシュダンス』
『デッドプール2』のポスターの中でも印象的だったのが、デッドプールが椅子に腰掛けながら雨のように降り注ぐ銃弾を浴びてポーズをとっているもの。オープニングシーンにもあったこれは、83年に公開された大ヒット作『フラッシュダンス』の名シーンのパロディです。 『フラッシュダンス』とは、製鉄所で働きながらもプロダンサーになることを夢見る少女のサクセスムービー。夜はナイトクラブでフロアダンサーとして活動をする主人公アレックスは、養成学校のオーディションを受けようと試みるも、独学であるため尻込みをしてしまいます。そんな彼女に惚れた製鉄所の社長ニックが「夢を諦める時が君の死ぬ時だ」ってアツい台詞をかましながら、背中を押していくのです。 友達との関係、将来、様々なことに葛藤しつつ、夢に向かって進んでいくアレックスに心打たれる作品です。
③「教えてくれ、グース」なアレ『トップガン』
『トップガン』は、2018年にシリーズ6作目『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』も公開され、57歳とは思えないほどの身体能力を持って無理難題のアクションシーンをこなしたトム・クルーズの出世作です。 トム・クルーズ演じるビート、通称マーベリックはアメリカ海軍の艦上戦闘機パイロット。才能溢れる彼は基本的に一匹狼で行動をしていましたが、彼とは違って気さくで陽気なグースを相棒としてつけれれるのです。2人はエリート航空戦訓練学校(トップガン)に送られることに。ただ、とある任務中にそのグースを不慮の事故で亡くしてしまい、マーベリックは自責の念にかられます。とまあ、『海猿』的な映画なのですが、その後マーベリックが挑んだ任務で、彼はグースのドッグタグを握りしめながら「教えてくれ、グース……」と祈るのです。 これと同じセリフを、『デッドプール2』では始めのほうでタクシーに逃げ込んだデッドプールが、ドーピンダーに対して言っています。
④「抵抗するな、容赦しない」なアレ『ロボコップ』
本作の鍵を握る少年ラッセルが暴走している現場に駆けつけたX-MEN見習いのデッドプールとコロッサス。この時、コロッサスがラッセルに向かって「Come quietly or there will be…… trouble.(抵抗するな……さもなくば容赦しない)」と話しかけます。この台詞、あの『ロボコップ』が元ネタなのです。 『ロボコップ』は、殉職した警官マーフィーの遺体をサイボーグ化して生まれた「ロボコップ」が(マジで)容赦なく犯罪者を取り締まるSFアクション映画です。近未来のデトロイトを舞台とした本作は小さい男の子が喜びそうな設定であるにも関わらず、肉は飛び散るわ、拷問シーンはトラウマになるわ、な過激な暴力シーンが目白押し。加えて、腐敗した政治などの社会風刺も込められているのでR指定大人向け映画として大ヒット! 続編やリメイクも制作されるなど、長年根強いファンに愛される作品となっています。『デッドプール2』のグロ描写が大丈夫な方は、ぜひ。
⑤ケーブルをいじっているアレ『グーニーズ』
本作に登場するケーブルは、何かと中の人(ジョシュ・ブローリン)に関することでデッドプールにいじられます。そんなジョシュ・ブローリンのデビュー作は、80年代名作『グーニーズ』であることをご存知でしょうか? 海賊の伝説が残る港町に暮らす、仲良しの4人組「グーニーズ」。彼らが、ひょんなことをから見つけた「片目のウィニー」の宝の地図が発端となって、(近所で)大冒険を繰り広げるという作品です。ジョシュ・ブローリンは主人公の兄(写真で地図を指しているハチマキ男子)として出演しています。 『デッドプール2』では、護送車でケーブルと一戦を交えるデッドプールが彼に対して「来い、片目のウィリー!」と言ったり、盲目のアルの家で療養中に、「グーニーズ」の1人であるぽっちゃりなチャンク君が着ていたものと同じアロハシャツを着ています。
映画好きなら知る人ぞ知る!“あの”オマージュ
①デッドプールのデッドプールが見え隠れしちゃうアレ『氷の微笑』
先述の『グーニーズ』のチャンクシャツを着ながら、アルのもとで療養中だったデッドプール。ジャガーノートによって半身に引き裂かれた彼の下半身は再生中で、毛も生えていない赤ちゃんみたいでキモい、というシーンがありましたね。あの時、彼がわざと足を組み直して大事なところをチラ見せさせていたのは、マイケル・ダグラスとシャロン・ストーンの共演作『氷の微笑』のパロディです。 『氷の微笑』ではマイケル・ダグラス演じる刑事が、とある殺人事件の被害者の恋人を容疑者として疑います。その容疑者はミステリー小説家でもあり、彼女の書く小説にこの事件と同じような手口のものが登場するのでますます怪しい。そんな彼女の取り調べ中に、衝撃の事実が判明。彼女、下着を履いていないんです……! 足を組み替えるたびにチラ見えしてしまうそれに、全世界が大興奮。エロティックサスペンス映画として大ヒットし、足組み替えシーンは先述の『セイ・エニシング』並みにパロディーされる名シーンとなりました。(映画は真面目に面白いサスペンスです)
②R指定映画として北米興収1位に届かなかったアレ『パッション』
2004年、メル・ギブソンが監督を務めた『パッション』が公開され、その残酷描写が話題を呼びました。イエス・キリストが十字架にかけられて処刑されるまでの12時間を描きます。 R指定映画として歴代の興収ランキング上位ではあったものの、全世界的には第1作目『デッドプール』が上回り、史上最高のR指定映画として王者に輝きました。しかし、なんと北米での興収では『パッション』にわずかに及ばなかったのです。このことをデッドプールは本作の中でネタにしています。
③スリザリンは嫌だ?なアレ「ハリーポッター」シリーズ
みなさん大好き「ハリー・ポッター」シリーズからも、小ネタが。 ミュータントとしての能力を無力化させられたデッドプールとラッセルが、アイスボックス収容所に入ったときです。デッドプールは「どこのギャングに入ろうかな?組分け帽子とかあるの?」と、「ハリー・ポッター」に欠かせない組分け帽子をネタにしています。 「ハリーポッター」は言わずもがな、今や世界一有名なファンタジー作品と言っても過言ではないシリーズ。第1作目で、主人公のハリーが組分け帽子をかぶった時「スリザリンは嫌……スリザリンは嫌……」と繰り返し祈っていたのが印象的なシーンです。
④未来では何作品目が作られてるの?なアレ『シャークネード』
これは予想外でしたね。まさかあのB級映画界の荒くれ者「シャークネード」シリーズまでネタにするとは! 2013年に公開された衝撃的な一作目『シャークネード』から、現在にかけてなんと6作品(6が一応完結編)が製作されているという、謎の人気を誇るカルト映画。これが何かというと、ある日突然巨大な竜巻が起きて、その影響で海の中にいた凶暴なサメが吸い上げられ、陸地に降ってくるというとんでもない話なのです。そのサメたちを、冴えないけど戦闘能力だけやたら高い主人公がチェーンソー片手にぶった斬っていくのが痛快! しかし、誰もがこのB級作品がここまでシリーズ化するとは全く予想しませんでした。一体いつまで新作は出続けるの!?そんな我々の気持ちを代弁するかのように、『デッドプール2』ではデッドプールが未来からケーブルに対して「未来ではシャークネードは何作目?」と質問しています。
⑤ツァイストガイストが残念な結末を辿ったアレ『ファーゴ』
さて、『IT/“それ”が見えたら終わり』の殺人ピエロ・ペニーワイズを演じたことで現在脚光を浴びている俳優ビル・スカルスガルドが演じた、X-フォースのツァイストガイスト。口から酸を吐き出す彼ですが、ラッセル救出作戦がはじまると同時に、他のメンバーと共に即死してしまいました。そんな彼の死に様、粉砕機に突っ込む姿はあの名作『ファーゴ』のとあるシーンを思わせますね。 『バートン・フィンク』でカンヌ最高賞を受賞したコーエン兄弟が監督を務めた本作は、1996年に公開。ストーリー全体を“本当にあった話”というテイストで仕立てたフィクション作品です。 借金まみれの主人公は、返済のため自分の妻を誘拐することに。彼女の父は会社のオーナーでもあり、そこから身代金をせしめようという魂胆です。そこで2人の男に彼女の誘拐を依頼するも、彼らは妻を誘拐後に警官や目撃者を殺してしまう。この事件をフランシス・マクドーマンド演じる女性警察署長が追いはじめ、誘拐の計画はさらに狂っていってしまうというお話。ドラマ化もされているほどの名作なので、一見の価値はあります。
⑥ケーブルが過去からやってきたから?なアレ『僕が君を見つけた日』
未来からやってきたケーブルに対して、デッドプールの親友ウィーゼルが「the time traveler's wife's husband」と呼ぶシーンがあります。直訳すると「タイムトラベラーの妻の夫」なのですが、つまりは「タイムトラベラー」という事です。 これは2003年に出版、2009年にラブストーリーの女王レイチェル・マクアダムスを妻役に迎えて映画化された『君が僕を見つけた日(原題:The Time Traveler's Wife)』をネタにしています。 生まれた時から自分の意思に反して時空を行き来してしまう主人公。彼はそんな中で1人の少女と出会います。元の時代に戻った後、彼は大人になった彼女と再会するのですが、彼女は彼のことを覚えていたのです。彼が初恋の相手だったという彼女と恋に落ち、結婚もし、幸せな家庭を築けるはずだった。しかし、いつもそこには彼の特殊能力が弊害としてあって……。鼻水垂らして号泣するレベルの感動作品です。
⑦デッドプール、なんか間違ってない?なアレ『ターミネーター2』
そもそも、『デッドプール2』自体があの名作『ターミネーター2』に酷似していると思いませんか?未来からきた男(T-1000型ですね、走るのめっちゃ速くて怖いアイツ)は、少年ジョン・コナーを殺すことで未来を変えようとしている。しかし、同じく未来からきたシュワちゃん(T-800・モデル101型)が彼を守りぬくというストーリー。 『デッドプール2』でこの2体のターミネーターはケーブルと、デッドプールに置き換えられます。または、時間を通してT-1000からシュワちゃんに変革したケーブル、とした方が良いかもしれませんね。現にケーブルのヴィジュアルは、特に顔あたりがどことなくターミネーターを思わせる雰囲気です。
さらにデッドプールが劇中のカーチェイスシーンで、ラッセルの命を狙うケーブルに対し「その子供に触るな、ジョン・コナー!」と叫びます。しかし、この台詞少し違和感が……。なぜなら、子供の名前がジョン・コナーであるので、ケーブルをコナーと呼ぶのは間違いなのです。デッドプールは間違ってしまったのか?そんな波紋を呼ぶパロディシーンとなりました。
⑧ドーピンダーがキルスティン・ダンスト?なアレ『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』
デッドプールの影響で、自分もイケてる殺し屋になりたいと言い出したドーピンダーが、タクシーの中でデッドプールに対し「“もっと味わいたいの…”」と渇望します。これは、94年に公開された『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のオマージュです。 トム・クルーズ演じるレスタトにヴァンパイアに転化させられた、ブラッド・ピット演じる主人公のルイ。彼は後にクローディアという少女をヴァンパイアにしてしまいます。そして、彼女がはじめて血の味を知った時、レスタトに「もっと味わいたいの……」と言うのです。 このクローディアをキルスティン・ダンストが演じているので、この2人の関係性を『デッドプール2』の中ではデッドプールとドーピンダーの関係性に置き換えて話されています。
まさか、あの人が!?カメオ出演ネタ
①やっぱり出ていた!?スタン・リー
マーベルの生みの親であり、マーベルの実写映画にもカメオ出演をするのがお決まりのこの人、スタン・リー。前作『デッドプール』ではヴァネッサの働くバーでDJとして出演していましたが、本作では予告編に出てきただけで本編には“出演”していません。 しかし、ちゃっかり“登場”はしていました!ドミノが護送車に乗り込むために地上に降り立つ際に、一瞬だけ映る壁にスタン・リーが描かれているのです。これはもう、ブルーレイを買って確認するしかありません!
②目に見えた?ブラッド・ピット
先述の通りデッドプールとドミノ以外即死した、Xフォース。メンバーの1人であるヴァニッシャーは姿が見えませんでした。しかし、感電死した際にその姿が明らかに……!なんと、彼の正体はブラッド・ピットだったのです。 実は、ブラッド・ピットはもともとケーブル役で交渉が進んでいました。しかし、スケジュールの都合で泣く泣く断念。そんな背景もあり、今回のカメオ出演が決まったのでしょう。デッドプールも「マジで!?」と叫んだぐらい、誰もが予想できなかったサプライズでした。
③実は出ていた、マット・デイモン
ブラッド・ピットに比べて、実は地味に、しかし着実にカメオ出演を果たしていたハリウッドスターがもう1人います。マット・デイモンです。彼はなんと、ケーブルが過去からやってきた時に出会ったトラックの荷台にもたれる左側の中年男性だったのです!ちなみに、隣に座っていたのは『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』タッカー役のアラン・テュディックでした。 ブルーレイの特典映像で舞台裏はたっぷり楽しめます。
これは絶対に分かっておいてほしい!X-MENシリーズネタ
①デッドプールが映画冒頭から最後まで執着するアレ『LOGAN/ローガン』
さて、もうこの人なくしてこの映画は成立しない(?)ほど、ウルヴァリンのネタは映画の冒頭から最後まで至るところに登場しました。 最初、デッドプールが自殺をするシーンは、マーベルの実写映画の中で同じくR指定ものとして大成功を納めた『LOGAN/ローガン』に対する嫉妬です。主人公が死ぬ、という設定が大ヒットの秘訣なのか?と皮肉を込め、「じゃあ俺も死んじゃうも〜ん」とアパートと共に自爆するデッドプール。残念ながら、老衰していたウルヴァリンに比べて再生能力が劣っていなかったので、死ぬことはできませんでした。 その後もウルヴァリンは勿論、中の人であるヒュー・ジャックマンをネタにするシーンも。アイスキューブ刑務所に収容された時のラッセルの囚人番号が「24601番」でした。気づかなかった人も多いかもしれませんが、これはなんと『レ・ミゼラブル』でヒュー・ジャックマンが演じた、ジャン・パルジャンと同じものなのです!
②新世代X-MENから無視されるアレ「X-MEN フューチャー&パスト」
デッドプール がXマンションに訪れた際に、「いつも登場するミュータントはコロッサスとネガソニックだけ!」と愚痴るシーンがあります。制作費の関係で、他の人気ミュータントキャラを出せないのか、と駄々をこねる彼の後ろにある部屋では、なんと『X-MENフューチャー&パスト』のクイックシルバー、マグニートーといったメンツが勢揃いしていました。 しかし誰もデッドプールに関わりたくないようで、ビーストが部屋の扉を静かに閉めるのでした。
③エンドロール特別シーンで描かれるアレ『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』
先述の『X-MEN フューチャー&パスト』は「X-MEN」シリーズの中でも前日譚の位置付けとなりますが、(「スター・ウォーズ」のプリクエルのようなもの)それより5年前に公開された、ウルヴァリン自身の前日譚『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』に、すでにウェイド・ウィルソン(デッドプール)が登場していたのをご存知でしょうか? しかし、姿は今日のようなものでなく上の写真のようなもの。ただ、中の人は同じライアン・レイノルズです。彼は前半にウェイド・ウィルソンとして登場するも、後半では「ウェポンXI計画」に利用されて、デッドプール(ウェポンXI)に生まれ変わります。 『デッドプール 』でも、ウェイド・ウィルソンがデッドプール になった過程が描かれていましたが、『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』と違ってこちらの方が本来のコミック原作に忠実であるため、ファンからの壮大な支持を受けました。 つまり過去のデッドプールは、ファンにとってはもちろん演じたライアン・レイノルズにとっても“黒歴史”であるため、彼は過去に戻ってそれをなかったことにしようとするのです。 ちなみに細かい小ネタですが、写真のウェイドのように刀で弾丸を切る動作が『デッドプール2』の戦闘シーンに盛り込まれているので、ぜひ探してみてくださいね。
サノスにブラック・ウィドウ!?X-MEN以外のMARVELネタ
①ケーブルをいじっているアレ『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
またまたケーブル役のジョシュ・ブローリンをいじったネタ。彼は同時期に劇場公開されたマーベルシネマティックユニバース(MCU)作品『アベンジャーズ・インフィニティ・ウォー』に登場するヴィラン、サノスを演じていました。 そのことあって、デッドプールはケーブルを「サノス!』と本作中に呼ぶことが。実際、『デッドプール2』のエンディングシーンはどこか『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』をネタにしつつ、次作の展開を思わせるようなものでもあったり……?
②ドミノをいじっているアレ「ブラック・ウィドウ」
また、デッドプールはXフォースのスカウトの際にやってきたドミノに対して「ブラック・ブラック・ウィドウ」と呼んでいます。 こちらもまたMCUネタなのですが、MCUのブラック・ウィドウを演じるのは白人の女優(スカーレット・ヨハンソン)ですね。それを黒人の女優(ザジー・ビーツ)が演じるということをいじって、“ブラック(黒人な)ブラック・ウィドウ”という意味でした。
③ドーピンダーをいじっているアレ「ブラックパンサー」
さらに、ドミノやケーブル、コロッサスといったミュータントと並んで我もと戦前に立とうとするドーピンダーのことを「ブラウンパンサー」とデッドプールは呼びました。 「ブラックパンサー」は本作より少し前に単独映画『ブラックパンサー』が公開され、大ヒットしたマーベルの人気キャラクター。ブラックパンサーがアフリカ出身なのに対して、インド人のドーピンダーはブラウン? これも「ブラック・ブラック・ウィドウ」に続く、MCUネタであり人種ネタですね。
実はディズニーネタもこれだけあった!
①残酷な始まりが鉄板のファミリー映画といえば『バンビ』
『デッドプール2』の物語のはじまりは、デッドプールが自殺を図った6週間前に遡ります。その日は恋人ヴァネッサとの記念日でもあり、予定に遅れまいといつも通りサクサクとマフィアを殺していくデッドプール。この時彼は、『デッドプール2』が“ファミリー映画”であると説明します。何故ならディズニーの『バンビ』だって、事の発端は残酷な死だった!と言うのです。 確かに、ディズニーのアニメ作品はファミリー映画の代表格といえます。そして多くのそれは彼の言う通り、主人公が残酷な両親の死に直面するという、極めてダークな内容であったりします。『バンビ』も例外ではなく、主人公バンビの母親が猟師に殺されてしまいます。
②↑『ライオン・キング』もお忘れなく?
そして彼が『バンビ』と一緒に例に挙げたのが『ライオン・キング』。これはもう、ぐうの音も出ませんね。主人公シンバの父が叔父スカーの陰謀で、ムファサは崖から落とされた挙句ヌーの群れに踏み殺されます。ディズニー映画史上もっとも残酷といっても過言ではない、この死のシーン。それがあってもなお、『ライオン・キング』が“ファミリー映画”として親しまれているので、デッドプールの言い分も納得せざるを得ない……?
③雪だるまつくろう〜?のアレ『アナと雪の女王』
さらに序盤の方でデッドプールが、本作の中にちょいちょい出てくるバーバラ・ストライセンドの「Papa, Can you hear me?」と、『アナと雪の女王』の「雪だるまつくろう」が酷似していると発言します。確かに聞いてみれば、本当にそっくり!勿論、「雪だるまつくろう」の方が製作は後になるわけなのですが、彼の発言がきっかけとなり、一部ネット上では盗作論争繰り広げられました。
大人の事情ガン無視!?禁断の競合DCネタ
①俺の名前は……なアレ「バットマン」シリーズ
デッドプールの所属するマーベルとDCは言わずもがな、競合関係にあり、互いについて触れることは一種のタブーでもあります。しかし、俺ちゃんにタブーなぞ通用しません! 『デッドプール2』では、DCコミックの象徴的キャラクター・バットマンのネタが2回登場します。最初は、デッドプールが悪党討伐を済まして家に帰り、記念日なのに待ちわびていたヴァネッサに対して「fighting a caped badass, [then] discovered his momma's named Martha, too.(マントをきた悪い奴と戦ってたよ。そしたらなんと、お互いの母親の名前が同じマーサだったことがわかったんだ)」という台詞です。これは、DCユニバースの2作品目である『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』のことを意味しています。
「バットマンvsスーパーマン」では、この台詞のようにバットマンとスーパーマンが戦う中で、互いの母親の名前が同じということに気づき、戦いをやめるというシーンがありました。 2回目のバットマンネタは、ケーブルとの初対面で「お前は誰だ」と聞かれたデッドプールが、「I'm Batman.(俺はバットマンだ)」と答えていたものです。これはバットマンお決まりの決め台詞でもあり、しばし海外でネタに使われることが多いです。
②DCユニバース全体が暗いって言っちゃうアレ
加えて、初対面のケーブルに対してデッドプールは「So dark!You sure you’re not from the DC universe?(お前って超暗いよね……DCユニバース出身じゃねえの?)」と言う台詞があります。 DCユニバースの作品は、マーベルに比べてどこか重厚感があって、ダークなトーンのものが多いです。そのため、しばしアメコミファンの中で「DCは暗い」的なことがネタとして言われていたのですが、まさかデッドプールがスクリーンで堂々と言ってしまうとは……。笑っていいのか、いけないのか、わからないジョークです。
②ライアン・レイノルズご立腹の黒歴史なアレ『グリーン・ランターン』
さて、最後にご紹介するのはエンドロールで先ほど自分の黒歴史を消しに言ったライアン・レイノルズ本人ネタです。同じくエンドロールにてデッドプールが過去に戻り、ライアン・レイノルズが『グリーン・ランタン』の台本を持っているところを射殺するというシーンがありましたね。 『グリーン・ランタン』自体はマーベルではなくDCの作品なのですが、ライアン・レイノルズ出演作品の中でとにかく酷評をあびた“駄作”として、世間からレッテルを貼られています。前作『デッドプール 』でも、この『グリーン・ランタン』ネタは登場しました。 どこにいっても、この作品のことを言われるレイノルズ本人のように、『デッドプール』の世界観の中でもこの作品はネタ扱いされ続けられていくのでしょう。しかし、彼はこの作品に出演したおかげで、ヒロイン役のブレイク・ライブリーと出会い、結婚。現在ハリウッドの中でも指折りに数えるほどの、おしどり夫婦として知られているので、悪いことばかりではないですよね。
この全オマージュ、DVD版『デッドプール 2』でどこまで見つけられる!?
これまで紹介してきた膨大な数のオマージュ。しかし、この他にも沢山のネタが『デッドプール 2』には散りばめられています。まさに映画好きを唸らせる一作と言っても、過言ではないでしょう。 そんな本作が8月24日より、早速デジタル配信決定!さらには早くも9月12日(水)より、特典として劇場公開版より約15分長い「スーパードゥーパー $@%!#& カット(エクステンデッド版)」が収録されたブルーレイ&DVDが発売されます。 登場するオマージュやネタを理解したうえで、『デッドプール 2』を観れば何度でも味わい深いこと間違いなし!デジタルまたはDVDを手に入れなければ、もはやあなたの映画体験は終わりとは言えません。
提供:20世紀フォックスホームエンターテイメント