完全予測不可能!?『グッド・ドクター 名医の条件』コミュ障の無双っぷりが凄まじい
「変わっているから」という理由で、誰かを敬遠していませんか?
「あいつはろくにコミュニケーションが取れない」、「変人だから仕事は任せられない」……そんな風にクラスの中で、会社の中で、社会の中で人と違う人を敬遠していませんか?もし心当たりがあるなら、Dlifeで無料放送されるドラマ『グッド・ドクター 名医の条件』を観て、考えを改めるべき! 今日、多様性と謳われる社会の中で、実際多様性を受け入れているシステムはどれくらいあるのでしょうか。そんな事をふと我々に問いかけてくれる本シリーズの主人公はサヴァン症候群、つまり自閉症の医師(レジデント)。ちなみに主演俳優は、あの2005年に公開された『チャーリーとチョコレート工場』のチャーリーくん(フレディ・ハイモア)!めっちゃ大きくなってる! そんな余談はさておき、「KY(空気が読めない)」発言をしまくるコミュ障な主人公が、古い固定概念に縛られている病院内をぶった切りまくる本シリーズの魅力をご紹介。
『グッド・ドクター 名医の条件』あらすじ
ショーン・マーフィーはサヴァン症のレジデント。サヴァン症とは、知的障害や発達障害などのある者のうち、ごく特定の分野に限って優れた能力を発揮する者の症状です。彼はサンノゼにある聖ボナベントゥラ病院で勤務を勤務を始めますが、そこにはいくつもの障害がありました。 並外れた記憶力、診断力を持つと同時に人とうまくコミュニケーションが取れない。医師にとって最高の素質と最悪の欠点を同時に持つ彼が、果たして良いドクターになれるのか。彼を支え、良き理解者である院長をはじめ、病院内の人間が彼との“コミュニケーション”を通して影響を与えられていく。 そんな奮闘を描きつつ、彼が病院内や周りの人間に影響を与え、その考えや生き方をより良いものに変えていく作品です。
「その子を殺している」ショーンのKY発言が炸裂!
第一話では、病院に面接に向かう途中の空港で事故現場に遭遇する主人公、ショーン・マーフィー。看板が落ちてきて、大量のガラスを体中に浴びた少年に一人の医師が駆けつけ、傷口を押さえているところにふらっと現れるや否や、「その子を殺している」とバッサリ! しかし、彼には悪意がありません。「大人と違って相手は子供だから、そこを押さえちゃうと気管が押さえ込まれて息ができないよ」とニコニコ言いながら、正しい位置に手を持っていくと途端に子供が息を吹き返します。些細な現場の状況から、即座に患者や怪我人に正しい診断を下す。その神業に「すげー」と開いた口が塞がりません。
記憶力はもちろん、洞察力も長けている彼はサヴァン症。応急処置を施した子供と一緒に、自分の勤務先でもある病院まで行くとクレアという外科医に出会います。彼女は最初、彼を頭がおかしい人扱いして病院から追い出すのですが、彼の医学的アドバイスが正しかったことから、再び彼を病院内に戻します。彼の助言通りにすると、子供のオペは無事成功! クレアは彼の元に行き、親切に「聞きたいこと色々あるでしょ」と聞くと、「何故最初に会った時は失礼で、その次は感じよくなって、今は友達になろうとしているの??そのうちのどれが本当の君?」とバッサリ。 思わずハッとさせられる発言です。確かに人は、第一印象を勝手に決めつけて親切にしないことがあります。しかし、相手がそうでなかったとわかると、コロコロと態度を変えたりしませんか?痛いところばかりついてくる、ショーンのこういったKY発言の一つ一つは、実は我々に少し考えさせる“真実”のひとつでもあるのです。
偏見や常識に縛られる者たちにメスを入れていく主人公の無双っぷり!
とはいえ、やっぱりコミュニケーションが少し下手な、いわゆるコミュ障のショーン。嘘や建前が苦手な彼は、患者を怯えさせ、時には怒らせてしまうことも。特に、これと思ったことはずっとやるタイプ。実はなんでもない患者に大きな検査が必要だと訴え続け、しまいには深夜一時に帰宅した小児患者の家の門を叩きまくります。しかも病院には内緒!もう常識の「じ」の字もないわけですが、この彼の判断のおかげで患者は九死に一生を得ます。 特に欧米で親しまれている、このような有名な文句があります。「許可を得るよりも、許してもらう方が常に簡単である」と。これを本ドラマでも、ショーンが体現してみせてくれたんです。許可されていないから人の命が救えないなんて、ナンセンスですよね。しかしそれが常識であればそれまでです。しかし、人命救助を第一に考えるショーンにとって、それは関係ありません。 ルールを破っても、常識を破っても、人の命を救うもんだからどんなもんだい。そんな彼の無双っぷりが爽快なのです。
“本当に多様性を受け入れるなら”ドラマのテーマとは
無双しまくるショーンですが、もともと病院に勤務することを理事会で反対されていました。自閉症でありながら、類稀なる才能を持っている。そんな彼の才能を、彼を幼い時から知っている院長のグラスマン以外は難色を示します。ショーンが何か問題を起こせば最悪人の命に関わり、病院としてはリスクが高すぎるというわけです。 グラスマンは「そう遠くない昔、黒人の医者は採用を拒まれた。そう遠くない昔、この病院は女性の医師を雇わなかった」と、"違う"だけで才能がある者を拒むべきではないと説得。それに対して黒人の医師から人種差別や性差別を並べるのかと非難されても、「理屈は同じだ」と反論します。近年、「多様性を受け入れよう」というムーブメントが起きる中、本当に“受け入れられているのか”、そんな問題提起が本ドラマでは行われるのです
結局ショーンは採用されますが、採用後も反対派のアンドリュースと外科の主治医であるメレンデス先生は彼を認めません。メレンデスに関してはショーンにメスを持たせず、雑用ばかりさせます。この二人は本ドラマにおける、表面的な受け入れの象徴的存在なんです。 それに対し、あいも変わらずショーンもKYだし我が道を突き進みます。ただ、地位や名誉に興味のなかった彼も、それがメンデス先生の雑用から逃れる「出世」の道だと教わり、受け入れていく。質問をされるのが嫌いということで、疑問形で聞かれたことには無視する性格だけど、面接時に「何故医者を目指したのか」聞かれた時、しばらくの沈黙の末、彼なりの言葉で真実を語った。 ショーンもショーンなりに、世界を受け入れて行き、世界もまた彼を徐々に受け入れていく。この構図、そして「障害があるからといって、夢を諦めなくても良い」というメッセージが、本ドラマのテーマとなっているのです。
日本版との違いはどこにある?
さて、ここで本シリーズと日本でリメイクされたドラマの違いについて少しご紹介します。まず、本作の主人公ショーンは大人も診察しますが、山崎賢人が演じた主人公・新堂は小児外科医という設定です。しかし、医師になろうとしたきっかけや、子供の患者に対する強い思い入れは同じです。 他のキャラクターにも注目。米版ではメレンデス先生と理事長が恋仲ですが、これは日本版でも同じです。しかし、同僚と寝たり、カジュアルな恋愛を求めたりするクレアに関しては、上野樹里演じる瀬戸夏美が同じ立ち位置として登場しますが、そういった奔放さはありません。
『グッド・ドクター 名医の条件』ディーライフで無料放送開始!
さて、本国ではすでにシーズン2まで放送されている『グッド・ドクター 名医の条件』。映画・ドラマの批評サイトとして知られている「ロッテントマト」では驚異の98%という高い評価を受けた本ドラマのシーズン1が、なんと無料BS放送のDlife(ディーライフ)でシーズン1が無料で放送されます! 放送開始は2019年1月19日(土)、毎週土曜に放送予定です。医療ドラマに慣れていなくても、ハマる事間違いなし。人と“違う”主人公から、背中を押されてみませんか? 『グッド・ドクター 名医の条件』シーズン1(全18話) 1月19日(土)放送スタート 吹替版…毎週土曜22:00~23:00 字幕版…毎週土曜27:24~28:10