青春群像

青春群像

作品情報

原題 I Vitelloni
製作年 1953年
日本劇場公開日 1959年5月30日
製作国 イタリア・フランス

新着感想・ネタバレ

s_p_n_minacoの感想・評価
フェリーニ初期の青春映画。これが驚くほど普遍的な若者像で、無職で暇を持て余した男4人の若さとその終わりが苦く儚い。女癖の悪いまま結婚してしまった伊達男ファウストを中心に、劇作家を夢見るレオポルド、ファウストの不実に苦しむ妹を案じるモラルドらがつるむしかない田舎の単調な日々。女たちは振り回され、男親たちはバカ息子を支配しようとし、若い男共はカーニバルが終わっても未来を先延ばしする。冬の海辺でぼんやりするだけの4人は、時代や場所が違ってもそのまましっくりくる画だ。やがて大人にならざるを得なくなる4人だが、仲間との別れと旅立ちは希望ではなく感傷的な余韻が残る。故郷を舞台にフェリーニ自身の青春時代を投影してるせいか。イタリア男の甘えとロマンは紙一重。
フェリーニらしい芸術性は、カーニバルの後取り残された不安や、子供との会話など寄る辺ない若者の心理描写演出の方に見所がある。そして旅立つ者の視点でカットバックする場面の非凡さ。やっぱすげえ。
____RiN____の感想・評価
50年代のイタリア映画の、なんと現代的なことか。肉親や女の金を頼りに所在なさげに生きるいい歳した男たちを描く群像劇。タバコを吸っても、酒を飲んでも、大きな声で笑い社会を憂いても、女々しい男だと仲間を嘲ることも、どこまでも情けなく頼りなく薄っぺらいその姿は、反面教師にはぴったりです。とは言っても、人間そういうクソの役にも立たない時期もあるわけで、そんなことで死ぬのもバカバカしいという渇いたところは救われる気がします。
それにしてもイタリア映画の女たちのなんと美しく哀しいことでしょう。働きもので、情が深く、懸命に破滅的な愛を守るその姿は、おそらくはイタリア男たちの理想でしょうが、聖母マリアを想起させます。
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