ミルコのひかり

ミルコのひかり

作品情報

新着感想・ネタバレ

HMworldtravellerの感想・評価
盲目ながらイタリア映画界屈指のサウンド・デザイナー(音響技師)として活躍するミルコ・メンカッチ氏の少年時代の話。

10歳の時に事故で視力を失い、全寮制の盲学校に入ったミルコはそれまでと違う日々に馴染めずにいたが、ある日テープレコーダーを手にして音の世界に関心を持つようになる・・・。

ミルコ達の作り出す音の世界が工夫に溢れていて素晴らしくて、音の物語に浸りたい気持ちになった。もともと映画好きな少年だったようで天賦の才があったのだと思うけれど、視力を失ったことで聴覚がより研ぎ澄まされたというのもあったのかもしれない。ヘレンケラーの話で『五感のうちの二つを失った分、残された感覚 特に嗅覚がずば抜けて優れていた』というのを読んだ記憶がありますが、何かを失うと何かで補おうとする力が人にはあるのだと思う。

ミルコの才能に早くから気付いてその芽を伸ばしてあげたいとサポートするジュリオ神父や生まれつきの全盲のフェリーチェ少年など、周りの人もミルコが前に進む力になっていたんだろう。厳格な規律で少年達を縛ろうとする校長も悪人というわけではなく、彼は彼なりのやり方で少年達の将来を考えていただけ。誰もがミルコのように才能に気付いて開花させられるわけじゃないと思うし、校長の言うことも現実的で確実な手段の1つとして決して無意味ではないとも思った。

劇中、素敵な言葉が幾つかある。一番好きな言葉は 『青は、自転車を飛ばした時に顔にあたる風の色』
igagurichanの感想・評価
現在のイタリア映画界で活躍する盲目のサウンド・デザイナー、ミルコ・メンカッチ氏の少年時代の体験をもとにした物語。
不慮の事故で視力を失ってしまった少年ミルコは全寮制の盲学校へ行くことになります。絶望から光を見出したミルコは無限の想像力で人生を切り開きます。子供達は身体全体を研ぎ澄まして「音」を感じ取っていて生き生きと明るく、そんな彼らの触れ合いが微笑ましく柔らかい。ユーモラスな場面も、ハラハラする場面もあり、とても楽しくクライマックスに向かって大きな感動を呼びます。ものすごく泣けるのは悲しいからではなく彼らの強さと生きる力の美しさが胸を打つから。
オーディションで選ばれた晴眼者、視覚障害者の子供達が演技を超えた表現力で素晴らしいです。当たり前になっていることの大切さを思い出させてくれる宝物のような作品。 
映画が好きな人はきっと心に響くはず。ニューシネマ・パラダイスを観た時の感覚を思い出しました。多くの人に観てもらいたいです!ぜひ!
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