BIUTIFUL ビューティフル (2010)

BIUTIFUL ビューティフル (2010)

作品情報

原題 BIUTIFUL
製作年 2010年
日本劇場公開日 2011年6月25日
製作国 メキシコ・スペイン
ジャンル ドラマ・恋愛

新着感想・ネタバレ

igagurichanの感想・評価
重い。空気感に漂う重さに息苦しくなるけど、映像、効果音、音楽と好みの作品だった。
舞台はスペイン・バルセロナ。主人公はまだ幼い子ども二人を抱えたシングルファザー。別れた妻は精神の病を患っている。
経済的にキツい暮らし。移民達を違法に取り仕切る裏稼業にも手を染めている

そんな彼が余命二ヶ月の宣告を受ける。

あとたった二ヶ月で何が出来るのだろうか。いったい愛する者に何を遺せるのだろうか。
彼は死者の声が聞こえると言う特殊能力を持っているが、そんな「死」の影に近い彼でも死ぬのはやはり恐ろしい。

焦れば焦るほど物事は悪い方に転がって行く。
彼は貧困と言う負の連鎖を受け継ぎ生きてきて、不器用で教養もなく、行いからして良い人間とは言えないが「人に手をさしのべる」という信念は持っている。それは彼がもって産まれたものだ。

死ぬまでに出来ることって何だろう。
いつもの日常を過ごす。
日々の空の美しさ。
飛ぶ鳥の行方。
愛する者を見守る。
「どうか幸せで」そんな事しか思えないのかなと思う。
それは「BIUTIFUL」だ。
mazda620の感想・評価
すごく生き苦しい。
登場する人物はみんな人として大きく何かがかけている。
間違った歩み方をしていたりするし、やり方がきたないなって思うし、終始お金の話がでてくる。
それでも誰のことも悪いとは思えなかった。もちろん法的に常識的に考えれば悪いことだらけなんだけど、そういうことではなくって。みんな大切な人のために必死になって考えたその人の人間性を誰も否定なんてできないでしょう。
148分の中で物語は解決しなかった。この中に出てきた人物のこの先はどうなるんだろう?っていう疑問ばかりが残った。でもそれは、この中で生きていた彼等はこの先も、どんなに生き苦しくてもきっと生き続けていくから、だから148分なんかで安易に解決できない。
正直、世界中の人全員に想いやりを向けるなんて言葉じゃ簡単に言えるかもしれないけど、そこまで目を向けてあげられない。自分の身の回りのことだけで、すでに世界中みたいな大きさで、それだけでいっぱいいっぱいなんだよね。想いやったところですごく中途半端になることなんかわかってるから。
でもその男は、手から溢れるほど抱えるものがありながら、それでも誰かに手を差し伸べる。その差し伸べた手は器用じゃないから言ってしまえば全て中途半端な救いだったかもしれない。子供の頃親と過ごさなかった彼はきっと、もっと愛をうけたかったんだと思う。自分がしてほしいことは人にやる。みんなが間違ってるのわかっ...
southpumpkinの感想・評価
死者の声が聞こえる男は貧しく、精神的に脆い妻、二人の子供、危ない仕事など問題山積み。加えて癌の宣告で泣きっ面に蜂というわけです。
beautifulではなくbiutifulなのは劇中で主人公が子どもに綴りを聞かれて間違ったものを教えてしまう、というもの。他の方のレビューにありますが、正しい「美しさ」ではないけど、間違ってはいるが「美しさ」に読める、というグッとくるメタファーになっています。生きるのが非常に下手な男が、それでも子供達に伝えようとしたものは正しい美しさではありませんが、それでも子供達は美しいと感じるのでしょう。それは主人公の父に習ったものなのかもしれない。
映画のラストはあえて曖昧にしています。鑑賞した人にだけわかるように書きますが、「本当に帰ってきたか否か」です。物語的には「帰ってきていない(幻想)」なのですが、光を見出すような映画なので「帰ってきていてほしい」という願いを込めたいと思います。
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