フォックスキャッチャー
フォックスキャッチャー
Foxcatcher
2014年製作 アメリカ 135分 2015年2月14日上映
rating 3.5 3.5
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『フォックスキャッチャー』のsouthpumpkinの感想・評価・ネタバレ

southpumpkin
southpumpkin 4 2017年12月7日

レスリングの才能に秀でた男マークの元にお金持ちジョンから「自分のチームに参加しないか」と誘われる。同じく才能あるレスラーの兄デイヴも誘うが断られ、一人で行くことになる。 マークとジョンの心情を読み取ることが容易ではありません。特にジョンは演出上、わざと読み取らせないようにしていると思います。彼がなぜ兄弟とレスリングに固執するのか、映画が進むとともに徐々に明らかになりますが、明確ではなくぼんやりとする。金と権力を持ち、彼の言葉一つでレスリング人生すら終わりかねない、そんなスリリングな展開が持続します。その中でこれまた心情の読みづらい弟が絡み、映画は奥行きを持ちます。画面色も抑えられており(この色『ゴーン・ガール』ぽくないですか?)非常に異質な印象を与えます。そんな映画の題材がスポーツ。栄光と挫折、というよくあるスポーツドラマの展開ですが、演出一つで全く違う映画に見えます。スポーツの精神性に真っ向から立ち向かうという意味では『セッション』と似た映画かもしれません。『セッション』は真っ赤に燃えていましたが、対して本作は薄暗く冷えています。 チャニング・テイタムもマーク・ラファロも大変な好演ですが、スティーブ・カレルの不気味さは異常。全くフィクションの感触がない、完全な狂気に囚われた男を、コメディで名を成した俳優が演じる。この配役を思いついた人がこの映画で一番の功績です。どんな発想力を持ってしたらこの役にスティーブ・カレルに決めようと思いつくのでしょうか。