
『奪還者』のスタッフ・キャスト
『奪還者』の感想・評価・ネタバレ
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荒廃したオーストリア。車を奪われた男が、奪った強盗の弟と共に車を取り返しに向かうロードムービー。 『マッドマックス』の熱量をそっくり奪って異様なほどの冷たい映像で展開される。常に高い水準に緊張感が置かれ、一触即発の爆弾が時々爆発したりするもんだからとても楽しい。「男はなぜ車を追うのか」という謎も映画への集中を維持させるためか、最後まで明かされずついつい見入ってしまいます。荒廃した世界の中で垣間見る人間らしい愛にほっこりとしたりします。ガイピアーズは相変わらずの仏頂面で、こちらもマッドマックスと比較できます。 邦題とポスターが本来好まれるべき客層に刺さってません。A24初期の配給なので、この辺りが好きな人が見るべきです。
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静かなマッドマックス。狂気と正気とがくるくる入れ替わることで、何かをあぶり出そうとする感じ。あとサントラがノイジーでかっこいいのもグッド。
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簡潔に言えば、ヒャッハーなしMADMAX〜怒りのデスロード〜。世紀末物。 ヒャッハーがなけりゃ魅力がないだろ?って思われるかもしれないが伝えたいのはそういうことではない。世界が経済破綻した10年後の世界で、主人公が自分の車を盗まれ、取り返すまで追い続けていくという話。で、上で言ってるのはどういうことかと言うと、本当にこの映画の中では狂気が満ちているというか、常軌を逸する者ばかりが登場する。薬をキメていてテンションが高いような狂ってる人々ではなく、静かで冷静だからこそより怖かった。魅力としてはうまく表現できないが、セリフではなく、映像で内容を理解させる感じ、作中ほぼずっと続く緊張感が良かった。 良い拾い物したわぁと思える映画だった。 MADMAX〜怒りのデスロード〜のヒャッハーは好きだったが作品全体としては、言うほど好きになれなかった。今作は自分の好みのジャンルではないのになぜだかすごい楽しめた。
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