
『許されざる者 (1992)』の感想・評価・ネタバレ
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[LOGAN]がこの映画のオマージュだって言うからチェックしてみた。 世界観はたしかに西部劇感も相まって近い。 ただ映画で伝えたいテーマは少し変わってきてるのかなって思った。 この映画は奥さんを持つことで殺しから身を引いた元殺し屋の話。 子どものためにお金が必要で、11年ぶりに賞金稼ぎに殺しをすることになる。 奥さんのために酒も殺しも辞めたビル。 かつての相棒ネッドが誘う酒も頑なに拒む。 彼は最終的に殺しをするわけだが、それは奥さんへの冒涜とは違う形だった。 殺し屋として殺すのではなく、人のために殺す。 子どもの生活費のために賞金稼ぎをし、ネッドの敵討ちのために飲み屋に乗り込む。 ネッドが殺された経緯を聞いて酒を飲んだ瞬間に鳥肌が立ったね。 藤原竜也のカメレオン的な恐ろしさがあった。 キッドを見れば殺しという行為自体非常に精神的にも困難が伴うことが分かる。 人を殺せる、というのはビルが持つ圧倒的スキルなのだ。 それを今まで押し隠してたが、使う必要が出て解き放った。 正しい理由を持ってかどうかは自分には明言できないが、彼の正義に則って殺しをした。 そして「娼婦を人間のように扱え」と言い残して町を去る。 LOGANと違って死なないんだと思ったけど、この捨て台詞は彼が生きてこそ住民の心に残る。 保安官に支配されていた町に「気付き」を与えたんだ。 一人でできることは非常に少なくても、きっかけなら与えられる。 そのために自分ができることを正しい方法で行使していくことの重要さを押し出した作品だった。 西部劇の銃撃戦は派手で良いね。
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監督であり名優のクリントイーストウッド。渋い演技に魅せられるしモーガンフリーマンも同じく光を放つのでそれが混じり合って映画全体の色が滲み出る。カメラアングルも良いし名作は語り継がれる。
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殺し屋
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初めての西部劇 オーソドックスな西部劇ではないみたいだけど凄くよかった さすがクリントイーストウッド
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記録用
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暴力に溺れ暴力から逃れることができないガンマンが賞金稼ぎにとある街にやってくる、という西部劇のテンプレートをなぞった作品でありながら、随所に意味深長なシーンを挟んで実に味わい深くしたクリント・イーストウッドの傑作でした。久々に難解な映画を鑑賞したので独自に解釈を進めたいと思います。 脇役として登場した小説家にこの作品を読み解くヒントがあるのだと感じました。この作品には「伝説」の歪みに対する皮肉が込められていると思います。登場するガンマンの多くは登場してすぐこそ各々に名の知れたガンマンであることを仄めかします。キッドもネッドもボブも保安官も、そしてイーストウッド演じるマニーもです。当然今までの西部劇であれば腕利きのガンマンたちが打ちあう絵を想像するのですが、そうならないのが本作。キッドは近視だし、ネッドは年老いてもうダメ、ボブは嘘つきだし、保安官もマニーを目の前にして何もできない。現実には「西部劇」ほど甘くなく本人や他人の誇張により伝説化されてしまうのです。その伝説を語り、「西部劇」を作るのが小説家の役目なのです。マニーは確かにラストシーンで激しい銃撃戦を制しました。しかしそれは親友であるネッドを殺されたことによる復讐なのです。悪はマニーにあり、保安官は善であったのです。しかし、マニーの行いは小説家によって「憎き保安官を殺したヒーローである」とされ「西部劇」になるのです。つまりこの作品は西部劇でありながら「西部劇」の存在を考え直す、言わば”脱構築”をしているのではないでしょうか。ここまでくれば本作が「最後の西部劇」と言われる所以に辿りつくと感じました。「許されざる者」とは小説家であり、大衆なのではないか…! 以上適当なことを書きました。この傑作の解釈は自身の目で確かめた方がいいかもしれません。 とても気に入った作品になりました。勇気を持って星5にしたいと思います。 20200122追記 一人のガンマンに連れられてやってきた小説家。彼が語り部となりヒーローたちの伝説が語り継がれる。そこにはいくつかの誇張が込められている。ヒーローたちの伝説は、媒介を通じて、我々の元へ届いていく。この媒介は小説家であり、映画そのものである。イーストウッドのような伝説のガンマンはこの世には存在しない。あるのは権力者とそれによる暴力だ。しかしくるはずもないヒーローの存在を信じてみてもいい、信じる価値がある。現実と虚構の間にあるヒーローが、その間を抜群のバランス感覚で潜り抜ける。
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クリントイーストウッドがかっこいいねー
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記録用
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善悪とは何なのか。
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許されることとは?
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監督 クリント・イーストウッド 脚本 デイヴィッド・ウェッブ・ピープルズ 1992年公開 これぞ映画という感じのストーリーと動線。
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暴力の虚しさとと暴力のなかでしか生きられない男の悲哀を描く。イーストウッドのひとつの到達点であるがグラントリノという傑作を産み出してしまったために私のなかでは若干印象は薄い。
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TSUTAYAでレンタル 順序逆だが日本のリメイク版を先に観ていたのでストーリーはだいたい把握していた それもあってか若干長く感じられた そんなとこまで似せてるの!?ってぐらいリメイクされていたことに驚いた イーストウッドが酒をあびるシーンがイイ!
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2014年9月16日 自宅
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西部劇は苦手かな
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西部劇を破壊したと言われるクリント・イーストウッドの名作です。クリント・イーストウッドは、勧善懲悪じゃない現実を描くのが本当にうまいな~って思える作品です。
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誰が一番「許されざる者」か? …全員かな?
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クリント・イーストウッドいい味だしてます。無法者で向こう見ずだった過去の若い自分と確固たる目的をもって人を殺める現在の老いた自分。真の正義とは何なのか。恐らく彼は地獄に落ちるのだろうが、過去に犯した過ちは償うことができたのではないだろうか。
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リアリティのあるアクションシーンと岩場のシーンでのカメラアングルが最高すぎる
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私が何より興味をもったのは保安官。 別に彼はそこまで悪い事をしていない。普段は趣味で家建てちゃうようなおっさんだし、カウボーイ2人に罰は与えてるし、娼婦をなじるわけでもなく、ルールを破って銃を隠しもってる人を裁くのは悪い事じゃない。むしろ街のためを思ってる。 でもその正義が暴走する。 正義を振りかざす悪より悪いものはない。 そして何より彼は自分が悪って事にも気付いていない。それが1番の罪。 なぜ自分がこんな最期を?お前が1番の悪党だ。 逆にウィルは自分の罪を認めている。そして自分を責めて傷つついている。しかし、それでも子供と友のために悪になる覚悟ができる強さをもっている。 イギリス人と対比されてたけど、保安官との対比のが強かった気がする。 ネッドが弱かったのはその覚悟を支えるものがなかったからではないだろうか。つまり子供、それと愛。 キッドは若者の過ちと成長の象徴。 罪を背負う事の重さを感じさせるための役。 奥さんがどうしてウィルと結婚したのか。 多分私が側にいなきゃと思ったんだろうね、駄目男の優しくて弱い一面でも見てしまったのじゃないだろうか。 駄目男に惚れる良い女ってそういうものじゃないですか笑 イーストウッドが渋くてたまらない!ダークヒーロー! 西部劇あまり観ないけど良い作品でした。 リメイク版どうなるかな。