2019年1月5日更新

『ロッキー4/炎の友情』への見事なアンサーに泣く『クリード 炎の宿敵』

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クリード2
© 2018METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

新しい風を取り込み完全復活した「ロッキー」シリーズ

男の教科書ことシルベスター・スタローンが、不屈の闘志で戦うボクサー、ロッキー・バルボアを演じた傑作胸アツムービー「ロッキー」シリーズ。 計6作まで作られた同シリーズは、2015年に、ロッキーのライバルで最大の友であったアポロ・クリードの息子アドニスを主役に迎え、「クリード」シリーズとして再始動する。その内容は鑑賞後に歩行困難になるレベルでボロ泣きするほど凄まじい熱量を持つもので、まさにシリーズ完全復活であった。 そして私、人間食べ食べカエルが今回紹介する『クリード 炎の宿敵』は、前作でボクサーとして生きることを決めたアドニスのその後を描いており、本作もまた前作を上回るほどの熱量を持っている。その魅力を解説する前に、まずは簡単にあらすじを紹介しよう。

『クリード 炎の宿敵』のあらすじ

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ロッキー(シルベスター・スタローン)のセコンドのおかげで、世界チャンピオンにまで上り詰めたアドニス(マイケル・B・ジョーダン)は、かつて自らの父を葬ったイワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)の息子ヴィクターと対戦することに。 しかし、その圧倒的なパワーの前に手も足も出ずに沈められてしまう。幸い、イワンの反則のおかげで何とかチャンプの座は守られるが、アドニス自身は大けがを負い、更に納得のいく勝利が納められなかったことで精神的にも追い詰められていく……。

『ロッキー4/炎の友情』を継ぐ熱いストーリー

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あらすじを読んで分かる通り、本作は『ロッキー4/炎の友情』からの流れを色濃く反映した作品となっている(同作を意識した邦題もナイスだ)。 一応「ロッキー4」をめちゃくちゃザックリ説明しておくと、ソ連の最強ボクサー イワン・ドラゴがアメリカに乗り込んでロッキーに宣戦布告。それに対してアポロ・クリードが名乗りを上げドラゴに戦いを挑む。しかしドラゴは人外レベルに強く、アポロは惨敗。しかも苛烈な攻撃を受けたことで命までも失ってしまう。その後、怒りに燃えたロッキーがドラゴの故郷であるソ連に乗り込み極寒の超絶ハード修行で極限まで鍛え上げて戦いに挑み、激戦の果てに見事ロッキーが勝利を果たす、という内容だ。 そして本作『クリード 炎の宿敵』では「ロッキー4」から30年後、見事チャンピオンとなったアドニスのもとに、なんとドラゴとその息子が現れる。前述の内容から分かる通り、アドニスにとっては父の仇であり、バリバリに因縁がある相手。対して、ドラゴも「ロッキー4」でロッキーに負けてからは奥さんに捨てられ、息子と共に惨めな人生を歩んできた。ドラゴ親子としてもロッキー側には言葉にできないほどの恨みがある。 世代を超えた因縁を晴らすため、互いに死んでも負けられない状況で真正面からぶつかり合うという、あまりにもアツすぎる展開。もうこの設定を考え付いた時点で勝利確定と言って良いだろう。

見る者すらも虎の目にさせる不屈の闘志

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「ロッキー」シリーズといえば不屈の闘志、ネバーギブアップ精神である。たとえ相手に打ち負けても、最後まで勝利を得るという執念を貫いていくのがシリーズ最大の持ち味だ。 本作でもそのテーマがしっかりと受け継がれている。また、試合の勝ち負けだけではなく、アドニスを始めとするメインキャラの人生そのものに対しても同様にこのテーマが貫かれる。 アドニスは精神的に追い詰められる中で恋人と子供と始まる新たな生活、ロッキーはもう会えないと自ら疎遠になっていた息子と向き合う事、ドラゴ親子はこれまで送ってきた辛い日々との決別に向けて。三者三様のネバーギブアップ精神が、本作最大の見どころである試合とリンクして、見事なドラマへと昇華していく展開は凄まじく燃える。

世代を超えた男たちのドラマに泣く

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ロッキーとアドニスの疑似親子&師弟関係の描写も相変わらず素晴らしい。 ロッキーはセコンドとしてだけでなく、人生の師として、アドニスを全力で支えていく。逆に彼もアドニスの行動を見て自身を省みる。決して一方通行ではない彼らの関係性に、今回もグッとさせられる。 しかし今回、メインのロッキー&アドニス以上に、ドラゴ親子に泣かされてしまった。ドラゴは、ロッキーへの敗北がそのままその後の人生に影響し、息子ヴィクターにも辛い思いをさせてしまった。自分はもうボクシングで成り上がることが出来ないが、息子を鍛えてボクシングのチャンプにすることで地獄の生活から抜け出したい、抜け出させてやりたいという固い決意がある。 対して息子も父親の意をくみ取るかのように、徹底したスパルタトレーニングで己を鍛え上げ貪欲に勝利を欲していく。チャンピオンの座を目指し、再び母国からアメリカに乗り込む彼らの覚悟がひしひしと伝わってくる。特にイワンを演じたドルフ・ラングレンは、数少ないセリフの中、表情と背中でドラゴの思いを見事に体現しており、その熟練した演技力に涙を誘われる。終盤のドラゴ親子の姿は、見る者の涙腺を核弾頭でブチ抜く!

全世代ノックアウト!灼熱の感動でこの冬を乗り越えろ!!

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アポロの息子と、ドラゴの息子。世代を超えて再び人生とプライドを賭けてぶつかり合う男たち、そしてそれを支え見守る人々のドラマに今回も鑑賞後歩行困難必至。 「ロッキー」シリーズを追いかけてきた人は勿論、前作『クリード チャンプを継ぐ男』に打ちのめされた人は、是非ともこの結末を見届けてほしい。例えシリーズを未履修だとしても、彼らが見せる熱い戦いに血が滾ること請け合いだ。この冬は『クリード 炎の宿敵』の熱さで身を焦がして乗り切ろう。

提供:ワーナー ブラザース ジャパン合同会社