勇気と絆の感動作!『ゴリラのアイヴァン』が伝える大切なメッセージとは
【ciatr編集部レビュー】『ゴリラのアイヴァン』が私たちに教えてくれる大切なこと
実話をもとにしたベストセラー小説を原作に制作された映画『ゴリラのアイヴァン』が、9月11日からディズニープラスで配信開始となりました。 原作に惚れ込んだアンジェリーナ・ジョリーが制作と出演を務めた、勇気と絆の感動作。ciatr編集部のレビューをお届けします。
『ゴリラのアイヴァン』のあらすじ
アイヴァンは郊外のショッピングモール内にあるサーカスで暮らすゴリラ。隣の檻に住むゾウのステラや野良犬のボブなど、仲間たちと楽しく暮らしています。彼はサーカスを運営するマックにわが子のように育てられ、スターとして日々舞台に上がっていました。 しかしモールは経営難に陥り、マックは打開策として赤ちゃんゾウのルビーを迎え入れます。彼女との交流で、ほとんど忘れかけていた大自然(ふるさと)に思いを馳せるようになったアイヴァン。そして彼は親友ステラとの約束を果たすため、仲間たちと行動を起こすのでした。
違和感ゼロ!ハイレベルなCGで表現された動物たち
本作の見どころの1つは、なんといってもCGで表現された動物たちと人間の共演です。モーションキャプチャーなどを用いたその映像は、リアルで全く違和感がありません。本当にその場に人間のキャストと動物が一緒にいるように見えるのです。 配信開始に先立って行われたオンライン会見で、ジョージ役のレイモン・ロドリゲスは、撮影時にはモーションキャプチャでアイヴァンやルビーなどの動きを演じた役者たちの存在にとても助けられたと語りました。 実際に人が演技していることもあり、人間が動物たちと目線を合わせたり話しかけたりするシーンはとても自然。その表情の豊かさにも、この動物たちがCGだということを忘れて見入ってしまうでしょう。
豪華俳優陣が動物たちのキャラクターを声だけで表現!
本作で主人公のゴリラのアイヴァンを演じるのは、2017年の映画『スリー・ビルボード』でアカデミー賞助演男優賞に輝いたサム・ロックウェル。彼はサーカスのスターとして生きてきたアイヴァン、そして新たな居場所を見つけ出そうとする彼の葛藤を声だけで見事に演じています。 また、アンジェリーナ・ジョリーは年老いたゾウのステラをゆったりした口調で演じ、アイヴァンにとって、そしてルビーにとって大切な存在である彼女の優しい魅力を引き出しました。ダニー・デヴィート演じるボブも、食べるものに困ることはあっても自由な野良犬の魅力、そして彼の人懐っこさを表現する素晴らしい演技を見せて(聞かせて)くれます。 初めて観る人は、是非字幕版で楽しんでほしい作品です!
アイヴァンの踏み出した一歩。自分の本当の居場所とは?
ルビーがやってくるまで、アイヴァンは「サーカス」に自分の居場所を見出していました。そこの看板スターであることが、彼のアイデンティティになっていたのです。しかしルビーと話すうち、アイヴァンはほかのゴリラたちとともに自然のなかで生きていたころを思い出します。 サーカスや親代わりのマックにもちろん愛着がありましたが、アイヴァンは自分の「本当の居場所」に戻るため、新たな一歩を踏み出すことを決意したのです。 人間である私たちにも、自分が自分らしくのびのびと生きられる「本当の居場所」が必要なのではないでしょうか。 今いる場所で自分にできることを精一杯こなすのも素晴らしいことですが、本当の意味で「生きる」ためには、そこが自分にとって「本当の居場所」なのかを見極める必要があります。そしてもしアイヴァンのように、ほかの場所で生きたいと望むのなら勇気を出して行動するしかありません。
変化を起こすための行動、行動を起こすための勇気
『ゴリラのアイヴァン』が教えてくれる大切なことのひとつは「変化を起こすためには、自分から行動する必要がある」ということです。アイヴァンの行動は後にジュリアの行動を促し、彼らの願いを叶えることにつながっていきます。アイヴァンやルビーを救う変化は、彼自身の行動なしには起こらなかったでしょう。 いま世界ではさまざまな問題が起こっていますが、変化を起こすためにはまず行動をすることが必要だと「アイヴァン」は教えてくれるのです。 またアイヴァンは、まだ小さなルビーを守るのは自分だという思いと、親友ボブからの励ましがあって行動を起こす勇気を出すことができました。 行動を起こすには勇気が必要です。しかし実は、それは自分以外の誰かのためだったり、ほかの誰かからの励ましがなければ出てこないものなのかもしれません。この映画でアイヴァンが勇気を持って行動を起こす様子は、まるで私たちを励ましているかのよう。普段から「このようになりたい」「これをやりたい」と思っていることに、私たちが一歩踏み出す助けとなるかもしれません。
映画版で掘り下げられたアイヴァンとマックの絆
原作となった『世界一幸せなゴリラ、イバン』は、実話をもとにした小説です。アイヴァンの一人称で語られる原作のストーリーは、映画のエンドロールで紹介されているとおり、動物愛護を強く訴えるものになっています。 一方で映画版のひとつの大きな柱になっているのは、アイヴァンとマックの絆の物語。マックはアイヴァンをわが子のように育て、ともに生きてきました。サーカスで生計を立てる彼にとって、アイヴァンは「息子」であり「相棒」。アイヴァンと別れることは、彼にとってもつらいことだったでしょう。それでもマックは、アイヴァンのために正しい選択をしようと努力しました。 脚本のマイク・ホワイトは、原作本でもマックのキャラクターはしっかり描かれていたものの、アイヴァンにも古典的なディズニーらしい展開を与えたかったと話しています。子供を思う親のようなマックの思いに、胸が熱くなります。
コロナ禍の私たちにも通じる?閉じ込められたアイヴァンの行動や想い
日本でも緊急事態宣言下で外出自粛が要請されていたように、今回のコロナ禍で多くの国ではロックダウンを実施し、人々は家に閉じこもって生活をせざるを得なくなりました。この状況は、檻に閉じ込められて暮らしていたアイヴァンと重なるところがありそうですね。 本作のオンライン会見では、ブライアン・クランストンがサワードウ(パン)を作ったり、ダニー・デヴィートが自宅の庭に鳥のエサ箱を吊るしたりと、キャストたちがロックダウン中にはじめた新たな趣味について語っていました。日本でも、多くの人が「おうち時間」でできるインドアな趣味を見つけたかもしれません。 また会見でダニー・デヴィートは、「こういうパンデミックの中ではとくに、普段親しくしている友人や家族とつながりたくなるよね。」とコメント。アイヴァンがふるさとの大自然、そして自由への思いを込めて絵を描いたように、ひとりでいると余計に家族や親しい友人に会いたい気持ちが大きくなるのではないでしょうか。
『ゴリラのアイヴァン』を今すぐ観るなら、ディズニープラスで!
実話をもとにしたベストセラーをベースに、現代を生きる私たちに大切なことを訴えかけてくる『ゴリラのアイヴァン』。行動を起こす勇気と仲間の大切さ、そして相手を思いやる気持ちを教えてくれる本作は、家族で観るのもおすすめです。 美しい映像と豪華キャストの演技にも注目の勇気と感動の物語。9月11日からディズニープラスで配信中なので、ぜひ自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか?
豪華キャストが集結!オンライン会見の様子は、こちらの記事でチェック
提供:ディズニープラス