生きる

生きる

日本 1952年上映
rating 4.1 4.1
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『生きる』のスタッフ・キャスト

『生きる』の感想・評価・ネタバレ

  • southpumpkin
    southpumpkin 4 6月3日

    何もせずに判子を押すだけの市民課長は胃癌を告げられ、思い悩む。 人は何に生きるか、という問いかけに力強く答えているのがこの映画。私もも観るタイミングによってはこの映画がオールタイムベストになっていたかもしれない。何に生きるかを見失った男は、酒場で会った男に誘われて散財をしてみる。しかし全く上手に遊ぶことができない。次に男は、会社の女の子と遊ぶようになる。ここでは恋愛とはいかぬ若さへの憧れを覗かせる。しかしその憧れだけで生きていくことはできない。老いを忘れることはできないのだ。レストランのシーンは衝撃的だった。誕生日を迎えた見知らぬ女の子が2階の友達たちに迎えられて階段を上がるのと入れ替わりに、死期迫る男は階段を降りていく。この対比である。そして男は仕事の中に生きがいを見つける。 黒澤明は繰り返し仕事人の映画を描いてきたが、ここでもその仕事こそ生きることであるとも読み取れる映画を撮っている。こういった人間のバイタリティが戦後日本の高度経済成長を支えたのは間違いがない。現代では家庭での成功も同じくらいあるいは仕事に勝るほど優先されるべきという考えなので、より若い感性を持った人には理解できないのかもしれない。

  • wakamewatts
    wakamewatts 0 2016年10月3日

    午前十時の映画祭7の上映企画の邦画だ。今騒がれている東京都庁の  築地市場の移転問題や、東京五輪問題のように、典型的な無責任体制  を先取りしたような映画だった。市役所の市民課課長が主役の物語なのだか事なかれ主義で蔓延している役所の空気。市民の苦情を役所の担当課をたらい回しにする実態。しかし、この課長が癌を患ったため余命を気にして落ち込んだ挙句、決意したのがやる気だった。(#16- 132)

  • mince

    文字通り判で押したような毎日を送る初老の小役人。体調不調に余命を悟りこれまでの死んだような人生を省み取り乱す。自殺もできず行き着いた場末で黒衣の男に出会い街で享楽を尽す「生きる」西宮3。生きる本質を無意識に知る者幸あれ。人生を取り返そうとみっともなく足掻く姿が自分にしか見えない。2016年9月21日 エヴァンゲリオンの「おめでとう」はこっから来たんだなきっと。作品中よく出てくる各建物の階段で様々なことを説明する映画な演出。あの喫茶店のシーンが素晴らしくよかった。脳内がパーッとするような感覚。この時黒澤明42歳。心と、それを納める若さと体力のバランスが良くも悪くも絶妙な時だからこそ出来た作品では。映画館で観られたのは本当にラッキーだった。

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