ブッダ・マウンテン 希望と祈りの旅

観音山
中国
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「ブッダ・マウンテン 希望と祈りの旅」のスタッフ・キャスト

「ブッダ・マウンテン 希望と祈りの旅」の感想・評価・ネタバレ

  • changpian
    changpian 4 2013年3月18日

     2010年に東京国際映画祭で上映され2部門受賞、中国では2011年に公開された映画。大阪アジアン映画祭@シネ・ヌーヴォで鑑賞。  李玉監督の前作『ロスト・イン・北京』は傑作だった。直接北京のモニュメントや大事件を描いているわけではないのに、大都会北京で暮らす人々の焦燥感などの社会の雰囲気が伝わってくる映画だ。一方、この『ブッダ・マウンテン』は成都を中心とする四川省が舞台。だが(私自身も成都には1996年以来行っていないこともあるが)成都という街の雰囲気がいま一つリアルに感じられなかった気がする。その大きな理由は、主人公たちが話す言語だろう。若者三人組(成都出身が二人と、四川の田舎出身が一人とされている)と張艾嘉演じる初老の女性は、みな四川訛りのない普通話を話していて、架空の都市のように感じられてしまうのだ。 また、挿入される現実の災害や社会問題(再開発と立ち退き)も、ややテーマを中途半端なものにしてしまっている気がする。  人は悲しみや苦悩をどう受け止め生きていくのか。それがこの映画のテーマだろう。息子を事故で失った初老の意固地な女性をシルビア・チャン張艾嘉が演じる。言うまでもなく映画監督としてのキャリアも長い彼女だが、出演作としては2006年以来。日本で見ている人は少ないだろうが、70年代初頭の初期ゴールデン・ハーベストでデビューした彼女の可憐な姿をDVD等で見ている者としては、感慨深い。  台湾出身で香港で活躍した彼女に加え、台湾からチェン・ボーリン陳柏霖も出演している。そういえば彼は張艾嘉監督主演の『20 30 40』にも出演していた。  そしてこの映画の主役はなんといっても范冰冰。バーの歌手姿で登場し、デブッチョをかばいビール瓶を自らの頭に叩きつける姿など、前作同様体当たり演技が炸裂。本物ではないだろうが白酒を何本も一気する姿も。前半のスピード感は彼女の身体が生み出していたと言っても過言ではないだろう。  范冰冰が張艾嘉のベッドで彼女に泣きつく姿も印象的。都会の孤独感と同時に、女性同士の連帯というテーマも李玉監督の映画に一貫しているように思われる。

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