BL漫画『蛍火艶夜』全話ネタバレ感想！話題の広告漫画をの結末まで無料で読む方法を調査【雨瀬シオリ】

終戦間際の日本。特攻隊の少年と、少年を写真に収め続けたカメラマンの秘めた関係を描いた作品『蛍火艶夜』。『ここは今から倫理です』などのヒット作を生み出してきた雨瀬シオリの商業BL初登場作品です。 本記事ではこの作品をお得に読む方法やあらすじ、感想など徹底的に紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1945年、3月。カメラマンの淀野(よどの)は、特攻隊員の少年たちを撮影するために徳島を訪れていました。若者たちの戦意高揚のため、「かっこいい特攻隊員たち」をカメラに収めようとしていた淀野。しかし、気づけば彼は田中という少年兵の姿ばかり追っていました。 人懐っこく、疑うことを知らないような田中の笑顔を見るたび、少年兵たちがどんな最期を迎えるのかと彼らの運命に思いを馳せずにはいられなかった淀野。そんなある日の夜、彼のもとに田中が訪ねてきます。2人で話すうち、淀野は田中と一線を越えてしまうのですが……。

1945年3月、淀野は報道のために特攻隊の写真を撮りに徳島へやってきます。そんな彼が目を付けたのが、兵隊の志津摩。被写体になるのを拒否されますが、一緒に過ごす時間はとても心地よいものだったのでした。 ある日、タバコを吸っていた淀野のもとに志津摩がやってきます。そこで過去に男同士で交わってしまったことを聞かされる淀野。ここのシーンはとても趣があって、ドキドキしまくりでしたね……。 淀野は志津摩と交わることになり、今までにない快感を味わいます。 数日後、志津摩は特攻へ異動となり、やがて戦争が終わりを迎えました。10年後、淀野は特攻隊の資料を漁っています。

1945年1月、海軍航空隊の兵舎では酒宴が開かれていました。月に一度の大盛り上がりの夜は、アメリカとの戦争の真っ只中ということもあって、自然と酒の量も増えていきます。 そんな中、若い新兵たちをイジメ楽しむ「可愛がり」が始まりました。今回ターゲットになったのは、整備兵の塚本太郎。人一倍デカいアソコを持った彼はベテラン兵士たちの前で脱いで、笑いを掻っ攫います。明るい雰囲気で楽しそうです！ 一方その場にいた中尉の橋内和は、兵舎の光景をつまらなさそうに眺めていました。その後塚本は橋内から、何回くらい後家を抱いたのかを聞かれ……。

みんなの憧れの存在である中尉・橋内から呼び止められた塚本。そこで橋内から、男しか抱いたことがないことを明かされます。 さらに今まで乱暴なプレイしかしたことがないと聞かされ、上官命令で塚本が抱くことになるのでした。職権乱用とはまさにこのことですよね！ 橋内の願いのために、優しく全身をほぐしていく塚本。もちろん男と交わったことなどないノンケなので、緊張しながら手探りで責めていきます。キスしようとしてビンタされる塚本が不憫……。 しかし橋内は、一生懸命気持ち良くさせようとする塚本に心を開いていき、2人で快感を味わうのでした。

1944年9月、太平洋戦争真っ只中の日本。海兵団出身搭乗兵の二飛曹・志津摩は、軍からの配給品で申請した絹の白羽二重のえり巻を受け取ります。念願叶ってようやく手に入れた宝物を手にして、大はしゃぎの志津摩。周りの目も温かくて平和ですね～。 早く巻きたいと考えながら歩いていると、空を見上げながらタバコを吸っている男性を見かけます。その人物は、自分の隊で死者が出ると容赦なく隊員に手を上げる八木正蔵中尉でした。話し掛けたことを後悔する志津摩でしたが、渋々タバコに付き合うことに。 すると八木から、好きな女性がふるさとで待っていることが明かされます。

志津摩が八木に抱かれてから、数日が経過したある日。八木部隊の戦闘機が一機墜落する事態に。その夜、八木は以前に夜空を見上げていた場所で、今日も煙草を吸っていました。 志津摩は、彼が落ち込んでいると察して慰めます。いつもと違う様子の八木を見て、気持ちを察する志津摩に愛を感じますね。やがて、志津摩と八木の関係は肉体以上の繋がりに進展していきます。 一方で戦争では劣勢になる日本。志津摩たちが所属する部隊でも「特別攻撃隊」を作ることになりました。特別攻撃隊の役目は、自分の命を犠牲にして敵機に体当たりするというもので……。

特別攻撃隊の出撃隊員に選ばれた八木。ある日、八木は酒井大佐から「志津摩が八木との特攻隊を交代して欲しいと訴えてきた」と聞かされ、軍人として恥ずべき行為だと叱責されました。 八木は志津摩の行為を怒り、2人は喧嘩別れの状態に。八木を救おうとした志津摩の気持ちは伝わっていると思いますが、軍人の立場を考えると難しい問題ですね。 過去、同性愛者であることを家族に拒絶され、孤独に生きていた志津摩。八木と出会い、ようやくできた自分の居場所を失ってしまい涙します。それから数日が経過し、ついに八木が特攻隊として飛び立つ日がやって来て……。

舞台は変わり、時は1945年3月。本編の主人公・坂ノ上庚二少佐は、宴会の席で不機嫌な顔を浮かべていました。坂ノ上が属している航空隊は、もう2週間も戦果をあげられていません。ばくちのような出撃を繰り返すばかりで、空振りを繰り返していました。 そんな中では士気も上がらず、兵士同士の喧嘩が朝から何件も起きています。喧嘩の中心にはいつも伴勇人一飛がおり、そんな彼は坂ノ上にとって心配の種だったのです。そのような状況で呼ばれた作戦会議というなの宴会では、ろくな議論も行われず、女中と淫らな行為にふける者がいるほど。坂ノ上は早々にその場を後にします。 坂ノ上が見回りをしていると、暗闇から物音がします。複数の走る姿が見えたため、坂ノ上が声をかけますが、彼らは足を止めません。坂ノ上が彼らを追いかけると、その先から何やらドアの向こうから物音が聞こえてくるのでした。 ドアから中を覗くと、そこには伴の姿があり……。

戦況が悪化してきたこともあり、徳島基地では、旧型の戦闘機レイ戦32型が引っ張り出されます。ちゃんと飛べるかもわからないボロを見て、坂ノ上は部下にしっかり整備するように申し付けるのでした。そんな最中、その日の朝に出撃していた一機が帰ってきます。 ドカンと音を立てながら着陸した戦闘機には、伴の姿がありました。伴はアメリカの巡洋艦を一隻撃沈したと報告。その一方で、味方の5機が撃墜されたことも語るのでした。 若い兵士たちが次々と命を落とし、喧嘩が起きるほどの気力も失われていくなか、坂ノ上は妻と子どもの写真を片手に、物思いにふけっています。 その後、新たに特攻作戦が行われることに。5人のメンバーが選ばれるのですが、事前に坂ノ上はその人員を知ることになります。 そんな状況で、坂ノ上は伴の体を求めます。前編で伴は坂ノ上を憎んでいたようですが、本編では違った様子を見せるのです。さらに伴は坂ノ上から聞いた話を受け、ある行動にでます。

8話で特攻隊員が発表となります。そこにはもしかしたら伴の名前があったのかもしれません。それを見た坂ノ上が、彼を失いたくないと思ったとしたら自然なことでしょう。ただ現時点では誰の名前が載っていたのかは不明です。 9話の後編では、このあたりが明確に描かれる事でしょう。坂ノ上にとっては辛い決断を迫られることになるのかもしれません。会いに来ない家族をとるのか、伴をとるのか、いずれにせよ哀しい選択です。ハッピーエンドになることを望みますが、ラストは切ない悲恋で終わるのではないでしょうか。

『蛍火艶夜』は、題材が特攻隊なこともあり、物語自体を不謹慎だと考える人もいるようです。絵柄がリアルなタッチで、しっかり筋肉の付いた男たちの性描写が描かれているのも「気持ち悪い」と感じてしまう理由のひとつかもしれません。 しかし、ストーリーとイラストのリアルさは、見方を変えれば魅力とも言えますよね。

平和な世の中を生きていると、戦時中のことは伝聞でしか知ることはできません。しかし、この作品は素直に「きっとこういう事もあったんだろうな」と読者に思わせる力があります。死んでしまった恋人が忘れられずにいる田中と、そうと知りながら彼を抱く淀野のエッチシーンはまさに圧巻。 エッチシーンは１度のみですが、その１度に圧倒されてしまいます。昼間は無邪気に友人と戯れる田中が見せる妖艶な表情も心をざわつかせますし、色々な感情がこれでもかと詰め込まれたシーンは必見。削った命をぶつけあうような淀野と田中の濡れ場は、忘れられそうにありません。

この作品に登場するカメラマン・淀野は、初めは人のいいおじさんとして登場します。従軍記者としてプロパガンダ用の写真を撮りに来ているのにも関わらず、このあと特攻する少年たちの生涯に思いを馳せるような優しさも持ち合わせていました。 しかし彼は田中と出会い、体を重ねたことで自分の中にある凶暴な感情に気づいてしまうのです。それは情事の際に田中が発した「ある名前」が原因だったりするのですが、このあたりの描写も登場人物それぞれの人間臭さがよく現れています。

『蛍火艶夜』で描かれている時代は、同性愛に対する風当たりがとても強い時代でした。作中で描かれる登場人物たちの表情や言葉からは、自分と同じ男性を愛してしまった彼らの葛藤が痛いほど伝わってきます。 志津摩は八木との関係を「変な関係だった」と語っていますし、男女の間じゃないと本来しないことを男同士でするのはタブーだという考え方だったようです。死に別れるのはもちろんつらいけど、生き残ったとしても戦争が終われば一緒に生きていくことはできないというのが切なく苦しいです。

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雨瀬シオリ先生は、2012年にデビューした女性漫画家です。「週刊ヤングマガジン」と「モーニング」で行われる漫画新人賞のちばてつや賞にて、奨励賞を獲得した経歴もあります。 本作はそんな彼女が描く、初の商業BL作品です。

高校の弱小ラグビー部を舞台にストーリーが展開していく、青春スポーツ漫画。背の高さにコンプレックスを持つ主人公が、チームメイトと共に成長していく姿が非常に「熱く」描かれています。 そんな本作は、努力・根性・執念で夢へと駆け抜けるチームメイトの青春が見どころ。通常のスポコン漫画とは一線を画す胸アツ展開に、涙すること間違いなしです！

高校で倫理の授業を受け持つ教師・高柳と、問題や悩みを抱える生徒の関わり合いが描かれるヒューマンドラマ漫画。ストーリーのほとんどが1話完結となっており、作中には多くの問題児が登場します。 そんな本作は、哲学染みた深い物語が見どころの作品です。随所で高柳が読み手の人生観すら変えるセリフを発しているので、読み終えたときには心揺さぶられるはず。