漫画『悪罪』ネタバレあらすじ＆感想！誰しもが持つ心の闇を描くヒューマンドラマ作品

漫画『悪罪』は、ずっと自分の感情を押し殺し優等生の仮面を付けて生きてきた主人公が、とあるきっかけで自分の中にくすぶっていた負の感情に飲み込まれていく様子を描いた作品です。 ここからは本作のストーリーを、ネタバレ込みで第5話まで解説していきます。話題作『イジメの時間 』の作者が描く、少年少女の不安定で危うげな心理描写に注目です！

主人公の三保伸也は成績優秀な優等生。早くに母親を亡くし、厳格な父親に抑圧されて育ってきたせいで、いつからか自分の感情に蓋をするようになっていました。クラスメイトの川崎繭のことが気になりつつも、父親が恋愛なんて許すはずもないと最初から諦めてしまっていたのです。 そんなある日、下校中に偶然繭の姿を見つけた伸也は、つい魔が差して彼女の姿を盗撮してしまいます。 きっと誰にもバレないと思う一方で、自分の中にこんな衝動性があったことに驚き自己嫌悪する伸也。公園で1人落ち込んでいると、そこに繭がやってきて……！？

繭から突然話しかけられ、盗撮がバレてしまったのではと焦る伸也。こうなったら正直に話して謝罪しようと考えます。 しかし繭がやってきたのは盗撮に気が付いたからではありませんでした。どうやら繭は伸也に興味があるようで、話しているうちに彼自身もそのことに気が付いていきます。 好きな子と両想いかもしれないという期待に伸也の脳内はパニックに。父親のことが頭にチラつきつつも、立ち去ろうとする繭を引き止め自分も関心があることを伝えます。 すると次の瞬間、突風で伸也のプリントが公園の外へと飛ばされ、偶然居合わせた繭の友人・ひろに出くわしてしまい……。

ひろの失言により、繭が自分のことを好きなうえに、今日告白するつもりだったと知った伸也。どう反応すればいいのかあたふたしていると、伸也が困っていると勘違いした繭から「諦めるから忘れて」と言われてしまいます。 伸也は去って行く繭の後ろ姿を見つめながら、盗撮して欲を満たしていた自分の愚かさを悔やむと同時に、父親の抑圧から抜け出し一歩踏み出そうと決意。繭を引き止め、自分もずっと好きだったと伝えるのでした。 その日から秘密のお付き合いをはじめた2人。伸也は自分が思っていたよりも感情的な人間だったのだと実感しながら、これまでの人生で感じたことのない充足感に浸っていました。

正式に交際をスタートさせた伸也と繭でしたが、周囲に2人の関係を広めることはできませんでした。もし父親に知られたりしたら、きっと繭を傷付けることになると伸也にはわかっていたからです。 繭と一緒に過ごせることに幸せを感じながらも、伸也は自分のことを思ってくれている父親を裏切っているような罪悪感を抱いていました。 とはいえ今まで通りの生活リズムを崩すことが無ければ、この交際がバレる可能性はほぼ皆無。それよりも伸也の頭の中は、繭にどうしても言っておかなければならない「あること」でいっぱいになっていました。

父親にバレないか心配すると同時に、伸也は繭に盗撮のことを伝えるべきかどうか葛藤していました。両想いといえど犯罪は犯罪。きちんと償わなければとわかっていながらも、繭に嫌われてしまうかもしれないと思うとどうしても言い出せませんでした。 一方、そんな伸也の心情も知らない繭は、無邪気に付き合えたことに対する喜びを口にします。普段とは違う繭の姿を見てたまらなく嬉しくなる一方で、彼女が好きなのは優等生の仮面を被っている自分なのではと不安になる伸也。 そして漠然とした違和感と不安を抱えながらも、きっと大丈夫だと自分に言い聞かせるのでした。

ずっと片想いしていた繭と交際をスタートさせた伸也ですが、厳格な父親やまだ告白できていない盗撮のことなど問題は山積み。クラスメイトの中にも不穏な動きをしている人物がいるので、今後物語は一気に荒れていきそうです。 最終回の予想としては、伸也が父親を手にかけてしまう可能性があります。冒頭シーンには伸也が誰かを殺したような描写が描かれていました。 ずっと父親に抑圧されていた伸也が、我慢の限界に達して暴力的な行動に出てしまう可能性は十分に考えられます。もしかすると父親が原因で繭の身に何か起こってしまうのかもしれません。 仮面を取り去った時、伸也の中にどんな感情が芽生え、物語を動かしていくのか大注目です！

5話終了時点では「盗撮」という罪の意識に苛まれながらも、繭との日々で少しずつ明るくなっていく伸也の姿が描かれています。しかし冒頭の意味深なシーンや、あらすじ文面から察するにこのままハッピーエンドという訳にはいかないようです。 果たして慎也の身になにが起こるのか。タイトル『悪罪』が示す罪とは一体誰のどんな罪なのか。全く予想できないストーリーにページを捲る手が止まりません！