1.クエイドは気取った会計士だった?
『トータル・リコール』は1966年のフィリップ・K・ディックの短編小説『追憶売ります』が基となっています。オリジナルストーリーの基本構造も嘘の記憶を埋め込まれた男が、シークレットエージェントだと気づくというものでした。しかしキャラクターの名前はダグラス・クエイルで気取った会計士で、クエイドのような建設現場で働く男ではありませんでした。
2.元々はひどい出来だった!?
『トータル・リコール』最初の草案は『エイリアン』の脚本を務めたロナルド・シャセットなどにより書かれました。しかし、『トータル・リコール』の脚本は当初、ひどい出来でした。そのため草案が何度も書き直され、40稿を超えてようやく脚本が完成しました。その中の一人がデヴィッド・クローネンバーグで、彼は1人で12もの草案を書きました。
3.インディージョンズが実はモデル!?
クローネンバーグは1年を費やし、12の草案を書いても、まだ映画『トータル・リコール』の方向性模索中でした。しかしロナルド・シャセットが言った下記のことにより何かをつかんだと語っています。
”あなたがやってきたことはフィリップ・K・ディックのバージョンだ!我々がやりたいことはインディージョーンズ火星に行くなんだ”
4.シュワちゃんの剛腕ぶり!
アーノルド・シュワルツネッガーは『トータル・リコール』の主役におけるファーストチョイスではありませんでした。1980年代、クリストファー・リーヴ、ウィリアム・ハートなどがクエイドを演じる最有力候補でした。彼がこの役を手に入れた理由は、映画製作スタジオにシュワルツネッガー出演ありきで脚本を買うように説得し、それに成功したためです。また、当時前例のなかったプロダクションコントロールをして、監督、プロデューサー、共演者などの決定権を手にしていました。
5.ロボットタクシーの正体とは?
『トータル・リコール』で印象的なキャラクター、ロボットタクシーの運転手は『スタートレックヴォイジャー』に登場するドクターを演じたロバート・ピカードがモデルです。ロバート・ピカードが運転手の声を担当しています。なぜかこの運転手はノルウェー国家の口笛を吹いていますが、これには何の意味もないそうです。
6.シュワちゃんの嫉妬!?
アーノルド・シュワルツネッガーは『ロボコップ』に主演する予定でした。しかしピーター・ウェラーに役を奪われ、ロボコップを演じることはありませんでした。このことが頭にあり、彼は『トータル・リコール』の監督のファーストチョイスとして『ロボコップ』の監督ポール・ヴァンホーヴェンを選択し、作品の何人かのキャストやスタッフを起用しています。
7.牛にならなくて良かった!?
リリシア・ナフが演じた3つの乳房をもった娼婦メリーは当初、4つの乳房の予定でした。しかしそれでは牛に似すぎるという、とんでもない理由で却下されました。リリシアは本物の胸をさらしているようで撮影中とても恥ずかしかったと語っています。彼女が登場するシーンをよく見ると、笑顔が少しひきつっているのが確認できます。彼女は泣き出す寸前だったようです。
8.レーティング問題!
『トータル・リコール』は過激なバイオレンス描写により18禁の指定を受けていました。レーティングを下げるために腕が切り落とされるシーンやドリルで穴が開けられるシーンなどがカットされました。それでも多くの批評家たちがこの作品の過激な描写を批判していました。
9.エンディングの真相!?
『トータル・リコール』のエンディングはクエイドとメリーナが火星に立ち、夢か現実か分からないまま終わります。シュワルツネッガーとヴァンホーヴェンはDVDの解説でエンディングは夢だったと述べています。これには数多くの証拠があります。リコール者のセールスマンボブがクエイドに火星で起こること(シークレットエージェントになりブルネットと恋に落ちる)を話し、そのことが実際に起きたり、ドクターエッジマーはエンディングで起こることを予言しています。
10.『マイノリティ・リポート』は『トータル・リコール』の続編!?
2002年に公開された『マイノリティ・リポート』は元々『トータル・リコール』の続編として考えられていました。もちろん主演はシュワルツネッガーで、再びクエイドを演じることで計画されていました。しかしプロジェクトが進むにつれて脚本が書き直され、大きく方向転換をしました。結局、スティーブン・スピルバーグ監督、
主演で製作されました。