2025年3月13日更新

「ウィキッド」グリンダは性格が悪いし嫌い?好きになれないあなたへ魅力を解説

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ウィキッド ふたりの魔女、映画、グリンダ、アリアナ・グランデ
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大ヒットミュージカル舞台を2部作で映画化した『ウィキッド ふたりの魔女』。この記事では、本作の主人公の1人である「善い魔女」グリンダにフォーカスを当て、彼女の本当の性格やその魅力に迫っていきます。

※本記事には、映画『ウィキッド ふたりの魔女』のネタバレが含まれています。未鑑賞の方はご注意ください。

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「ウィキッド」グリンダは性格が悪いのか?

『ウィキッド ふたりの魔女』(2025年)
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シズ大学に入学した当初のグリンダは、両親に手厚く見送られて愛されて育ったことがよくわかる良家の子女といった雰囲気。それ故に自己肯定感が高く、外見も華やかですぐに周りに人が寄ってくるような吸引力もあります。同時に頭の回転も速く、立ち回りも上手いため時に偽善的に映ることも。 一方、正反対の性格と外見を持つエルファバはそんなグリンダを敬遠していました。ところがルームメイトになり、グリンダの楽天的で自己中心的な性格と趣味の違いに辟易してしまいます。グリンダはピンクを好み、大量のピンクの服と小物をエルファバのスペースにまで広げていました。

グリンダが嫌い・ひどいと言われる理由

グリンダの性格は良くいえば社交的、悪くいえば八方美人。その場その場で態度が変わるのも自己中心的で、あくまでも自分のことだけ考えているように見えます。相手によって態度を変えているのも感じが悪く映る要因の1つ。 ボックに思わせぶりな態度を見せたり、彼の好意を疎ましく思ってネッサローズを誘うよう仕向けたりしますが、これを「良かれと思って」と嘯く態度がまた独善的。さらに自分が祖母からもらった“変な”帽子をあえてエルファバにプレゼントして、笑いものにしたり。 当のエルファバはグリンダからのプレゼントとパーティへの誘いを素直に受け取り、帽子をかぶって会場へ。さらにはそのお礼としてマダム・モリブルにグリンダへ魔法の杖を授けてほしいと懇願までしていました。

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グリンダに貼られたレッテルと本当の性格

『ウィキッド ふたりの魔女』(2025年)
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外見がゆえに中身に目を向けられない

アメリカでは金髪美女のことを「ダム・ブロンド」と揶揄して「おバカな金髪」と呼ぶことがあります。つまり、外見ばかりで頭が空っぽという意味。グリンダもそんな風に見られがちなようで、実際劇中でもエルファバから嫌味っぽく「ブロンド」と呟かれるシーンがありました。 グリンダには「何を言ってもいいようにとられる」経験が多く、自分の中身に注目されることがなかったのではないでしょうか。確かに中身がないような言動も見受けられますが、それは楽天的な性格ゆえ。実際の中身はまだパート1ではあまり明らかになっていませんが、外向的なため政治的手腕はありそうです。

周囲の希望を汲み取りすぎる

良くも悪くも周囲の目を引く、目立つ外見と性格を持つグリンダ。前述のような経験から周囲が望む言動を取りがちになり、しかしそれが必ずしも本心ではないのでは?という素振りも見せていました。 周囲からの期待が自分に向いていることをわかっていて、あえて“望まれている”自分を演じているようにも見えます。例えばボックへの態度も好意がないことをはっきりと伝えられず、ボックとネッサローズをくっつけようと偽善的な行動に出てしまったり、取り巻きにそそのかされて変な帽子をエルファバに渡してしまったり。 つまり実のところ、グリンダは素直な性格で周りの空気に合わせて行動している節があります。しかしその空気に初めて抗ったのが、パーティで笑いものになったエルファバに歩み寄るシーン。エルファバの素直な想いに自らの言動を恥じたのか、独り踊るエルファバに合わせて一緒に独特なダンスを踊り、最終的には周りを自分のペースに巻き込んでいました。

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グリンダはなぜエルファバの手を取らなかったのか

ウィキッド ふたりの魔女、映画
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社会の善性を信じていたから

ラスト近く、箒に乗って逃げようとするエルファバに「一緒に行こう」と手を差し出されたグリンダ。しかし彼女はその手を取りませんでした。ここでのグリンダはまだ、オズの魔法使いやマダム・モリブルに「謝ろう」と促しています。 このことから、グリンダはこの時点では彼らのことを疑いつつもいまだ信じている様子。動物排斥運動も「共通の敵を作り出すためのやむを得ない理由」と考えているのでしょうか。しかしエルファバは動物の乳母に育てられたことや社会から排斥されてきた側だったため、この時点で怒りが沸騰しています。 グリンダは裕福な家庭で両親の深い愛情を受けて育ち、楽天的な性格や美しい外見を持っていたがため社会の裏側を知らずに表側しか見ていなかったのでしょう。この時はまだ、「社会の善性」を信じていたかったのかもしれません。

グリンダの選択は弱さではなく強さの表れ

とはいえ、グリンダは決して「ダム・ブロンド」ではなく、自分が歩む道を自ら選択できる強さと勇気を持っています。親友のエルファバとともに行く道を選べば、彼女の強大な魔力で一緒に世の中を変えることができるかもしれない。しかしあえてその道ではなく、むしろ過酷と思われる「残る道」を選びました。 そこにはもちろん打算的な考えもあるかもしれませんが、自分が持つ吸引力と社交力が活かせて、内側から社会を変えることができるのは残る道しかないとも考えたのかも。エルファバは外側から、自分は内側から社会を変革する――ほんの一瞬のアイコンタクトでしたが、そんなお互いへの理解と決意を感じさせるラストシーンだったように思えます。

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ふたりの友情は別れても不滅

こうしてエルファバとグリンダは違う道を歩むことを選びましたが、それは決して“もう友だちではない”ということではありません。むしろ別れて違う道を行くことによって、両側から社会を変革するという「共同戦線」を張ることになるのです。 2人の友情は逆に、さらに強く結ばれていくことになります。ただし、続編となるパート2の途中までは、グリンダとエルファバはフィエロを挟んで辛い選択と哀しい運命を強いられることになってしまいます。

グリンダのその後がかわいそう?原作をネタバレ

残る道を選んだグリンダは、パート2でオズの魔法使いとマダム・モリブルのもとで行動することになります。しかし逃亡するエルファバを匿ったフィエロが拷問を受け、瀕死の状態に。グリンダは2人が自分を裏切って恋人同士になったことに絶望し、その悔しい想いを密告という形で表に出してしまいます。 「エルファバの弱点は妹のネッサローズ」だと聞いたマダム・モリブルは、竜巻を起こしてネッサローズを家の下敷きにします。この竜巻に巻き込まれたのが『オズの魔法使い』の主人公ドロシーの家で、これによってドロシーはオズの世界に迷い込むことに。 しかもドロシーが浴びせたバケツの水によって、エルファバは消えて“死んで”しまいます。この直前にグリンダとエルファバは互いの友情を確かめあっていただけに、その最後はあまりにも辛いものになるのです。

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グリンダの性格が悪いは勘違い!善い魔女の精神性を解説

性格が悪いと思われがちなグリンダですが、深く掘り下げれば物事はすべて多面的なことがわかります。パート2まで鑑賞して、グリンダとエルファバの友情の行方を確かめましょう!