2017年7月6日更新

2016年東京国際映画祭で見逃せない10のこと!おすすめ作品&特集まとめ

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『アズミ・ハルコは行方不明』 松居大悟

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日本の映画の祭典!東京国際映画祭

第29回東京国際映画祭が、2016年10月25日から11月3日まで10日間にわたり開催されます。今回は六本木シアターやEXシアター六本木など、都内の各劇場で行われるこの映画祭は、1985年に国際映画製作者連盟公認の映画祭としてスタートしました。日本で一番大きな国際的な映画の祭典である、東京国際映画祭の見どころやおすすめ作品についてご紹介します。

1:世界各国1500以上の応募から選ばれたコンペ部門

東京国際映画祭にはいくつかの部門が設けられていますが、その中でも最も注目を集めているのが、コンペティション部門です。国際的な審査員によって審査されるこの部門には、毎年世界各国から多数の応募が有り、今年は1500以上の応募作品の中から名誉あるグランプリ作品が決定されることとなります。

2016年度は16作品が選出

2016年10月の第29回東京国際映画祭では、コンペティション部門に16作品が選ばれています。

『アズミ・ハルコは行方不明』

『アフロ田中』のヒットや『私たちのハァハァ』でのゆうばり国際ファンタスティック映画祭での2冠受賞など、このところ活躍が目覚しい松井大吾監督の最新作『アズミ・ハルコは行方不明』。 主演に蒼井優を迎え、生き迷うアラサーOL安曇春子の行方不明事件をきっかけに、都会の街を行き交う若者たちの日常が交差する異色の青春群像劇です。

『雪女』

古くから日本に伝わる妖怪奇譚『雪女』が杉野希妃監督ならではの解釈のもと現代によみがえる、注目の作品です。 猟師の巳之吉は、仲間が雪女に襲われ死亡してしまうところを目撃してしまったという忌まわしい過去を持ちます。過去を乗り越え美しい女ユキと幸せな家庭を築いた巳之吉に昔の恐ろしい事件の記憶がまざまざとよみがえる出来事が・・・。 現代によみがえる妖しくも美しい雪女とユキを杉野希妃監督が一人二役で熱演しています。

『7分間』

イタリアの人気俳優であり、脚本家、映画監督であるミケーレ・プラチドが手がけるヒューマン・ドラマ『7分間』。 リストラが推し進められている小さな工場で起こる、働く女性たちのリアルなドラマを描いた今作品は、現代のイタリアが抱える問題はもちろん、世界中の働く女性の心境を描くことに成功した社会派作品となっています。

2:注目作が出揃った!特別招待作品

東京国際映画祭で毎年個性豊かな作品が揃う部門と言えば、こちらの特別招待作品。

『聖の青春』

天才将棋士、村山聖の29年の美しくも儚い人生を描ききった『聖の青春』がノミネート!演技派俳優、松山ケンイチが周囲が心配になるほどの大幅な体重増量で役作りを行った注目の作品です。

『ミュージアム』

殺人鬼を追い詰めるはずの刑事が次第に追い詰められていくという不条理アクション・サスペンス『ミュージアム』。主演を務めるのは小栗旬です。 同名コミックを原作とする今作は、自身も大の漫画好きを公言する小栗旬の本領発揮とも言うべき快作。綿密に練られた脚本と秀逸なカメラワーク、そして小栗旬の鬼気迫る怪演を楽しめる、見逃せない作品です。

『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』

絶世のオンチであるのに、ソプラノ歌手を夢見るマダム・フローレンス。ある日カーネギーホールでコンサートを開くことになり、夫でありマネージャーであるシンクレアは、彼女の夢を叶えるためにあの手この手で頑張ります。 マダム・フローレンスを演じるのはメリル・ストリープ。夫のシンクレアはヒュー・グラントが演じています。

3:世界各国の選りすぐりの良作を堪能

ワールド・フォーカス部門

海外の話題作や映画賞受賞作で、日本公開が未定の作品を集めたものがワールド・フォーカス部門です。

『クラッシュ』

エジプト革命後のカイロを舞台に、デモで捕まった人々の護送車の中でのドラマを描いている社会派作品です。エジプトや中東の現状がリアルに描かれる注目作であり、「アラブの春」を題材にした映画の代表的作品。

『名誉市民』

アルゼンチンの小さな町の出身である作家のダニエルは、ノーベル文学賞を受賞したことをきっかけに、地元で名誉市民賞を授与されます。二度と戻らないと思っていた故郷で、ダニエルは閉鎖的な習慣を持つ地元の人々の騒動に巻き込まれてしまいます。 ダニエルを演じたオスカル・マルティスがヴェネチア映画祭で最優秀主演男優賞を受賞した話題作です。

『ダイアモンド・アイランド』

カンボジアの商業施設「ダイアモンド・アイランド」で働く少年たちの日常や恋愛模様を描いた社会派青春ラブストーリー。カンボジア映画界の注目を集めているデイヴィ・シュー監督の最新作で、カンヌ映画祭2016で、SACD賞に輝きました。

4:エネルギッシュな日本映画も見逃せない!

日本映画スプラッシュ

日本のインディペンデント映画を応援するために作られた部門、「日本映画スプラッシュ」。インディ映画界を代表する監督たちの個性あふれる作品が揃っています。

『14の夜』

『百円の恋』で脚本を手がけた足立紳の監督デビュー作品がこの『14の夜』。80年代の田舎町を舞台に、中学生の少年たちのばかばかしくも愛おしい日々を描いた、笑って泣ける青春ストーリーです。

『退屈な日々にさようならを』

日本映画スプラッシュ部門の常連である今泉力哉監督が手がける『退屈な日々にさようならを』は、映画づくりを通して、独特の恋愛観と死生観が描かれる、不思議なラブ・コメディ。駆け出しの映画監督、梶原を中心に、映画づくりに青春を掛けながらも、思いもよらない事態に巻き込まれていく仲間たちの姿が愛おしい作品です。

『太陽を掴め』

中村祐太郎監督が手がける『太陽を掴め』は、音楽と恋愛と青春が1本の映画の中にたくさん詰まっている作品です。 人気上昇中のミュージシャン、ヤットとフォトグラファーのタクマは高校の同級生。同じく同級生のユミカはタクマの元恋人で、3人がそれぞれに複雑な感情を抱きながら日々を過ごしています。音楽に掛けた青春の日々を激しくも美しく描いた注目作です。

5:秋の夜空の下でSF映画はいかが?

野外上映 Cinema Arena

六本木ヒルズアリーナで行われる無料の野外上映会が、「野外上映 Cinema Arena」です。秋の夜にぜひ観たい話題のSF映画が揃っています。

『オデッセイ』

火星に取り残されてしまった宇宙飛行士の生還劇を、リドリー・スコット監督が描いた作品がこの『オデッセイ』です。迫力満点の映像をぜひ野外で楽しみたいですね!

『オブリビオン』

トム・クルーズ主演で送るSFアクション作品がこちらの『オブリビオン』。人類のいない地球に取り残され、侵略してきた宇宙人スカヴと戦うジャックの姿を描きます。地球と人類の未来はどうなるのか、スリリングな展開から目が離せなくなる超大作です。

6:過去の名作日本映画が4Kで復活!

日本映画クラシックス

日本の名作のオリジナルフィルムを最新のデジタル技術で修復、復元下作品が揃う部門がこちらの日本クラシックです。日本映画界を代表する不朽の名作たちが、美しい4K映像で蘇ります!

『キングコング対ゴジラ』

日本を代表する特撮の名作ゴジラの初のカラー作品である『キングコング対ゴジラ』。アメリカの人気怪獣キングコングとゴジラの正規の対決を4Kデジタルリマスター映像で楽しめます。

『里見八犬伝』

『新・里見八犬伝』の深作欣二監督による映画化作品。滅ぼされた里見家の生き残り、静姫と姫を守る剣士たちの姿を描いた歴史スペクタクルです。

『雨月物語』

怪談「雨月物語」を原作にした不朽の名作が4K映像でよみがえります。溝口健二監督作品『雨月物語』は、陶器職人の源十郎とその弟夫婦の悲しい運命を描いた儚くも美しい怪談ラブストーリーです。

7:必見!細田守特集

第29回東京国際映画祭のアニメーション特集企画は、細田守監督作品。話題となった過去作品を一挙公開しています。

『時をかける少女』

筒井康隆原作のSF小説を初アニメ化した『時をかける少女』。過去に戻ることができる能力を持ってしまった少女が、自分の人生のかけがえのない時間に気づいていく、切ない青春ストーリーです

『おおかみこどもの雨と雪』

花の好きになった人は「おおかみおとこ」。やがて二人の子供を授かり、「雪」と「雨」と名づけます。雪と雨が人間とおおかみ、どちらの生き方でも好きな道を選べるように、花は田舎に移り住むことを決めます。母親として奮闘する花と成長していく「おおかみこども」雨と雪の姿を描きます。

『バケモノの子』

バケモノの国に迷い込んでしまった少年丸太は、熊徹に弟子入りすることに。ぶつかりながらも修行を通して大きく成長していく丸太の姿と、あたたかく見守る父親的存在の熊徹との日々を描いた感動作です。

8:そのほかの注目作品

たくさんの部門が設けられている東京国際映画祭には、他にも観ておきたい注目作品がいっぱいです!

『底辺から走り出せ』

20年前は人気ロックシンガーであったホーピンですが、現在は音楽の世界を離れ、代行ドライバーとして忙しく働く毎日。かつての音楽仲間と再会を果たしたホーピンは、もう一度音楽への情熱を取り戻します。挫折を味わったことがあるホーピンと同世代の人なら胸が熱くなること間違いなしの感動作です。

『ヒッチコック/トリュフォー』

フランス人監督、トリュフォーがかつて行ったヒッチコックへのロングインタビュー。この映像を元に、世界中の映画界の巨匠たちが熱い思いをぶつける、映画愛にあふれた作品です。ヒッチコックファンはもちろん、映画を愛する全ての人に観て欲しい貴重なドキュメンタリー。

『ウルトラマンシリーズ放送開始50年 特別企画:脚本家 金城哲夫』

ウルトラマンシリーズの脚本を手がけた金城哲夫作品を上映する今作は、ウルトラマンシリーズ放送開始50年を祝うだけでなく、これからの新しい才能を育てるための画期的な企画でもあるのです。新たに創設された「円谷プロダクションクリエイティブアワード 金城哲夫賞」と合わせてチェックしておきたい作品です。

9:ハロウィンはアニソンで盛り上がる!TIFFアニ!!開催決定

東京国際映画祭から日本のアニメ界をさらに盛り上げるプロジェクトが発進。10月31日のハロウィンの日に、スペシャルアニメステージ『TIFFアニ!!』が開催されます。この日しか観ることができない貴重な作品や、トークイベントも楽しむことができる、アニメファン必見のイベントです。

10:東京国際映画祭フェスティバルミューズには女優・黒木華

第29回東京国際映画祭の大きな見どころの一つであるフェスティバル・ミューズに、女優の黒木華が就任。さまざまなオフィシャルイベントで活躍する姿を見ることができます。 黒木華は、2009年に舞台『ザ・キャラクター』でデビュー、その後舞台『表に出ろいっ!』で初ヒロイン役を務めます。 映画には、2011年に公開された『東京オアシス』で初出演を果たし、次々と話題作に出演しました。2013年の『船を編む』、2014年の『小さいおうち』での演技が高く評価され、日本アカデミー賞新人賞、ベルリン国際映画祭最優秀女優賞などの多くの賞を受賞しています。